企業が自社で所有・運営するオウンドメディアは、近年、マーケティング戦略においてますます重要な位置を占めるようになっています。オウンドメディアを成功に導くためには、オウンドメディアの分析を継続的に行い、その効果を正確に把握し、課題を特定・解決していくことが不可欠です。本記事では、オウンドメディアの分析におけるデータ分析の重要指標、活用すべきツール、そして具体的な手順について、網羅的に解説します。効果的なオウンドメディアの分析は、Webサイトのパフォーマンス向上に直結し、最終的にはビジネス目標の達成に貢献します。
オウンドメディアの効果分析・データ分析の重要指標
オウンドメディアを成功に導くためには、その効果を可視化し、継続的に改善していくことが不可欠です。そのためには、オウンドメディア 分析において、成果を測るための適切な指標を設定することが重要となります。一般的に、これらの指標はKPI(重要業績評価指標)として設定され、オウンドメディアの目的達成度を測る羅針盤となります。
広く利用されているオウンドメディア 分析の重要指標には、以下のようなものが挙げられます。
・ターゲットとするキーワードでの検索順位: 検索エンジンからの流入を増やす上で、ターゲットキーワードでの上位表示は基本中の基本です。
・ページビュー数(PV数): サイト内のページが閲覧された総回数を示し、コンテンツの注目度やサイト全体のトラフィック規模を把握するのに役立ちます。
・新規ユニークユーザー数: 特定期間内にサイトを訪れた、重複しないユーザーの数です。新規顧客の獲得状況や、メディアのリーチを測る指標となります。
・SNSでのシェア数: コンテンツがどれだけ共有されたかを示し、コンテンツの拡散力やエンゲージメントの高さを測る指標です。
・定着率(リピート率): ユーザーがサイトを再び訪れる確率です。コンテンツの質やユーザー体験の良さを示す重要な指標と言えます。
・滞在時間: ユーザーがあるWebページに平均してどれくらいの時間留まっていたかを示します。コンテンツへの関心の深さを推し量ることができます。
・遷移数: ユーザーがあるWebページから、離脱せずに他のページへ移動した平均回数です。サイト内でのユーザーの行動フローや、コンテンツ間の関連性の高さを分析するのに役立ちます。
・回遊率: 1人のユーザーがサイト内で閲覧したページ数の平均値です。ユーザーがサイト内をどれだけ探索しているか、コンテンツへの興味関心の度合いを示します。
これらの指標は、オウンドメディアの現状を把握し、具体的な課題発見へと繋げるための基礎データとなります。
※KPI(重要業績評価指標)についてはオウンドメディアを成功へ導くKPIの設定方法と施策案を徹底解説をご参照ください。
オウンドメディアの効果分析・データ分析に使うツール
オウンドメディアの効果測定やデータ分析には、Google Analytics(グーグルアナリティクス)、Google Search Console(グーグルサーチコンソール)、そしてGRCなどのツールが代表的です。これらのツールを活用することで、オウンドメディアのKPI(重要業績評価指標)の多くを確認・分析することが可能になります。
●Google Analytics(グーグルアナリティクス): ウェブサイトへの訪問者数、ページビュー数、滞在時間、直帰率、ユーザーの行動フローなど、サイト全体の詳細なアクセス状況を把握できます。オウンドメディアのコンテンツごとのパフォーマンスを理解する上で不可欠なツールです。
●Google Search Console(グーグルサーチコンソール): 検索エンジンからの流入状況、検索クエリ、インプレッション数、クリック数、検索順位などを確認できます。特に、オウンドメディアのSEO(検索エンジン最適化)戦略の効果測定や、ターゲットキーワードでの掲載順位を把握するために重要です。
●GRC: 特定のキーワードにおける検索順位の変動を日々追跡・記録するツールです。SEOにおける順位チェックの精度が高く、競合サイトの順位変動も把握できるため、競合分析にも役立ちます。
これらのツールを組み合わせることで、オウンドメディアの現状を多角的に把握し、データに基づいた改善策を立案するための基礎データを得ることができます。
オウンドメディアの効果分析・データ分析の手順
オウンドメディアは、その効果が顕著に現れるまでに1年から2年程度の期間がかかると言われています。そのため、KPI(重要業績評価指標)は、オウンドサイトの立ち上げ当初から、継続的に期間の経過と状況を確認しながら分析していくことが不可欠です。
立ち上げから1年以内のフェーズでは、主に以下の指標に焦点を当てると良いでしょう。これらの指標は、メディアの認知度向上や初期のトラフィック獲得状況を把握するのに役立ちます。
●ターゲットとするキーワードでの検索順位: SEOの初期段階における検索エンジンからの流入獲得状況を把握します。
●ページビュー数(PV数): サイト全体のコンテンツがどれだけ閲覧されているかを示し、コンテンツの需要を測る基本的な指標です。
●新規ユニークユーザー数: 新規でサイトを訪れたユーザーの数であり、メディアのリーチ拡大度を把握します。
●SNSでのシェア数: コンテンツの拡散力や共感度合いを示し、バイラル効果の可能性を探ります。
立ち上げから半年から2年程度かけて、オウンドメディアの継続的な運営により、ユーザーのエンゲージメントやサイト内での行動が活発になってきます。この時期には、以下の指標が、ユーザー体験の質やコンテンツの魅力度を深く分析するのに適しています。
●定着率(リピート率): ユーザーがサイトを再び訪れる確率を示し、コンテンツの継続的な価値やブランドロイヤリティの形成度を測ります。
●滞在時間: あるWebページについて、ユーザーが平均してどれだけの時間滞在したかを示し、コンテンツへの興味関心の度合いを推測できます。
●遷移数: あるWebページについて、ユーザーが離脱せずに他のページへ平均してどれだけ移動したかを示し、サイト内の回遊性やコンテンツ間の関連性の高さを把握します。
●回遊率: 1人のユーザーがサイト内のページを平均してどれだけ閲覧したのかを示し、ユーザーがサイト内でどれだけ深く情報を探索しているかを分析します。
コンバージョンについては、オウンドメディアが成果に結びつくまでには一定の期間を要するため、一般的に立ち上げから1年以降に効果が出始める可能性が高まります。そのため、この時期以降に、資料請求、問い合わせ、商品購入といった具体的なビジネス成果に繋がる指標として取り上げていくことが重要です。アクセス解析を通じて、これらのコンバージョンに至るまでのユーザー行動を詳細に分析し、改善点を見出すことが、オウンドメディアの最終的な目標達成に繋がります。
オウンドメディアの効果を企業経営に活かすための分析
KPI(重要業績評価指標)によるオウンドメディアの効果分析・データ分析は、問題点のある指標の数値を分析し、より良好な数値へと改善していくことが中心となります。しかし、収集されたデータは、単にサイト改善に留まらず、オウンドメディア 分析の視点から企業経営全体に活かすことで、より大きな価値を生み出します。具体的には、他社との比較分析や、自社の他のマーケティング施策との比較分析に活用することで、戦略的な意思決定を支援します。
競合分析
マーケティング戦略の基本として、競合するライバル企業を分析することは非常に重要です。オウンドメディアの運営においても、競合他社がどのような戦略に基づいて自社メディアを構築・運用しているのかを詳細に分析することで、自社メディアの強みや弱みを客観的に把握することができます。この競合分析を通じて、競合サイトを上回る魅力的なコンテンツやユーザー体験を提供するための具体的な施策立案に繋げることが可能です。
具体的には、競合メディアのコンテンツ戦略、SEO戦略(ターゲットキーワード、被リンク状況など)、UI/UX、更新頻度、SNS活用状況などを多角的に調査します。これらの情報を収集・分析することで、自社オウンドメディアの差別化ポイントを見つけ出し、より効果的なマーケティング施策を構築するための貴重な示唆を得ることができます。例えば、競合が手薄なキーワード領域を狙ったり、より質の高い情報を提供したり、ユーザーが求める情報へのアクセスを容易にするための改善点を発見したりすることが期待できます。データに基づいた競合分析は、オウンドメディアのROI(投資対効果)を最大化するための重要なステップと言えるでしょう。
※競合分析については競合分析とは?マーケティングにおける競合他社分析のフレームワークをご参照ください。
アトリビューション分析
オウンドメディアの効果を他のメディアと比較したい時に有効なのがアトリビューション分析です。オウンドメディアの運用目的は、自社の製品やサービスを認知してもらうための初回接触や、自社や自社の製品・サービスを好きになってもらうことと集約されますが、最終的なゴールは「問い合わせの獲得」や「売上」といったコンバージョンです。企業は、オウンドメディアの他にも展示会やセミナー、ブログや動画、プレスリリース、SNSやメール、テレビ・新聞などの広告、営業部門からのアプローチなど、さまざまなタッチポイントや経路を考慮しながら、販売戦略を構築します。アトリビューション分析は、マーケティングオートメーションを活用して、これらのさまざまなタッチポイントや経路のコンバージョンを測定し、オウンドメディアの貢献度を比較評価することです。この分析により、カスタマージャーニー全体におけるオウンドメディアの役割を明確にし、費用対効果の高い施策へのリソース配分を最適化することが可能になります。例えば、オウンドメディアで集客したユーザーが、最終的にどのような経路でコンバージョンに至ったのかを分析することで、オウンドメディアのコンテンツ戦略やSEO戦略の改善点が見えてきます。また、他のデジタルマーケティング施策との連携効果も可視化できるため、統合的なマーケティング戦略の立案に不可欠な分析手法と言えるでしょう。
※オウンドメディアの運用目的については自社のマーケティング課題とオウンドメディアの運用目的およびゴールの設定をご参照ください。
まとめ
オウンドメディアの成功には、効果測定とデータ分析が不可欠です。本記事では、オウンドメディアの効果分析・データ分析の重要指標としてKPIの定義と具体的な指標例、そして分析に活用できるツール、さらに段階的な分析手順を解説しました。
KPI設定においては、立ち上げ初期には「ターゲットキーワードでの検索順位」「ページビュー数」「新規ユニークユーザー数」「SNSでのシェア数」といった指標に注力し、メディアの成長段階に合わせて「定着率」「滞在時間」「遷移数」「回遊率」へと重点を移していくことが推奨されます。さらに、コンバージョンの計測も立ち上げから1年以降を目安に本格化させると良いでしょう。
分析ツールとしては、GoogleアナリティクスやSearch Console、GRCなどが代表的であり、これらのツールを駆使してオウンドメディアのデータ分析を行います。
また、オウンドメディアの分析結果を企業経営に活かすためには、競合分析やアトリビューション分析といった、より戦略的な視点での比較分析が有効です。これらの分析を通じて、オウンドメディアの貢献度を正確に把握し、マーケティング戦略全体の最適化につなげることができます。オウンドメディアの分析を継続的に行うことで、持続的な成長とビジネス成果の最大化を目指しましょう。

