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カリギュラ効果とは?マーケティングに活用する方法を解説

2024.10.2
読了まで約 4

禁止や制限を加えることで、ユーザーのアクションを効果的に引き出す手法のベースにある人間心理をカリギュラ効果と呼びます。

人間のアクションは、人間特有の心理効果が大きく影響する場合があります。

BtoBマーケティングにおいても、企業担当者や決定権のある上席の心を動かすために、人間の心理効果を理解しておくとよいでしょう。

今回はカリギュラ効果に注目して、その仕組みとマーケティングでの活用方法を解説します。

カリギュラ効果とは?

カリギュラ効果とは、行動心理学の法則で禁止や制限を加えられると、かえって興味を持ってしまう人間の心理効果を指します。

カリギュラ効果をわかりやすく説明するために、しばしば、昔話の「鶴の恩返し」や「浦島太郎」が使われます。

「絶対に開けてはならない」といわれると開けてみたくなる心理がカリギュラ効果なのです。

カリギュラ効果はなぜ起こる?

カリギュラ効果は、日常でもよく見られます。

人間は本来自分の行動は自分で決定し、人からの指示ではなく自由に行動したいという心理を持っています。

禁止や制限が加えられることにより、人間本来の自由を求める欲求が押さえつけられ、ストレスを感じるようになります。

ストレスを解消するために、人間は禁止や制限を破る行動を起こすのです。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

映画とカリギュラ効果の関係

ローマ帝国の皇帝カリギュラを描いた映画「カリギュラ」が内容が過激で一部の国で上映禁止となっり、かえって多くの人々がこの映画を観たいという強い欲求を持ったことに由来します。
特に映画やメディアの世界でよく見られます。映画が「過激な内容」「不適切」「道徳的に問題がある」などとして検閲されたり、公開禁止になると、その映画への興味が高まり、逆に多くの人々が観たいと感じるようになります。これにより、禁止や規制が作品の人気を押し上げることもあります。

映画業界ではあえて、一部のシーンを問題視させることで話題性を狙いカリギュラ効果をマーケティングに利用することもあります。

マーケティングでのカリギュラ効果活の活用法

カリギュラ効果は、マーケティングのさまざまな場面で活用されており、カリギュラ効果を採用することで、人間の心理に訴える施策が可能となります。

ここでは、代表的なマーケティングでのカリギュラ効果活の活用法を紹介します。

 

ターゲットに行動禁止・制限を加える

ターゲットに行動の禁止・制限を加える方法は、カリギュラ効果活用の最も基本でしょう。

たとえば、Webマーケティングサイトで、ユーザーである法人担当者が、「個人情報を入力すると」詳しいデータをダウンロードできるという手法は、ターゲットである法人担当者に禁止・制限を加えています。

Webマーケティングサイトは、会社名、部署名、氏名、連絡先といったターゲットである法人の情報を会員登録で得ることができるわけです。

また、ユーザーが実際にアクションを起こす前の段階でカリギュラ効果の活用促進ができます。

以下のようなキャッチコピーの活用が具体的な内容になります。

・マーケティング担当者必見!マーケティングに興味ない人は見ないで下さい!

・本当は教えたくないノウハウ満載!見たい人だけクリック!

・ここでしか得られないノウハウ●●選!興味ない人はここまで!

行動の禁止・制限をかけていくこと、興味を惹きつけてアクションを促す手法ですが、ユーザーは日々このようなキャッチコピーに見慣れており、他に負けずに惹きつけるためには、常にキャッチコピーの中身を工夫していく必要があります。

ターゲット以外に禁止・制限を加える

上記の通りターゲットとなるユーザーに特定のアクションやキャッチコピーでカリギュラ効果を促進していきますがターゲット外となるユーザーには禁止・制限を加えるカリギュラ効果の応用が、「ターゲット以外に禁止・制限を加える方法」です。

たとえば、マーケティングのセミナーを開催するときに「マーケティングに興味のある人以外は参加できません」というコピーを発信する方法などがあげられます。

ターゲットは「マーケティングに興味のある人」なので、「マーケティングに興味のある人はご参加下さい」とするよりも、「マーケティングに興味のある人以外は参加できません」としたほうが、ターゲットにインパクトがある表現になります。

数や期間の制限を加える

販売期間や残枠●●件まで特化セールなど、魅力のある製品にするのと合わせて一定の限定を持たせることで販売促進をかけていくことで特定の期間に販売促進を設ける手法です。その情報を受け取ったユーザーからすると商品の特徴をより知ろうとする機会創出にもなり結果として早期販売という結果を得られる可能性も出てきます。ユーザーは「チャンスなのでなんとかしたい」という思いが強くなり、購買の温度感を早期に上げていける可能性があります。

バーナム効果とミックスする

バーナム効果とは、誰にでもあてはまるような内容や現象を提示されることで、ユーザーが自分に当てはまると感じてしまうことです。

バーナム効果とカリギュラ効果のミックスは、マーケティングの施策ではよく使われます。

たとえば、研修やセミナーの案内で「マーケティングのすべてを理解している方の参加はお断りしています」といったコピーがあったとします。

「マーケティングのすべてを理解している方」といわれると、マーケティング初心者はもちろんプロの方でもすべてを理解しているとはいい切れないでしょうから、結果的に誰にでもあてはまるバーナム効果のある内容になります。

プラスしてカリギュラ効果で「参加はお断りしています」とターゲット以外に禁止・制限を加えているのです。

カリギュラ効果を活用するときの注意点

カリギュラ効果はすべてのクライアントに有効な手法ではない事は十分に理解しておく必要があります。

ターゲットとするペルソナが、カリギュラ効果を容認するユーザー層であるかどうかは、慎重に検討していきましょう。

カリギュラ効果の禁止事項は、インパクトが強烈すぎると、賛同する数が極端に減ってしまい、マーケティングとして考えると成功といえない施策になる可能性が大きくなります。

具体的には購入禁止や○○をしてはいけないなどの強めな禁止をかけることによってユーザーを戸惑わせてしまします。

カリギュラ効果を最大化させるためには禁止・制限の度合いを慎重に慎重を重ねて調整していく必要があります。

また、カリギュラ効果を活用するときには、「なぜ禁止・制限したのか」というネタ晴らしを必ずする必要があります。

カリギュラ効果を活用した、Webサイトや動画などのコンテンツは閲覧することで、「なぜ禁止・制限したのか」というユーザーの疑問が解決しないと、ユーザーにギャップやストレスを与えてしまい、マーケティングの成功である次のアクションに結びつかなくなってしまうのです。

まとめ

◆カリギュラ効果とは、禁止や制限を加えられると、かえって興味を持ってしまう人間の心理効果を指す

◆代表的なマーケティングでのカリギュラ効果活の活用法には、「ターゲットに禁止・制限を加える方法」「ターゲット以外に禁止・制限を加える方法」「バーナム効果とカリギュラ効果をミックスした方法」などがある

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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