マーケターにとって、いま世の中で何が話題になっているのかを把握するトレンド分析は欠かせません。
施策のテーマ選定やコンテンツの切り口が、世の中の関心とズレていないかを確認するための重要な手がかりになるためです。そうしたトレンド分析の手法のひとつとして、X(旧Twitter)での調査がおすすめです。
本記事では、Xのトレンド分析をマーケティングに活用する方法を解説します。
参考リンク:Xのトレンドについてのよくある質問 – トレンドのハッシュタグやトピック
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目次
Xのトレンドとは
Xのトレンドとは、Xのアルゴリズムによって抽出される、当日から直近数日間程度で注目度が高まっているキーワードや話題のことです。大量のポストやリポストが短時間に集中したテーマが可視化される仕組みになっています。
トレンドとして表示されるのは、単語だけではありません。ハッシュタグ形式で話題がまとまっているケースも多く、イベント名やキャンペーン名、社会的な出来事が文脈付きで把握できます。
トレンドはXのアプリや公式サイト上で確認できるほか、外部のトレンド分析ツール、まとめサイトでも一覧化されています。初期設定の段階では、フォローしているアカウントや過去の閲覧傾向、位置情報などをもとにカスタマイズされていますが、地域別のトレンドに切り替えることも可能です。
たとえば国内向け施策を検討している場合と、海外動向を把握したい場合とで、見るべきトレンドは変わります。こうした切り替えができる点も、マーケティング用途で活用しやすい理由です。
2025年12月現在のXの画面構成では、サイドメニューや検索結果周辺に、【本日のニュース】(あるいは表示環境により「News」)、【「いま」を見つけよう】といったトレンドキーワード枠、【おすすめユーザー】が並ぶ形になっています。
▼Xの「おすすめユーザー」については下記もご参考にしてください。
企業Xアカウント必見:Xの「おすすめユーザー」表示を狙うための継続運用術と実例
Xのトレンドに上がった語句や話題が拡散力を持つ流れ
投稿が多くの共感や関心を集めると、まずX内で急速にエンゲージメントが増加し、インフルエンサーの目に留まり、リポストや引用によってさらに拡散が進みます。
影響力のあるアカウントによる言及は、投稿の可視性を一気に高め、広範なユーザー層に届くきっかけとなります。
その後、ニュースサイトやTogetterなどのまとめサイトが話題を拾い上げ、Xの外部にも情報が波及していきます。これにより、Xを日常的に利用していないユーザーや、関心の薄かった層にも投稿内容が伝わるのです。
加えて、話題に触れたユーザーがリアルタイム検索を行い、関連投稿を閲覧・保存する動きが活発化します。
この一連の流れにより、トレンド入りした語句や話題は、一過性の盛り上がりにとどまらず、検索や記録といった能動的な行動を生み出しながら拡散の輪を広げていくのです。
Xのトレンド表示はどのように決定される?
Xのトレンドはどのように選ばれているのでしょうか。全ての仕組みが公開されているわけではありませんが、公開情報やこれまでの観測から、主な要因としていくつかのポイントが指摘されています。
ここでは、トレンド表示に関与していると考えられる要因を解説します。
一定期間でのポスト数
そもそも「トレンド」とは、一定期間内での流行を意味します。Xのトレンドも、ある一定の期間に人気を集めている投稿がトレンドに選ばれるとされています。数時間内に数千、数万回とポスト数が増えるテーマは、アルゴリズム上も人気のコンテンツとして扱われやすいと考えられています。
なかでも、もっとも分かりやすい指標がリポストの数でしょう。また、短期間でのハッシュタグやキーワードの使用回数も評価対象になります。
数時間内に数千、数万回とポスト数が増えると、アルゴリズムに人気のコンテンツと判断されやすくなります。
ポストしたユーザー層の範囲
特定のコミュニティや一部のフォロワー同士だけで盛り上がっている話題よりも、地域や属性の異なるユーザーから幅広く投稿されているテーマのほうが、トレンドに上がりやすい傾向があるとされています。
多様なアカウントが同じ語句に言及している状態は、社会的な関心が広がっているサインと捉えられやすいためです。
ポストに対するエンゲージメントの多さ
いいね、リポスト、返信、保存といったエンゲージメントが多い投稿は、アルゴリズム上も評価されやすくなると考えられています。とくにリポストと返信が活発な話題は、議論や感情の動きが伴っていると判断されやすい傾向があります。
ここまでをまとめると、短時間(数時間以内)で多くのエンゲージメントを生む設計が、トレンド入りを狙ううえで重要だと考えられます。
単に情報を流すだけでなく、意見を求める、問いを投げかけるといった工夫が、結果としてトレンド性を高める要因になります。
また、自社の投稿を積極的にリポストするユーザーがアクティブであることが多い時間帯に投稿することも重要です。
Xでトレンドインすることのマーケティング上のメリット
ここでは、Xにトレンドインすることのマーケティング上のメリットを整理します。
自社名や商品・サービスの認知拡大
最大のメリットは、自社や商品を知らない層にまで情報が届く点です。トレンド欄は、フォロー関係に依存しない共通の可視領域であり、検索やタイムラインとは異なる接点を生みます。
広告で同等のリーチを獲得しようとすると、それなりの予算と準備期間が必要です。一方、トレンドは話題性さえ噛み合えば、低コストかつ短期間で認知を押し上げられます。
自社Xアカウントのフォロワー増加やエンゲージメント獲得
トレンドに関連した投稿は、フォロー外ユーザーの目にも触れます。結果、プロフィール閲覧やフォローにつながりやすく、アカウント全体の基盤強化に貢献します。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)の創出
トレンドへのランクインがもたらすもう一つの大きな価値が、ユーザー生成コンテンツ(UGC)の自然発生です。
企業が発信した内容をきっかけに、社外の個人ユーザーが自分の体験や意見を投稿し、それがさらに拡散されていきます。これは企業発信とは異なる第三者視点の情報が増えることを意味します。
第三者による言及は、信頼性や共感を高める効果があります。結果として、広告や公式発信だけでは届きにくい層にも、間接的にブランドが浸透します。
▼UGCについては、以下の関連記事でも詳しく解説しています。
UGCとは?今注目されている理由と具体的な手法を徹底解説
Xのトレンドを効率的に知る方法
Xのトレンドは、情報収集にも活用できます。ここでは、トレンドを効率的に知る方法を整理します。
公式のトレンドランキングを確認
最も手軽なのが、X公式のトレンドランキングを定期的に確認する方法です。アプリやWeb版のサイドメニュー、検索画面から本日のニュースやトレンドキーワードを一覧できます。
朝一や午後一など、情報収集の時間をあらかじめ決めてチェックするだけでも、世の中の関心の方向性を把握できます。
Xトレンドのまとめサイトをチェック
リアルタイムで追えない場合は、まとめサイトのフォローが有効です。話題の背景や盛り上がり方を短時間で把握できるため、企画のヒント探しや市場感覚の補正に役立ちます。
リアルタイム検索ツールを活用
より踏み込んだ分析を行いたい場合は、リアルタイム検索ツールの活用が効果的です。特定のキーワードを継続的に追うことで、投稿数の増減や反応の質を把握できます。
画像・動画・文字の各形式を意識しながら自ら検索
トレンドを理解するには、投稿内容の形式にも注目する必要があります。以下の表にコンテンツフォーマットごとの特徴をまとめました。
| コンテンツ形式 | 特徴・強み |
| 画像 | 視覚的インパクトが強く、短時間で拡散されやすい |
| テキスト | 短文や一言ネタが共感を集めやすく、議論が広がりやすい |
| 動画 | 速報性・臨場感に優れ、現場感のある話題と相性が良い |
| 漫画 | ストーリー性が高く、保存・共有されやすい |
Xでトレンド情報収集の際に役立つフィルター / コマンド
トレンドから実務で使える情報だけを素早く抽出するには、検索時のフィルターやコマンドが便利です。ここでは、一部のフィルターとコマンドを抜粋してご紹介します。詳細を知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
関連記事:Twitter(X)の便利な検索方法、コマンドとは
from:
from:は、特定のアカウントが発信したポストだけを抽出するためのコマンドです。たとえば、業界メディアや競合企業、影響力のある専門家アカウントの発信をまとめて確認したい場合に有効です。
since: until:
since:とuntil:は、期間を指定して検索するコマンドです。トレンドが立ち上がった直後の反応と、数日後の落ち着いた反応とでは、ユーザーの関心や論点が変わることがあります。
期間を区切って検索することで、話題の変遷を追いやすくなります。
filter:images / filter:videos
filter:imagesやfilter:videosを使うと、画像や動画付きのポストだけを抽出できます。どのようなビジュアルや演出が支持されているのかを把握することで、自社の発信形式を検討するヒントになります。
min_retweets:
min_retweets:は、一定数以上リポストされているポストだけを表示するコマンドです。ノイズを減らし、多くの共感を集めた投稿に絞って確認したい場合に効果的です。
たとえば、min_retweetsを設定することで、トレンドの中でも特に影響力の高い投稿を抽出できます。
X(旧Twitter、ツイッター)のトレンドインは現代で最も即効性を持つマーケティング手段のひとつ
Xのトレンドは、世の中の関心がどこに集まり、どの文脈で語られているのかをリアルタイムで可視化するマーケティングデータです。
一方で、トレンドを追うだけで終わってしまうと、継続的な成果にはつながりません。重要なのは、トレンドをきっかけに得られた関心を、自社の資産にどう転換するかです。
具体的には、トレンドで注目されたテーマを整理し、解説記事やホワイトペーパー、セミナーといった形に落とし込むことで、中長期のリード獲得や認知形成につなげられます。
HR領域に特化したマーケティング支援を行っているProFutureが提供する「HRプロ」のプラットフォームは、トレンドと専門コンテンツを結びつけたコンテンツをもとにリードジェネレーションを行うのに有効です。
Xで話題になっている人事・組織・採用関連のテーマを起点に、記事、イベント、広告といった複数の接点へ展開することで、単発の話題化に終わらせず、意思決定層との継続的な関係構築が可能になります。
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