業務や事業推進の一環でカンファレンスを活用したいけれど、開催までの過程や当日運営などの手法がわからないとお困りではありませんか。カンファレンスはビジネス関係者だけでなく、一般の人も参加できるため、情報収集やマーケティングの場として活用されています。主催者はカンファレンス開催に対し目的、目標をもって施策を検討しますが積極的な新規ユーザーの獲得や、自社ブランドの周知を行えるでしょう。
この記事では、カンファレンスを開催する目的や種類、開催までの流れを詳しく解説します。実際に行われたマーケティングカンファレンスの事例も紹介するので、イベントの開催を検討している方はぜひ参考にしてください。
関連記事:協賛とは?類義語との違いやイベントでのメリットなどわかりやすく
目次
カンファレンスとは
カンファレンスという言葉は知っているけれど、詳しい内容はわからないとお困りの方も多いでしょう。ビジネスやさまざまな分野で耳にする「カンファレンス」ですが、その意味や役割、特徴について正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。本記事では、カンファレンスの意味や、ビジネスシーンでの内容、他の会議との違いなどを詳しく解説します。カンファレンスの基本的な概念から実践的な活用方法まで、幅広く取り上げていきますので、これからカンファレンスに参加する方や開催を検討している方にとって、有益な情報となるでしょう。
カンファレンスの意味
カンファレンス(Conference)とは、日本語で「会議」「協議会」という意味の言葉です。さまざまなシーンで用いられる言葉ではあるものの、利用するシーンによって内容が大きく異なるため、状況にあわせた意味を把握することが大切です。
ビジネスの世界では、カンファレンスは通常、大規模な会議やイベントを指し、参加者が100人を超えることも珍しくありません。これらのイベントには、社内の従業員だけでなく、外部の専門家や技術者も参加することが多く、高度な専門性を持つ会議やイベントとして認識されています。
また、一般の人々も参加できるカンファレンスも存在し、企業が専門的な情報を提供しながら、自社の製品やサービスをアピールする場としても活用されています。このように、カンファレンスは情報交換や知識共有、そしてビジネス促進の重要な機会となっています。
ビジネスにおけるカンファレンス
ビジネスにおけるカンファレンスは、100人以上の参加が見込まれる大規模な会議・イベントを指します。社内の人間だけでなく、外部の専門家や技術者も参加するため、専門性の高い会議・イベントだといえるでしょう。多くの場合、特定の業界やテーマに関する最新の情報共有、ディスカッション、ネットワーキングの場として機能します。
ビジネス系シーンのカンファレンスのなかには、一般の人が参加できるものもあります。専門的な情報を提供しつつ、ユーザーに自社商品をアピールする場としても活用可能です。また、業界のトレンドや最新技術について学ぶ機会としても重要な役割を果たしています。
カンファレンスの形式は多岐にわたり、基調講演、パネルディスカッション、ワークショップ、展示会などが含まれることがあります。参加者は自社の事業に関連する新しい知見を得たり、他社の取り組みを学んだりすることができます。さらに、同業他社や関連企業との交流の場としても機能し、ビジネスチャンスを広げる機会にもなります。
ほかの会議との違い
カンファレンス以外にも、会議を意味する言葉は複数あります。以下の表の通り、言葉別に内容が異なるため、会議内容によって使い分けましょう。
名称 | 内容 |
ミーティング | 少人数で実施する会議。ただし、厳密な定義がないためミーティングという名称で開催される大人数のイベントもある |
ディスカッション | 「討論」「討議」という意味を持つ言葉。決められた議題に対して参加者それぞれが意見を述べて話し合う |
シンポジウム | 特定分野のテーマを掲げて行われる専門性の高い会議。内容の専門性が高く少人数で行われることが多い |
フォーラム | 「公開会議」という意味を持つ言葉。シンポジウムのように専門的なテーマを掲げて行われるが、一般参加者の討論がメインとなる |
コンベンション | カンファレンスよりもさらに規模の大きい会議。テーマに特化した人だけでなく、一般の人も数多く参加する |
カンファレンスは主にビジネス分野で使われる用語で、100人以上の参加を目安として、大きな会場で開催される規模の大きい会議を指します。ディスカッションやシンポジウムは少人数、フォーラムは学術的なテーマで行われることが多いため、内容が大きく異なります。
カンファレンスよりも参加人数の多い会議に使われるのがコンベンションです。テーマに特化した参加者が多いカンファレンスに対し、コンベンションは一般の人も数多く参加します。これらの違いを理解し、適切な用語を選択することで、会議の性質や規模を正確に伝えることができます。
また、各会議形式の特徴を把握することで、目的に応じた最適な会議形式を選択することが可能となります。例えば、専門的な議論を深めたい場合はシンポジウムが適しており、幅広い参加者との交流を目的とする場合はコンベンションが適していると言えるでしょう。
特定分野におけるカンファレンス
カンファレンスはビジネスシーンだけでなく、医療・学術・スポーツ分野でも使われます。分野別の特徴をまとめました。
分野 | 特徴 |
ビジネス | 100人以上の参加を目安とする会議・イベントで、ビジネスにおける特定のテーマの発表や議論を行う。 |
医療 | 質の高い医療を提供するために行われる会議。医師と患者が参加する会議や、多職種でチームを組んで実施する会議もある |
学術 | 学術研究を発表する会議。学会と呼ばれているが、カンファレンスの名称が使われることもある |
スポーツ | スポーツ分野においては「連盟」「同盟」という意味を持つ。複数のスポーツチームが参加する組織をカンファレンスと呼ぶ |
医療分野のカンファレンスでは、患者と医師が直接対話を行うものや、内科、外科、看護師などの多職種が連携してチームを組み、患者のケアについて総合的に検討するものがあります。これにより、患者中心の医療の実現や、より効果的な治療方針の決定が可能となります。
学術分野では、研究者が自身の研究成果を発表し、同分野の専門家と意見交換を行う場としてカンファレンスが活用されています。これは新たな知見の共有や、研究の方向性の検討に重要な役割を果たしています。
スポーツ分野におけるカンファレンスの使用は、他の分野とは異なる独特な意味合いを持ちます。ここでは、複数のスポーツチームが集まって形成される組織自体を指す言葉として使われており、競技の発展や公平な運営を目的とした様々な取り組みが行われています。
各分野におけるカンファレンスは、それぞれの領域の発展や問題解決に重要な役割を果たしており、専門家や関係者が一堂に会して議論を行う貴重な機会となっています。
カンファレンスの関連用語
カンファレンスには様々な関連用語が存在し、それぞれで意味合いが異なります。ここではカンファレンスに関連する主要な用語とその意味を解説します。これらの用語を理解することで、カンファレンスの概念をより深く把握することができるでしょう。
カンファレンスの関連用語には、略称や派生語、特定の分野で使用される専門用語などが含まれます。これらの用語は、ビジネス、医療、学術、スポーツなど、カンファレンスが行われる様々な分野で使用されています。
また、カンファレンスに関連する施設や設備、コミュニケーション手段を表す用語もあります。これらの用語を知ることで、カンファレンスの実施方法や環境についての理解も深まります。
以下では、カンファレンスに関連する主要な用語を詳しく説明していきます。各用語の意味や使用される状況、他の用語との違いなどを把握することで、カンファレンスに関する理解がより深まるでしょう。
カンファ、CF、コンファレンス
カンファ・CF・コンファレンスは、言葉が異なるものの、意味合いはすべて同じです。医療分野ではカンファという略称で呼ばれたり、Conferenceのつづりから略したCFのものが使われています。これらの略称は、特に医療現場や業界内でのコミュニケーションを円滑にするために用いられることが多いです。
英単語であるカンファレンスはさまざまな国で使われます。発音は国によって異なり、コンファレンスと発音する国もあることから、この言葉が生まれています。日本ではカンファレンスの発音が一般的なので、コンファレンスという言葉を耳にすることは少ないでしょう。ただし、国際的な場面や多国籍企業での会話では、コンファレンスという発音を耳にする機会が増える可能性があります。
これらの表現の使い分けは、主に使用される文脈や業界によって異なります。例えば、ビジネス分野では「カンファレンス」が最も一般的に使用されますが、医療分野では「カンファ」という略称が頻繁に用いられます。一方、「CF」は主に文字数制限のある場面や略語が好まれる環境で使用されることがあります。
ケアカンファレンス
ケアカンファレンスは、医療・介護現場で使われる重要な用語です。介護士・看護師・医療従事者などの多職種が一堂に会し、患者や利用者に最適なケアプランを策定したり、サービスの質を向上させるための工夫を話し合ったりする場として機能しています。この会議では、各専門家の知見を持ち寄り、総合的な視点から利用者一人ひとりのニーズに合わせたケアの方向性を決定します。また、ケアカンファレンスを通じて、チーム医療・介護の連携強化や、スタッフ間のコミュニケーション向上にも貢献しています。定期的に開催されることで、継続的なケアの質の改善や、新たな課題への迅速な対応が可能となります。
カンファレンスセンター
カンファレンスセンターは、会議を行える部屋を有する施設のことです。施設には会議スペースのほか、会議の様子を録音・録画できる機器やパソコン、コピー機などの貸し出しサービスもあります。
カンファレンスルーム
カンファレンスルームは、企業や組織が会議や研修、セミナーを行う目的で設計された専用の部屋のことです。これらの部屋は、効果的なコミュニケーションと生産的な議論を促進するために特別に設計されています。通常、カンファレンスルームには、快適な机や椅子はもちろんのこと、プレゼンテーションや資料共有を円滑に行うための最新のテクノロジーが整備されています。例えば、高解像度のモニターやプロジェクター、部屋全体に声を届ける高性能な音響設備などが備え付けられていることが一般的です。これらの設備により、参加者全員が情報を明確に把握し、議論に積極的に参加することができます。また、多くのカンファレンスルームは、ビデオ会議システムも備えており、遠隔地の参加者とも効果的にコミュニケーションを取ることができます。このように、カンファレンスルームは、大規模な会議や重要なプレゼンテーションを自社で実施することが難しい企業にとって、非常に有用な施設となっています。
カンファレンスコール
カンファレンスコールは「電話会議」という意味を持つ言葉です。ZoomやGoogle Meetなどのオンラインツールを使って会議を行うため、遠方からでも手軽に参加できます。また、話し合うテーマをリアルタイムで議論できることも、カンファレンスコールのメリットです。複数の参加者が同時に音声やビデオで通信できるため、face-to-faceのコミュニケーションに近い形で意見交換が可能です。さらに、画面共有機能を使って資料を表示したり、チャット機能で補足情報をやり取りしたりすることで、より効果的な会議進行を実現できます。
カンファレンスの目的
ビジネスにおけるカンファレンスの開催目的は多岐にわたります。企業が目指す成果や戦略によって、その目的は異なりますが、主要なものをいくつか挙げてみましょう。
まず、新規顧客の獲得が挙げられます。企業の製品やサービスに関連するテーマでカンファレンスを開催することで、潜在的な顧客層にアプローチできます。また、既存顧客のロイヤリティ向上も重要な目的の一つです。顧客との関係性を深め、信頼を築くことで、長期的な取引につながります。
ブランディングの強化も、カンファレンス開催の大きな目的です。自社の専門性や先進性をアピールすることで、業界内での地位を確立し、競合他社との差別化を図ることができます。さらに、カンファレンスの内容をコンテンツ化し、マーケティング活動に活用することも可能です。これにより、イベント当日だけでなく、長期的な効果を得ることができます。
従業員のエンゲージメント向上も、カンファレンス開催の重要な目的の一つです。社員が企業の取り組みや成果を直接体感することで、モチベーションの向上や帰属意識の強化につながります。
最後に、CSR活動の一環としてカンファレンスを位置づけることで、企業の社会的責任を果たすとともに、優秀な人材の採用にもつなげることができます。社会貢献や環境保護などのテーマを扱うことで、企業イメージの向上と人材確保の両面でメリットを得られる可能性があります。
このように、カンファレンスの目的は多様であり、企業の状況や戦略に応じて適切に設定することが重要です。効果的なカンファレンスの開催は、企業の成長と発展に大きく寄与する可能性を秘めているのです。
新規顧客獲得のための集客
カンファレンスの開催目的でもっとも多いのが、新規の見込み顧客の獲得です。企業に適したテーマを題材にしたイベントを実施し、一般の人も参加可能にすることで、幅広い層に自社をアピールできます。これは、潜在的な顧客層へのリーチを広げる効果的な手段となります。
自社ブランドが持つ魅力に加え、テーマに興味を持つユーザーにおすすめの商品を紹介すれば、自社製品の周知とともに新規顧客の開拓も実現できるでしょう。カンファレンスの場では、製品やサービスのデモンストレーションを行ったり、参加者との直接的なコミュニケーションを通じて、より深い理解を促すことができます。
また、カンファレンスでは業界の最新トレンドや先進的な取り組みについて議論することも多いため、参加者に対して自社の専門性や先見性をアピールする絶好の機会となります。これにより、ブランドイメージの向上と信頼性の構築にもつながり、長期的な顧客獲得の基盤を築くことができます。
既存顧客向けのロイヤリティ向上
一定数の既存顧客がいる企業は、ロイヤリティ向上のためにカンファレンスを開催するケースもあります。ロイヤリティは直訳すると「忠誠心」「忠実」という意味を持つ英語ですが、マーケティングにおいては顧客の企業に対する愛着や信頼の大きさを表現する言葉です。品質保持や機能性の改善、ユーザーの意見を取り入れた新商品の紹介など、既存ユーザー向けのカンファレンスを実施することで、既存顧客からの信頼はより高まるでしょう。
このような既存顧客向けのカンファレンスでは、製品やサービスの最新情報を共有したり、顧客からのフィードバックを直接聞く機会を設けたりすることが効果的です。また、顧客同士の交流の場を提供することで、ユーザーコミュニティの形成や強化にも繋がります。これらの取り組みを通じて、顧客満足度の向上や長期的な関係構築が期待できます。
ブランディングに役立てる
マーケティングの一環として、カンファレンスをブランディングに役立てる企業もあります。ブランディングとは、自社ブランドの信頼性を高め、他社との差別化を図ることです。他社にはない自社の魅力を会議テーマに選ぶことで、自社ブランドの良さを伝えられるでしょう。
例えば、自社の技術力や革新性をアピールするテーマを選んだり、業界をリードする専門家を招いたりすることで、企業の先進性や専門性を印象づけられます。また、カンファレンスの運営や内容の質の高さそのものが、企業の能力や姿勢を示す機会にもなります。
さらに、カンファレンスを通じて顧客や業界関係者と直接対話することで、ブランドの人間味や親近感を醸成することも可能です。このような取り組みを通じて、企業イメージの向上や、ブランド価値の強化につなげることができるでしょう。
内容をコンテンツ化しマーケティングに活用する
専門的な内容やユーザーにお得な情報が含まれる会議内容をコンテンツ化し、マーケティングに活用するコンテンツマーケティングも可能です。
カンファレンスに参加したいけれど、都合が合わずに参加できないという人もいるでしょう。そのような場合、内容を録画しアーカイブ化することで、参加できなかったユーザーも会議内容を確認できます。録画コンテンツにすることで、新規顧客獲得や、既存顧客のロイヤリティ向上にもつながるでしょう。
さらに、カンファレンスの内容を要約した記事や、登壇者へのインタビュー記事を作成することで、より多くの人々に情報を届けることができます。これらのコンテンツは、自社のウェブサイトやSNSで共有することで、長期的な集客や見込み顧客の育成に役立ちます。
従業員のエンゲージメントを高める
規模の大きなカンファレンスを開催することで、社員のエンゲージメントを高められます。エンゲージメントは「深いかかわり・関係性」という意味を持つ言葉で、ビジネスでは「愛社精神」と解釈されます。
大規模なイベントを成功させることで、社員は自社の力や可能性を実感し、所属意識が強まります。また、カンファレンスの準備や運営に携わることで、チームワークや責任感も育成されます。さらに、他部署との協力や新しい挑戦を通じて、社員の成長機会にもなります。
このような経験を通じて、社員は自社に対する誇りを持ち、愛社精神が高まるでしょう。結果として、仕事への意欲や生産性の向上、離職率の低下など、組織全体にポジティブな影響をもたらす可能性があります。カンファレンス開催は、単なるイベントではなく、人材育成や組織強化の重要な機会となり得るのです。
CSRや人材採用につなげる
カンファレンスのテーマを戦略的に選定することで、企業の社会的責任(CSR)活動を効果的に推進できます。CSRは、企業が社会や環境に配慮しながら事業を行う取り組みを指します。カンファレンスを通じて、企業が実施しているCSR活動や社会貢献の取り組みを広くアピールすることで、企業イメージの向上や信頼性の構築につながります。
例えば、環境保護や持続可能性に関するテーマでカンファレンスを開催することで、企業の環境への取り組みを社会に発信できます。また、地域社会との連携や社会問題の解決に焦点を当てたカンファレンスを通じて、企業の社会貢献活動をアピールすることも可能です。
このようなCSR活動の積極的な発信は、企業の評判を高め、優秀な人材を引き付ける効果も期待できます。社会的責任を果たす企業で働きたいと考える若手人材や経験豊富な専門家にとって、CSRに積極的な企業は魅力的な就職先となります。カンファレンスを通じて企業の価値観や社会貢献への姿勢を示すことで、人材採用活動においても優位性を持つことができるでしょう。
関連記事
・イベントマーケティングとは?期待できるメリットや実施方法を解説
・オフライン・オンラインの集客方法17選!集客成功のカギとは?
・ブランディングの本当の意味を知る!正確に把握して始めよう!
・コンテンツマーケティングとは?基本的な概念から実践までを解説します
・ワークエンゲージメントとは?企業や従業員にとってのメリットや高めるために必要なこと
・CSRとは!企業における社会的責任と取り組み事例を解説します!
カンファレンスの開催形式と特徴
オフラインの開催が一般的だったカンファレンスは、時代の変化とともに形式が多様化しています。特に近年のテクノロジーの進歩と社会情勢の変化により、従来のオフライン形式に加えて、オンラインやハイブリッド形式が普及してきました。これにより、参加者の利便性が向上し、より幅広い層からの参加が可能になりました。
ここでは、カンファレンスの3つの主要な形式と、それぞれの特徴を紹介します。各形式には固有のメリットとデメリットがあり、主催者は目的や対象者、予算などを考慮して最適な形式を選択することが重要です。また、参加者にとっても、自身のニーズや状況に合わせて参加形式を選べるようになったことは大きな利点といえるでしょう。
オンライン
オンラインカンファレンスは、自宅や勤務先から手軽に参加できる形式です。オンラインツールを活用することで、会議の状況を参加者にリアルタイムで伝えられます。ZoomやGoogle Meetなどのマイク機能のあるツールを使えば、主催者と参加者で議論をすることも可能です。また、チャット機能を活用すれば、参加者からの質問やコメントをスムーズに収集することができます。
オンラインカンファレンスは、主催者にも参加者にもメリットがあります。主催者は広い会議スペースを用意する必要がなく、参加者は会議の開催場所に足を運ぶ必要がないため、遠方からでも参加しやすいでしょう。さらに、時間や交通費の節約にもつながり、より多くの人が参加しやすい環境を提供できます。
オフライン(リアル開催)
オフラインカンファレンスは、主催者が用意する会議スペースに参加者が足を運び、対面で実施する会議です。現地の臨場感や特別感を味わえるほか、さまざまな人と直接コミュニケーションがとれる点も、オフラインカンファレンスのメリットです。参加者同士の交流や、登壇者との質疑応答などが直接できるため、より深い議論や情報交換が可能となります。また、会場の雰囲気や他の参加者の反応を肌で感じられることで、より充実した体験を得られる可能性があります。ただし、開催場所や時間の制約があるため、遠方からの参加者には負担がかかる場合もあります。
ハイブリッド
ハイブリッドカンファレンスは、オンラインとオフラインの両方を組み合わせた会議形式です。主催者はオフラインで会場を運営する必要がありますが、参加者は自身の都合や好みに応じてオンラインまたはオフラインでの参加を選択できます。この柔軟性により、より多くの人々が参加しやすくなり、集客率の向上が期待できます。
ハイブリッド形式の利点として、会場に足を運べない遠方の参加者もオンラインで参加できる一方で、直接的な交流を望む参加者は会場に足を運んで臨場感を味わえることが挙げられます。また、オフライン参加者とオンライン参加者の間で質疑応答やディスカッションを行うことも可能です。
ただし、ハイブリッド形式の運営には、オンラインとオフラインの両方に対応できる技術的なセットアップや、双方の参加者に公平な体験を提供するための工夫が必要となります。これらの課題を克服することで、より効果的で包括的なカンファレンス開催が実現できるでしょう。
関連記事
・ウェビナー(Webinar)とは?意味やメリット、おすすめツールを紹介
・オフラインでのリード育成~ナーチャリングにおけるセミナー・展示会の役割~
・オンライン・オフライン双方からの顧客情報活用が重要。オンライン化で名刺交換が減ると企業の損失は年間約21.5億円(Sansan調査)
カンファレンスの種類
カンファレンスは6つの種類に分かれており、種類別の特徴は以下の通りです。
● 講演会:有識者や専門家などの登壇者が講演を行う
● パネルディスカッション:テーマに詳しい有識者が討論する場を参加者が視聴できる
● ワークショップ:会議の参加者がテーマに沿った作業を体験できる
● 展示会:会議テーマに関連する企業がブースに出展し、参加者にPRする
● ポスターセッション:研究者が実施した研究の結果をポスターにまとめて発表する
● 交流会:テーマに興味を持つ参加者同士で情報交換する
これらの種類は、カンファレンスの目的や対象者に応じて選択されます。同じテーマでも、開催形態によって提供される内容や参加者の体験が異なるため、主催者は目的に合わせて適切な形式を選ぶことが重要です。
また、これらの形式を組み合わせることで、より包括的で魅力的なカンファレンスを構成することも可能です。例えば、講演会とワークショップを組み合わせることで、理論と実践の両面からテーマに迫ることができます。
カンファレンスの成功には、参加者のニーズと期待に応える内容を提供することが不可欠です。主催者は、対象となる参加者層を明確に定義し、その層に最も適した形式を選択することで、効果的なカンファレンスを実現できるでしょう。
関連記事:「HRサミット2024 ONLINE」開催決定!テーマや4つの特徴、協賛メリットをご紹介します!
ここではカンファレンスの内容と、どのような参加者に適しているかを、種類別に詳しく解説します。
講演会
講演会は、テーマに詳しい有識者や専門家などの登壇者が講演を行うカンファレンスの形式です。聴講者は、その分野の第一人者や著名な専門家の話を直接聞くことができる貴重な機会となります。通常、講演者が一方的に話す形式ですが、質疑応答の時間が設けられることもあります。講演会は、特定のトピックについて深い知識や洞察を得たい参加者に適しており、業界の最新トレンドや先進的な取り組みについて学ぶのに適しています。また、講演者のキャリアや経験談を聞くことで、参加者自身の成長やキャリア形成にも役立つ情報を得られる可能性があります。
パネルディスカッション
パネルディスカッションは、テーマに関連する複数の有識者が集まり、討論を行います。会議テーマに起因する問題への考え方は、有識者によって異なります。複数の有識者が異なる意見を出し合うことで、どのような解決方法があるかを把握できるという点が、パネルディスカッションの面白さです。1つの問題に対するさまざまな意見に触れたいと考える方におすすめとなります。
ワークショップ
ワークショップは、テーマに関連した作業や研修、トレーニングなどを参加者が体験できるイベントです。ビジネスにおいてはリーダーシップ研修や新人研修が実施されます。参加者は会社での働き方について学べるでしょう。就職を希望している、働きたい会社が決まっている方におすすめです。
展示会
展示会は、テーマに関連する企業がブースに出展し、参加者にPRします。専門性の高い展示会では、出展企業が商品やサービスについて詳しく解説するため、あまり知識を持っていない人でも参加しやすいでしょう。テーマへの知識を深めたい、関連する商品やサービスを見てみたい方におすすめです。
関連記事:
・展示会1小間の出展ノウハウとは?狭いスペースでも商談を獲得する方法
・コロナ禍で注目!オンライン展示会の出展の仕方を徹底解説!
ポスターセッション
ポスターセッションは、研究や開発を行う研究者・担当者が結果をポスターにまとめ、解説するイベントです。実際に研究や開発を手掛けた人が説明するため、内容を詳しく把握できます。説明後は、研究者や担当者に直接質問することも可能です。気になる研究や開発がある、担当者と直接やり取りをしたいと考える方におすすめでしょう。
交流会
交流会は、テーマに興味を持つ参加者同士が交流する場です。一般の参加者のみで交流するときもあれば、有識者や専門家が参加して交流するときもあります。オフラインでの開催が一般的ですが、ツールのコメント機能やオンライン名刺を活用したオンライン開催も増えています。テーマについてじっくり話し合いたい方におすすめです。
カンファレンス開催の流れ
開催するカンファレンスの形式や種類を決めたら、企画から開催当日までの流れを確認しましょう。詳しい流れを押さえて、計画を立てる際の参考にしてください。
企画立案、目標設定
まずはカンファレンスの企画を立案しましょう。目的が定まっていても、担当者や開催日時、開催場所など、決めるべき項目がいくつもあります。要点を把握するために、5W2Hを活用することが大切です。カンファレンスにおける5W2Hは以下の通りです。
● What:カンファレンスで何をするか
● Why:なぜ実施するのか
● Who:誰が担当するのか
● When:いつ開催するのか
● Where:どこで開催するのか
● How:形式や種類など、どのように実施するのか
● How much:開催にかかる費用はどれくらいか
すべてのポイントを具体的に定めることで、カンファレンスの詳細が見えてくるでしょう。5W2Hの要点を把握したら、次はカンファレンス開催で目指す目標を考えます。目標の例として挙げられるのは以下の通りです。
● 新規ユーザーの獲得
● 既存ユーザーのリピート率の向上
● 自社ブランドや商品の認知度の向上
目標を設定したら、KPIの設定も行いましょう。KPI(Key Performance Indicator)とは、中間目標のことです。たとえば新規ユーザーの獲得が目標の場合は、顧客数の増加と企業利益のアップ、既存ユーザーのリピート率向上の場合はロイヤリティの向上と企業利益のアップなどが挙げられます。
KPIが企業にとってメリットがあると判断されれば、企画も通りやすくなるでしょう。
関連記事
・KPIツリーの具体的なつくり方をKGIの設定含めて解説!
・5W1Hとは?意味や正しい順番、ビジネスでの使い方を解説
形式を決め会場や登壇者の予定をおさえる
カンファレンスの形式が決まったら、形式に最適な会場を予約します。オンライン開催は登壇予定者が入るほどのスペース、オフライン開催は参加予定人数に合わせて会場を選びましょう。ハイブリッド開催も会場に足を運ぶ参加者がいるので、オフライン同様、予定人数に合わせて会場を選ぶことが大切です。
会場選びと同時進行しておきたいのが、登壇者のスケジュール確認です。企画立案の段階で決めた日時を提示し、登壇可能かを聞いておきましょう。
告知と集客
集客率を向上するためにも、早い段階から告知をしておきましょう。告知方法は広告やメディア媒体への掲載のほか、SNS・Webサイト・動画広告などのオンラインツールがあります。オンラインでの告知は幅広い層に周知しやすいため、積極的な活用がおすすめです。
関連記事:ウェビナー集客をするには?告知タイミングやサイト作成、メール配信のコツ
運営準備
告知を始めたら、カンファレンスの運営準備を始めましょう。準備内容は以下の通りです。
● 当日の具体的な流れ
● 参加申し込みフォームの作成
● 配信ツールの準備
● アンケート作成
講演を行う登壇者の順番や時間配分など、カンファレンスの種類に合わせて具体的に決めましょう。タイムスケジュールが入念に計画されていれば、登壇者も当日の予定通りに動けます。
参加申し込みフォームの作成と配信ツールの準備も大切です。オフライン開催であれば配信ツールは必要ありませんが、オンラインとハイブリッドはツールが欠かせません。当日に不備がないよう、しっかりチェックしておきましょう。
カンファレンスの参加者に書いてもらうアンケートも作成しておきます。アンケートによって参加者の反応や求められる希望が見えてくるため、次回のカンファレンスに活かせるでしょう。
関連記事:アンケートの正しい作り方|効果的に回収するコツや基本形式、例文
当日対応
カンファレンス当日は、オフライン・オンライン別に対応方法が異なります。オフラインは参加者の受付や誘導、登壇者への対応をしなければなりません。オンラインの場合は登壇者の対応のほか、配信ツールの準備や通信状況のチェックを入念に行うことが重要です。ハイブリッドはどちらも行う必要があるため、人員に余裕を持たせましょう。
参加者フォロー
カンファレンス終了後は、アンケートの集計や参加者へのお礼メール送信などを行います。展示会を開催する場合は、お礼メールとともに、出展していた商品・サービスをアピールしておきましょう。商品・サービスに興味を持ったユーザーの購入のきっかけになるかもしれません。
関連記事:商談につながる『ウェビナー』を実践する方法 ~企画からフォローまでポイント解説~
振り返り
アンケートの集計結果をもとに、振り返りミーティングを実施しましょう。参加者は自社が期待していた反応をしているか、企画立案時に定めた目標を達成できているかを確認します。なかには厳しい意見もあるため、次回のカンファレンスに反映させることが大切です。
マーケティングカンファレンスの例
マーケティングを学べるカンファレンスに興味がある方は、実際の事例を参考にすることがおすすめです。成功した事例を見ておけば、どのようにカンファレンスを開催すべきかが明確になるでしょう。ここでは、マーケティングカンファレンスの事例を紹介します。
アドテック東京
アドテック東京は、講演型・ワークショップ・ディスカッションなど多様な種類のカンファレンスを実施している企業です。2015年から毎年開催している「ad:tech tokyo」は、マーケティングに特化した内容で、1万人を超える人が参加しています。
2024年10月16日、17日、18日には講演会とワークショップがあるカンファレンスが開催されるため、興味のある方は早めに申し込んでおきましょう。
マーケティングカンファレンス2024
マーケティングカンファレンスでは、ポスターセッションのほかに口頭で行うオーラルセッションなどの学会員による発表形式のカンファレンスを実施しています。1年に1回開催される会議は、オフライン形式で専門的な内容を学べることが特徴です。
2024年10月13日に開催されるカンファレンスは、基調講演やオーラルセッションやポスターセッションなど、多様な形式で実施されます。カンファレンス後には懇親会も開かれるため、学会員と直接話せる機会を得られるでしょう。
マーケティングアジェンダ
マーケティングアジェンダは、国内外のトップマーケター350名以上が集結する会議を実施しています。有名企業のマーケターが参加する交流会や、専門家を交えたディスカッションも開催しているため、プロが持つ知識や技術についての話を直接聞くことができる貴重な機会となるでしょう。
2024年6月19日~22日に沖縄で開催されたカンファレンスにも、有名企業の役職に就く人物が登壇しました。
マーケティングWeek -夏-
2024年7月3日、4日、5日に開催されるマーケティングWeek -夏-では、数多くの企業が自社商品やサービスを展示しています。2024年度に開催されるカンファレンスの出展見込み数は350社、参加見込み者数は28,000人と、大規模な展示会になることが予想されています。
広告メディアや販売促進など、9つのジャンル別にさまざまな企業が参加するため、多くの商品・サービスを直接見られるでしょう。
宣伝会議サミット2024(夏) 東京
宣伝会議サミット2024(夏) 東京では、マーケティングに特化した人物による講演会を実施しています。2024年6月12日に開催されたカンファレンスには、ジャンルの異なる複数企業の人物が登壇し、マーケティングの講演を実施しました。
カンファレンスの大きな特徴は、時間帯別に登壇する人物の勤め先が多種多様であることです。飲食店や出版社、生命保険会社など、さまざまな企業の専門家の話を聞けるので、マーケティングへの知識を深められるでしょう。
MarkeMedia Days
MarkeMedia Daysでは、マーケティングに特化した人物による講演会と、参加者からの質疑応答を実施しているマーケティングカンファレンスです。公式ホームページにはマーケティングに関するコンテンツが数多く掲載されており、カンファレンスのアーカイブ配信も行っています。
会員登録をすることにより、無料でコンテンツを視聴できます。プロが提供する知識をしっかり身に着けられるでしょう。
デジタルマーケティングカンファレンス2024
デジタルマーケティングカンファレンス2024は、2024年5月21日、22日に行われたデジタルマーケティングに特化したカンファレンスです。会議はすべてオンラインで実施されたため、自分の興味があるマーケターが登壇するタイミングだけ、自宅や会社からの視聴も可能でした。
デジタルマーケターズサミット 2024 Winter
デジタルマーケターズサミット 2024 Winterは、2024年2月28日、29日にデジタルマーケティング戦略に特化したカンファレンスとして開催されました。カンファレンスには有名企業の人物が登壇し、実際の成功事例を紹介しています。デジタルマーケティングを学びたい参加者にとって、満足度の高い内容だったといえるでしょう。
ハイブリッド形式の交流会も定期的に開催しているので、興味のある方は参加を検討してみてはいかがでしょうか。
SNS MARKETING CONFERENCE
SNS MARKETING CONFERENCEは、2024年3月28日に開催されたSNSマーケティングのカンファレンスです。有名企業の役職に就く人物が登壇することもあって、1,000人を超える人が参加しました。SNSマーケティングの舞台裏や、今後SNSを使ってどのように戦略を立てていくかなど、デジタル戦略に特化した内容になっています。
まとめ
カンファレンスとは、目安として100人以上が参加する大規模な会議のことです。以前までは会議スペースに参加者が足を運ぶオフライン形式が一般的でしたが、現在はオンライン形式に移行しつつあります。オンライン形式のカンファレンスは、終了後にコンテンツ化できるため、自社を周知するマーケティングに活用できるでしょう。
オフラインはその場ならではの臨場感を味わえる魅力がある一方で、オンラインは自宅から気軽に参加できるメリットがあります。集客率の向上が期待できるため、オンライン、またはハイブリッドでのカンファレンスの企画を立案してみましょう。
イベント事業のお知らせ
ProFuture株式会社では、年間を通して多数のイベントを開催しています。イベント事業では、経営・人事担当者様とHR業界関係者との情報共有・ネットワーク強化の場を提供し、HR業界およびベンダー企業様の活性化を目指しています。
企業の人材戦略・組織強化・働き方を考える専門フォーラム「HRサミット」をはじめ、大企業の経営者層が集う「HRエグゼクティブフォーラム」のほか、「新卒採用フォーラム」「キャンリクフォーラム」、そして「日本HRチャレンジ大賞」「HRテクノロジー大賞」をいったアワードも開催しています。
詳しい内容は下記ページをご参考にしてください。
関連ソリューション:ProFutureのイベント事業