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口コミとは?意味やマーケティングでの活用方法

2024.8.22
読了まで約 9

ビジネスシーンや日常生活でも、口コミという言葉をよく耳にするかもしれません。しかし、口コミの具体的な定義が分からない人は多いのではないでしょうか。本記事では、口コミの概要やレビューとの違いを解説します。また、消費者や企業のそれぞれの立場から見た口コミのメリット・デメリットも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

口コミとは?

口コミとは、商品やサービスを購入・利用した消費者の声のことです。また、口づてで人から人に情報を共有すること自体を指す場合もあります。インターネットが普及した現在では、口コミサイトと呼ばれる、店舗・商品・サービスを対象にした消費者が気軽に感想や批評を投稿できるプラットフォームも多く見られるようになりました。

口コミは消費者の正直な感想を反映したものであるため、商品・サービスを購入する際の参考にしたり、事業者側が消費者のリアルな声を参考にしたりする場合に活用されることが多いです。

関連記事:コロナ禍で変化する消費者インサイト/ニューノーマル時代に必要なマーケティングとは

口コミがマーケティングで重要な理由

口コミがマーケティングで重要な理由、それは「ユーザーの購買行動に大きな影響を与えるから」です。インターネットやSNSが普及した昨今において、ユーザーが欲しいと思う商品やサービスを先に利用しているユーザーの声を簡単に探せるようになりました。

これは、まだマス広告による宣伝が一般的だった時代にはあり得なかったことです。口コミは、商品やサービスを販売する企業側が発信する情報とは異なり、ユーザーが体験した生の情報として非常に信憑性と信頼性があります。こうったことから、商品やサービス購入前のユーザーは、まず口コミをチェックするという行動を取る場合が多くあります。

実際に20代から60代の年齢層において、口コミやレビューを読んだことで購入の決定をした経験のある人が8割にも登っている結果が総務省より発表されています。

グラフ:レビューを読んだことで、購入する商品を決定した経験

出典:総務省 第1部 特集 IoT・ビッグデータ・AI~ネットワークとデータが創造する新たな価値~

こういった統計からも分かるように、口コミはある意味「真の情報」としてユーザーに非常に信頼されており、購買行動の決定に大きな影響を与える要素なのです。

口コミとレビューの違い

口コミと同じように、消費者の声や感想を反映するものとして「レビュー」という言葉があります。時折、混同されてしまう「口コミ」と「レビュー」ですが、細かなニュアンスの違いがあります。このため、参考にする際は下記の理由で消費者側・事業者側の双方に注意が必要です。

口コミには、投稿者ではない第三者の噂話を含む伝聞の情報も含まれます。一方で、レビューは投稿者本人の体験をもとにしています。このため、レビューのほうが信憑性のある情報だと言えます。

関連記事:口コミで広がるバイラルマーケティング!そのメリットや実施のポイントとは?

消費者から見た口コミのメリット

口コミには、消費者・事業者から見たメリット・デメリットがそれぞれあります。消費者がなぜ、どのように口コミを利用するかを知ることは、消費者心理を理解するうえで重要です。消費者から見た口コミのメリットは、下記のとおりです。

● 商品やサービスを扱う前に情報をイメージできる
● 無駄な損失をしてしまう可能性が低くなる

それぞれ順番に説明します。

商品やサービスを扱う前に情報をイメージできる

商品やサービスを購入・検討する際に、事前に口コミを調べることでサービス内容や使用感をイメージできるため、利用および購入後の失敗を回避できるメリットがあります。サービス内容や使用感がイメージしづらいものの場合は、口コミによる第三者の感想を知ることで、消費者が自分自身に置き換えた際にどのようなメリットがあるのかを追体験できます。

第三者が対象の商品・サービスに対してメリット・デメリットに感じたことを、口コミを参考にする本人がどのように捉えるかイメージし、購入するかどうかを決定します。

無駄な損失をしてしまう可能性が低くなる

高価なもの、バリエーションやラインナップが多いもの、使用感や効果をイメージしづらい商品は口コミを見て、ほかの消費者の体験を参考にする場合が多いです。

消費者本人の主観だけで購入した際、思わぬ欠点があったり似たような商品でより自分に合うものが見つかったりする場合もあるため、事前に口コミを参照することでリスクを低減させる効果があるのです。

商品のデメリットから目を背けたり買い直したりすることは、消費者にとって精神的・金銭的に損失となってしまうため、失敗しないための予防線として口コミを活用します。

関連記事:ウィンザー効果とは?マーケティング、人事マネジメント等での活用例

消費者から見た口コミのデメリット

もちろん、口コミはメリットだけではありません。商品を取り扱う企業や口コミサイトによっては、いわゆる「サクラ」と呼ばれる自作自演の口コミに当たる可能性があります。そのため、自演の口コミを見分けるリテラシーが要求されます。本物の良質な口コミと、自作自演の口コミを見分けることができなければ、消費者が損をすることになりかねないのです。

ECサイトのレビュー機能や口コミサイトを利用する際は、サクラを見分けるツールを利用する等、自演のクチコミから自衛する手段を活用しましょう。

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事業者から見た口コミのメリット

口コミには、事業者にとっても嬉しいメリットがあります。口コミを味方につけることで、多くの消費者に認知され、より売上を伸ばすことも期待できます。事業者から見た口コミのメリットは、主に以下の2点があります。

● 商品やサービスの価値が高まる
● より多くのユーザーに無料でリーチできる

どちらもマーケティングの観点で重要であるため、下記で詳しく解説します。

商品やサービスの価値が高まる

口コミが多い商品・サービスほど、多くの消費者が利用したとも捉えられます。また、口コミの内容が高評価であればあるほど消費者心理をくすぐり、購入の意思決定に影響するため、より宣伝効果が上がります。消費者が主体となって商品やサービスの認知を広めてくれるため、事業者側は消費者が口コミをしやすい環境作りに努めましょう。

より多くのユーザーに無料でリーチできる

事業者からはあまり良くない内容の口コミであったとしても、口コミで伝えられるということは、それだけ認知度が上がり、商品やサービスをより多くの人にリーチできます。また、口頭での口コミはもちろんのこと、口コミサイトも無料で利用できるため、事業者にとってはコストを割かずに多くのユーザーに宣伝できるのも魅力です。

関連記事:ポジショニングとは?マーケティングに活用できる基礎知識を徹底解説

事業者から見た口コミのデメリット

当たり前のことですが、口コミは事業者にとって都合の良いことだけではなく、悪いことも広められてしまう可能性があります。特に、多くの人に共有された口コミや、影響力の強い人の口コミ等の広く認知される口コミは、その分だけ消費者を動かす力も強いです。

そのような影響力のある良くない口コミが広まってしまうと、事業者にとっては損失につながるおそれもあるため、口コミの内容には注意を払う必要があります。主に以下の点に留意します。

● 風評被害の恐れがある
● コントロールができない

風評被害の恐れがある

口コミはとかく風評被害の恐れがあることもデメリットの一つとなります。例えば、自社は当該事象とはまったく関係ないにも関わらず、同列の商品やサービスを扱っていたと言うだけで悪い評判を立てられることもあります。

いわゆるレピュテーションリスクと言われ、こういったネガティブなイメージを持たれることで、企業の好感度や評価が下がり経済的な損失を被るリスクを言います。ちなみにレピュテーションとは英語で「評判」を意味し、レピュテーションリスクのことを日本語で「評判リスク」「風評リスク」と呼ぶこともあります。

関連記事:レピュテーションリスクとは?意味や原因、事例を分かりやすく解説

コントロールができない

口コミは消費者間で行われるやり取りのため、企業がそれらをコントロールすることはできません。コントロールできないからこそ「ユーザーの生の声」そして「真の情報」としての信頼感があります。

仮に口コミをコントロールしようと考え、商品やサービスの購入者や自社の会員などに良い口コミを行うようけしかけようものなら、そのようにけしかけられた旨の投稿が行われる可能性もあります。

こういった強制的な行為は、往々にしてユーザーの反発を招き、余計に不都合な情報が拡散されてしまうなど、口コミはいち企業だけではコントロールできないものとなります。

関連記事:リサーチパネルとは?評判や口コミの安全性について解説します!

マーケティングに口コミを活かす方法

口コミが良い形で広まれば、事業者にとっては心強い味方となってくれます。口コミをマーケティングに上手に組み込み、活用していきましょう。口コミをマーケティングに活かす方法は、下記のとおりです。

● 大前提:良い口コミを獲得するには良いサービスを提供する
● 良い口コミを書いてもらった際は自社でも拡散する
● 悪い口コミは原因の究明とサービス改善を行う
● 返信する場合は炎上リスクに気をつけて対応する

大前提:良い口コミを獲得するには良いサービスを提供する

事業者としては当然の話ですが、良い商品やサービスを提供しなければ、良い口コミは獲得できません。自信を持って商品やサービスを消費者に提供し、消費者に好意的に受け入れてもらうことで、口コミは広まっていきます。

消費者に受け入れられやすく、上質なものを提供することを心がけ、良い口コミを広げてもらう下地作りをしましょう。

良い口コミを書いてもらった際は自社でも拡散する

良い口コミであっても、その口コミが広がらなければ宣伝効果はありません。良い口コミを書いてもらえた際は、その口コミをより広げることを意識して、消費者の目につく施策を行いましょう。自社でSNSやブログを運用している場合は「お客様の声」として良い口コミを引用すると、アピールしたいポイントをより強調できます。

ただ引用するのではなく「どうしたら拡散されるか」も施策を打つうえで重要なポイントとなります。SNSであれば共有・拡散機能をいかに有効に活用できるかに重点を置き、工夫して投稿しましょう。

注意点として誇大表現となっていないか確認する

ひとつ注意すべき点が、書いてもらった口コミが誇大表現となっていないか確認することです。特に医薬品や医薬部外品、化粧品といった口コミの場合は、薬機法に引っかかるような表現が使われていないか注意します。例えば「髪がめちゃめちゃ生えてきました!」「3日で体重10kgガクンと減りました!」といった表現は一発アウトで、これだけで処罰の対象となる可能性があります。

「ユーザーによる口コミだから関係ないのでは?」と捉えがちですが、マーケティング活動の一貫としてインフルエンサーなどに料金を支払い依頼した場合は、依頼した事業者が処罰の対象となります。こういったことからも、誇大表現には細心の注意を払う必要があります。

悪い口コミは原因の究明とサービス改善を行う

悪い口コミは耳が痛いものですが、上手に活用してサービス改善に活かしましょう。悪い口コミのなかには、商品やサービスの改善となるような事業者にとってはありがたい情報も含まれています。悪い口コミだからといって無視はせずに「改善できる箇所はないか」という目線で見る姿勢が重要です。

もちろん、サービス改善につながる口コミと誹謗中傷の切り分けをして、業務妨害になる不当な誹謗中傷は削除申請をしましょう。コストをかけずに消費者の声を聞けるのが口コミのメリットです。商品・サービスの品質改善につなげ、良い口コミにつなげられるよう、悪い口コミも進んで活用しましょう。

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返信する場合は炎上リスクに気をつけて対応する

口コミに対しコメントなどを返信する場合には、常に炎上リスクを考慮したうえで対応を行います。コンプライアンス遵守が叫ばれている昨今において、ちょっとした表現のミスや不適切発言などで簡単に炎上することはよくあります。

また、ユーザーとのやり取りにおいて感情的になり、たとえやんわりでも暴言に近い表現や品性に欠けた応対などもトラブルのもとになります。こういった炎上リスクを常に考慮して対応することが重要です。

関連記事:ポリコレの意味とは?マーケ・広報・人事が企業活動で炎上しないためのポイントを解説

口コミを活用したマーケティング手法

口コミは消費者が主体となって商品・サービスの販売促進につながります。その性質を利用して、マーケティングを上手に活用しましょう。また、紹介する以下のマーケティングはすべてステマに注意して行うようにします。

ステマはステルスマーケティングの略で、ユーザーに対して広告を広告と悟らせないように行うマーケティングを言います。以前はこういった方法で宣伝活動を行っても罰則はありませんでしたが、2023年10月にステマ規制法が制定されて以降は規制の対象となりました。口コミを活用したマーケティング手法は、下記のとおり3種類あります。

● バズ・マーケティング
● バイラルマーケティング
● インフルエンサー/アンバサダーマーケティング

関連記事:ステマ(ステルスマーケティング)とは?意味や規制、事例について簡単に解説

バズ・マーケティング

バズ・マーケティングとは、昨今頻繁に耳にするようになった「バズ」「バズる」を利用したマーケティング手法です。ブログ・Instagram・X・YouTube等のSNS上で、事業者側が口コミを含んだ情報を意図的に拡散させて、多くのターゲットにアプローチすることが狙いです。バズ・マーケティングは下記のような流れをとります。

1. 売りたい商品・サービスに興味を持つフォロワー層を形成している人物(インフルエンサー)を探し、PRを依頼する。必要に応じて口コミの書き方のディレクションも行う。
2. 実際にインフルエンサーが商品・サービスを使用し、良い口コミをまとめてSNS上に投稿する。
3. インフルエンサーの投稿を見たフォロワーからフォロワーへと、爆発的に拡散されます。良い口コミがシェアされて、結果的に売り上げにつながる。

以上の流れにより、意図的かつ効率的に口コミを流布することができます。一回「バズ」らせてしまえば、事業者側の想定以上に認知度が広がるメリットがあります。化粧品や衣服であれば美容系インフルエンサーに、ゲームであればゲーム実況系動画投稿者に、自社の商品がリーチしやすいフォロワーを抱えるインフルエンサーの選定も重要です。

バズを獲得できるかはインフルエンサーの手腕とタイミング次第ですが、比較的コストがかからないため、試す価値はあるでしょう。

バイラルマーケティング

バイラルマーケティングとは、インターネット上で消費者が「誰かにこの商品をシェアしたい」という気持ちを利用して口コミを広げる手法のことです。例えば、商品ページにSNSやLINEに共有するボタンを設置しておき、それを見た消費者が「この商品がほしい」「利用したい」「使用感が良くておすすめ」等の口コミをシェアすることもバイラルマーケティングの一種です。

バズ・マーケティングは事業者側が意図的に口コミを投稿してもらうことに対して、バイラルマーケティングは消費者が自身の意思で自然に投稿するという違いがあります。バイラルマーケティングは消費者の意思に委ねられるものであるため、大きな売り上げに直結するかどうかは不確実ですが、コストがかからない点がメリットです。

インフルエンサー/アンバサダーマーケティング

インフルエンサー/アンバサダーマーケティングとは、両者ともにユーザーへの発言において、影響力のある人物を利用したマーケティング手法のことを言います。

● インフルエンサーマーケティング
● アンバサダーマーケティング

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーとは特定の分野や領域、方面においてユーザーへの影響力がある人のことを言います。多くのファンや同士を獲得しており、世間でもある程度名が知られていることがあります。こういった、一定のユーザーに影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスを紹介してもらい口コミを発信することで、ユーザーの購買行動につなげます。この手法がインフルエンサーマーケティングです。

ユーザーとしては、自分の好きなインフルエンサーが使用している商品やサービスなので、自分も使用してみたくなると同時に、何の疑いもなく購入に至る確率が高いマーケティング手法です。

アンバサダーマーケティング

アンバサダーマーケティングはアンバサダーとなってもらった人に自社商品やサービスを紹介してもらうマーケティング手法です。アンバサダーは日本語で「大使」という意味ですが、マーケティングにおいては外交任務を行う大使を意味するものではなく「宣伝大使」といった意味合いになります。

いわゆる自社商品やサービスの宣伝を、自社に代わり代表して行ってくれる人のことを指します。例えば、自社商品やサービスがもともと好きで、愛用している人たちの中からアンバサダーとして選出し、そのひとを企業が公認アンバサダーとして任命することで発言権を持たせます。ただ一般人が行っても影響力が少ないため、有名人を起用することがほとんどです。

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口コミ掲載サービス例

口コミの掲載サービス例としては以下が挙げられます。

● Googleなど大手プラットフォーム
● 食べログなど特定の分野

Googleなど大手プラットフォーム

大手のプラットフォームとして挙げられるのがGoogleの他、AmazonやApp Storeなどです。GoogleではGoogleマップ上に企業や店舗などが掲載され、同時に口コミなども表示されます。またAmazonやApp Storeなどでは、商品ページのいたるところに商品に対するレビューが掲載されています。

食べログなど特定の分野

食べログやアットコスメなどの特定の分野では、お店を利用した人や、化粧品などを使用した人による口コミが多数行われています。映画などのエンタメ系や、企業情報が分かる転職系サイト、マンションやクリニックの口コミがチェックできるサイトもあります。こういった特定分野においては、一般の人は雰囲気や使用感が分からないため、実際に体験した人による口コミは非常に重宝されます。

まとめ

本記事では、口コミの概要とメリット・デメリット、口コミを活用したマーケティング手法について紹介しました。

口コミは消費者が主体となって認知度を高めてくれるという点で、コストがあまりかかりません。また、事業者にとって、良い口コミだけではなく悪い口コミも糧にできるため、まずは内容にかかわらず口コミを広げてもらえるような施策を行いましょう。

口コミを味方につけたマーケティング手法は、他の広告宣伝費と比較するとコストがかからず、気軽に始められます。ぜひ本記事を参考にして、口コミを用いたマーケティングに活用してください。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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