ユーザインタフェース(UI)は、Webデザインやアプリケーション開発において非常に重要な要素です。UIとは、ユーザーと製品やサービスとの接点となるインターフェースのことを指します。簡単に言えば、ユーザーが目にし、操作するすべての部分がUIに該当します。
UIの役割は、ユーザーが製品やサービスを簡単に、直感的に使えるようにすることです。優れたUIデザインは、ユーザーの利用体験を向上させ、サービスの利用率や定着率を高める効果があります。
UIには、視覚的な要素だけでなく、操作性も含まれます。例えば、Webサイトやアプリの画面デザイン、ボタンの配置、メニュー構成、フォントの選択などが視覚的なUIに該当します。一方、ボタンのクリックのしやすさ、画面のスクロールのスムーズさ、文字入力の快適さなどが操作性に関するUIとなります。
ユーザインタフェースは、以下の3つの種類に大別されます。
・ハードウェアインターフェース:USB、HDMIなど、物理的な接続部分
・ソフトウェアインターフェース:OS、API、プラグインなど、ソフトウェア間の接続
・ユーザーインターフェース:Webサイトやアプリの画面上に表示される要素
UIは、UX(ユーザーエクスペリエンス)と密接に関連しています。UXは、ユーザーが製品やサービスを使用して得る総合的な体験を指します。優れたUIは、良好なUXを実現するための重要な要素となります。
近年、IoT(Internet of Things)の急速な普及に伴い、UIの重要性はますます高まっています。多様なデバイスやサービスを、誰もが簡単に使いこなせるようにするためには、ユーザーフレンドリーで直感的なUIデザインが不可欠です。
また、インターネットの発達により、ユーザーは多くの選択肢を持つようになりました。そのため、企業は優れたUIを通じて、自社の製品やサービスの魅力を効果的に伝える必要があります。
優れたUIデザインを実現するためには、ユーザーのニーズや行動を深く理解し、それに基づいてデザインを行うことが重要です。また、定期的なユーザビリティテストや改善を行い、常にユーザーの声に耳を傾けることも欠かせません。
このように、ユーザインタフェースは現代のデジタル社会において、製品やサービスの成功を左右する重要な要素となっています。UIデザインの質を高めることで、ユーザーの満足度を向上させ、ビジネスの成長につなげることができるのです。
目次
UIとは?UXとの違い
UIとUXは、ユーザインタフェースデザインにおいて頻繁に使用される重要な概念です。これらの用語は似ているように聞こえますが、実際には異なる意味を持ち、それぞれ独自の役割を果たしています。
UIは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、ユーザーと製品やサービスとの接点を指します。具体的には、Webサイトやアプリケーションの画面デザイン、ボタンの配置、文字のフォントやサイズなど、ユーザーが直接目にし、操作する部分全てを含みます。優れたUIデザインは、ユーザーが直感的に操作できる環境を提供し、ストレスなく目的を達成できるようサポートします。
一方、UXは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で、ユーザーが製品やサービスを利用する際の総合的な体験を指します。UXには、UIだけでなく、製品やサービスの使いやすさ、有用性、効率性、そして使用時の感情的な反応までも含まれます。つまり、UXはUIを包含する、より広範な概念と言えます。
UIとUXの関係性を理解することは、効果的なユーザインタフェースデザインを行う上で非常に重要です。優れたUIは良好なUXを生み出す基盤となりますが、UIだけでは十分ではありません。ユーザーのニーズや行動パターンを深く理解し、それに基づいて全体的な体験を設計することが、真に優れたUXを実現する鍵となります。
このように、UIとUXは密接に関連しながらも異なる概念であり、両者を適切に組み合わせることで、ユーザーにとって価値のある、満足度の高い製品やサービスを提供することができるのです。
関連記事:【UI/UXとは?】それぞれの意味や違い、デザインの改善方法まで解説
UIとは
UIとは、「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略であり、「顧客接点」を意味します。ユーザーインターフェースは、ユーザーと商品やサービスをつなぐ重要な役割を果たします。UIは、ユーザーが目にするすべての情報を指し、Webサイトやスマートフォンアプリなどの画面上に表示される視覚情報全般を含みます。
UIは単なる見た目だけでなく、操作性も重要な要素です。ユーザーが簡単に理解し、使いやすいインターフェースを提供することが、優れたUIデザインの目標となります。例えば、ボタンのクリックのしやすさ、画面のスクロールのスムーズさ、文字入力の容易さなどが、UIの操作性に含まれます。
ユーザーインターフェースは、Webサイトやアプリケーションの外観を形作る要素として、ボタン、フォント、画像、デザイン、レイアウトなどを包括します。これらの要素を適切に組み合わせることで、ユーザーにとって分かりやすく、使いやすいインターフェースを実現することができます。
優れたUIデザインは、ユーザーの満足度を高め、商品やサービスの利用率を向上させる重要な要因となります。ユーザーが直感的に操作できるインターフェースを提供することで、ストレスなく目的を達成できるようサポートします。
UIデザインの重要性は、デジタル化が進む現代社会においてますます高まっています。多様なデバイスやプラットフォームに対応し、ユーザーのニーズに合わせた最適なインターフェースを提供することが、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。
インターフェースには3種類ある
インターフェースは大きく分けて以下の3種類があります。
・ ハードウェアインターフェース
・ ソフトウェアインターフェース
・ ユーザーインターフェース
ハードウェアインターフェース
ハードウェア間の異なる媒体をつなぐ役割を果たします。いわゆる「USB」「HDMI」「Bluetooth」などがそれに該当します。ユーザーインターフェースの観点からも、これらの接続方法の使いやすさは重要です。
ソフトウェアインターフェース
異なるソフトウェアやアプリケーション間をつなぐ役割を果たします。「OS」「API」「Plug-in」などがそれに該当します。ユーザーインターフェースの設計において、これらのソフトウェアインターフェースの特性を理解することが欠かせません。
ユーザーインターフェース
ユーザーと商品やサービスをつなぐ役割を果たします。いわゆるWebサイト上に表示されるボタンやフォント、画像、そしてデザイン、レイアウトなどがそれに該当します。ユーザーインターフェースは、ユーザーが直接操作する部分であり、使いやすさや視覚的な魅力が重要です。
これら3種類のインターフェースは、それぞれが独立しているわけではなく、相互に関連しています。例えば、ハードウェアインターフェースの特性がソフトウェアインターフェースに影響を与え、それがユーザーインターフェースの設計に反映されることがあります。したがって、優れたユーザーインターフェースを設計するためには、これら3種類のインターフェースの特性と関係性を理解し、総合的に考慮することが必要です。
UIには視覚情報だけでなく操作性も含まれる
ユーザーインターフェースとは、主にWebサイトやスマートフォンのアプリケーションなどが対象となり、これらの画面上に表示される全ての視覚情報が「UI」に該当します。UIには、見た目だけでなく、ユーザーが簡単に操作できるかどうかという操作性も含まれます。
例えば、以下のような要素がUIの操作性に関係します。
・ボタンがクリックしやすい配置や大きさになっているか
・画面をスムーズにスクロールできるか
・テキストフィールドに文字を入力しやすいか
・メニューの階層構造が分かりやすいか
・ページ遷移がスムーズで直感的か
優れたUIデザインは、ユーザーが迷わずに目的の情報にたどり着けるよう、視覚的な要素と操作性の両方を考慮して設計されています。例えば、重要な情報やボタンを目立つ位置に配置したり、カラーコントラストを適切に調整したりすることで、ユーザーの操作をサポートします。
また、レスポンシブデザインを採用し、デスクトップやスマートフォン、タブレットなど様々なデバイスで快適に利用できるようにすることも、現代のUIデザインには欠かせません。ユーザーインターフェースが直感的で使いやすければ、ユーザーは商品やサービスをストレスなく利用でき、結果としてユーザー体験(UX)の向上にもつながります。
UXとは
一方「UI」と並んでよく聞かれる言葉として「UX」があります。「UX」は「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略で「顧客体験」となります。
ユーザーインタフェースとは異なり、UXはその商品やサービスを使用したことにより、ユーザーがどのような「体験」を得ることができたのかを表します。ユーザーインタフェースが優れていても、必ずしもUXが良いとは限りません。
当然ながらユーザーの満足度が高かったり、よい体験を得ることができたりすれば、UXの評価も高くなります。例えば、ユーザーインタフェースが直感的で使いやすく、目的の情報にスムーズにアクセスできれば、UXの評価は高くなるでしょう。
またユーザーが商品を購入する前の企業の対応や、商品を購入した後のサポート体制などもUXに含まれます。ユーザーインタフェースの設計だけでなく、カスタマーサポートの質や応対スピードなども、UXを左右する重要な要素となります。
ユーザーインタフェースとUXは密接に関連していますが、UXはより広範囲な概念であり、ユーザーとサービスの関わり全体を包括的に捉えています。優れたユーザーインタフェースは良好なUXにつながる可能性が高いですが、それだけでは十分ではありません。ユーザーのニーズや期待に応える総合的な体験を提供することが、高品質なUXを実現する鍵となります。
UXにはUIが含まれる
UIとUXは、似たような言葉としてよく取り上げられますが、実際無関係ではなくUXの一部にUIが含まれます。ユーザーインターフェースの質が高いほど、ユーザーエクスペリエンスも向上する傾向にあります。
その理由として、円滑な操作性や質の高いデザインなどUIが快適に機能するからこそ、顧客体験であるUXも高い評価が得られる、という関係性があるからです。ユーザーインターフェースが直感的で使いやすければ、ユーザーの満足度も自然と高まります。
例えば、以下のようなユーザーインターフェースの特徴は、良好なUXにつながります。
・フォントは大きすぎず小さすぎず読みやすい
・ボタンの大きさもちょうど良くクリックしやすい
・情報はきっちり整理整頓され、カテゴリーが整然と並んでいる
・ページが軽くアプリケーションなどがイメージ通りサクサク動作する
・写真や画像などの表示速度が早い
こういったサイトはUIが良く、ユーザーに好まれるWebサイトとなります。ユーザーインターフェースの設計が適切であれば、ユーザーは直感的に操作でき、ストレスなくサービスを利用できます。
つまりUIが快適である場合、ユーザーはストレスなく利用でき、また目標が達成しやすくなるのです。ユーザーインターフェースの品質が高ければ、ユーザーは効率的にタスクを完了でき、サービスに対する満足度も向上します。
結果として顧客体験も良くなり、UXの評価が高くなることにつながります。優れたユーザーインターフェースは、ユーザーの操作性を向上させ、サービスの利用を促進し、最終的にはユーザーエクスペリエンス全体を改善するのです。
UIが求められる理由
ユーザインタフェース(UI)が重要視される背景には、現代のデジタル社会における様々な要因があります。UIは、ユーザーと製品やサービスとの接点となるため、その設計や品質が顧客満足度に直結します。
まず、技術の進歩により、多くの製品やサービスがデジタル化されています。スマートフォンやタブレット、ウェアラブルデバイスなど、日常生活のあらゆる場面でUIと接する機会が増えています。そのため、使いやすく直感的なUIの重要性が高まっているのです。
また、競争の激化により、企業は顧客体験の向上に注力せざるを得なくなっています。優れたUIは、ユーザーの操作性を向上させ、製品やサービスの価値を高めます。これは顧客満足度の向上につながり、ビジネスの成功に直結します。
さらに、ユーザーの期待値も年々上昇しています。スマートフォンやSNSの普及により、ユーザーは高品質なUIに慣れ親しんでいます。そのため、使いにくいUIは即座に敬遠されてしまう傾向にあります。
加えて、ユーザビリティの重要性も増しています。年齢や障害の有無に関わらず、誰もが簡単に使えるユニバーサルデザインの考え方が浸透し、UIにもその概念が求められるようになりました。
最後に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展も、UIの重要性を高めています。企業のデジタル化が進む中、社内システムや業務用ソフトウェアのUIも、使いやすさが求められるようになりました。
このように、UIが求められる理由は多岐にわたります。優れたUIは、ユーザーの満足度を高め、製品やサービスの競争力を向上させる重要な要素となっているのです。
IoT化が進んでいるため
UIにおける円滑な操作性や質の高いデザインが求められている背景には「急速なIoT化」が進んでいることが挙げられます。
IoTは「Internet of Things」を略した言葉で「モノのインターネット」という意味になります。
インターネットが普及する以前は単独で機能していたさまざまな「モノ」を、インターネットにつなげることにより、人とモノが離れていても操作ができるようになりました。
例えば「外出先から自宅のWebカメラを通して室内を見る」「インターネットを経由して違う部屋の家電製品を操作する」など、人とモノが離れた場所にあっても、インターネット経由で遠隔操作ができるようになったのです。
そこで求められるのが、子供から高齢者まで、誰でもIoT製品を簡単に、かつ快適に操作できるようにするためのUIデザインになります。
いくら優れたIoT製品でもUIが悪く操作が困難であれば、製品自体が使えないものになってしまいます。そうならないために、優れたUIデザインが必須なのです。
ユーザインタフェースデザインの質を高めることで、IoT製品の使いやすさが向上し、ユーザーの満足度も上がります。例えば、直感的な操作方法や分かりやすいアイコン、適切な文字サイズなど、ユーザーにとって使いやすいインタフェースを提供することが重要です。
また、IoT製品のユーザインタフェースは、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、様々なデバイスで操作できるようになっています。そのため、各デバイスの特性に合わせた最適なユーザインタフェースデザインが求められています。
このように、IoT化の進展に伴い、ユーザインタフェースの重要性はますます高まっています。ユーザーにとって使いやすく、直感的に操作できるインタフェースを提供することが、IoT製品の成功につながる重要な要素となっているのです。
大手企業一強時代の終焉
インターネットの普及に伴い、ユーザーは商品やサービスを競合他社のものと、簡単に比較検討ができるようになりました。つまり、必ずしも大手企業のものだけが売れ続けるという結果にはならなくなってきたのです。
資本力が弱い中小企業の商品やサービスであっても、ユーザーに気に入られたり、自分にとって必要だと感じたりしてもらえれば、ユーザーはその商品やサービスを選択する可能性は高いのです。
そこで重要なポジションを占めるのが「UI」です。ユーザーに選択してもらえた商品やサービスを分かりやすく快適に利用してもらうためには、UIをよくすることが必要不可欠です。
UIが悪く操作が困難であったり、難しくて使いこなせなかったりした場合は、ユーザーは目標を達成することができず、他社のものに乗り換えてしまいます。そのため、ユーザーインタフェースの設計には十分な注意を払う必要があります。
商品やサービスをユーザー自身が取捨選択できるようになった昨今において重要なのは「UIでいかに快適な操作が行えるか」なのです。ユーザーインタフェースの質が高ければ、ユーザーの満足度も向上し、結果として商品やサービスの競争力が高まります。
優れたユーザーインタフェースは、直感的な操作性や視覚的な分かりやすさを提供し、ユーザーの学習コストを低減させます。これにより、ユーザーは商品やサービスの本質的な価値により集中することができ、より良い体験を得ることができるのです。
CX(カスタマーエクスペリエンス)重視の高まり
UIとUXの関係性を更に包括的に評価するファクターとして「CX(カスタマーエクスペリエンス)」があります。CXはユーザーインタフェースとユーザーエクスペリエンスを含む、より広範な顧客体験を指します。
CXも意味としては「顧客体験」となり、UXと言葉的には同じとなります。しかしCXとUXの違いは「ユーザーとのタッチポイントの対象数」にあります。
例えば「購入前の企業の対応(UX)」「商品やサービスの使いやすさ(UX)」「購入後のサポート(UX)」をそれぞれひとつずつのUXとするならば、これらすべてのUXを総合的に評価したものがCXとなります。ユーザーインタフェースの品質は、これらの体験全体に大きな影響を与えます。
イメージとしては以下のようになります。
■UX(購入前)+UX(利用)+UX(購入後)=CX(総合)
商品やサービスそのものの品質だけでなく、購入前や購入後におけるUX評価も、売れ行きを左右する要因となり得ることから、CXを意識した包括的な戦略が必要となっているのです。優れたユーザーインタフェースは、この戦略の重要な一部を担います。
CXの向上には、ユーザーインタフェースの改善、ユーザーエクスペリエンスの最適化、そしてカスタマージャーニー全体の見直しが不可欠です。これにより、顧客満足度の向上、ロイヤルティの強化、そして最終的には企業の成長につながります。
関連記事:注目を集めるカスタマーエクスペリエンス(CX)の意味とは?向上のための施策
UIデザインに必要とされている要素
UIデザインに必要とされている要素とは、主に以下の内容となります。ユーザインタフェースの設計において、これらの要素を適切に組み合わせることが重要です。
・分かりやすいページ構成: ユーザーが直感的に操作できるレイアウトやナビゲーションを提供します。
・読みやすく整理されている情報: コンテンツを整理し、見やすいフォントや色使いを心がけます。
・煩わしくない使い心地: シンプルで効率的な操作フローを実現します。
これらの要素を適切に組み合わせることで、ユーザーにとって使いやすいインタフェースを実現できます。ユーザインタフェースの設計では、ユーザーの目線に立ち、操作性や視認性を重視することが大切です。
また、ユーザインタフェースは常に進化しており、最新のトレンドや技術を取り入れることも重要です。例えば、モバイルファーストデザインやレスポンシブデザインなど、デバイスに応じた最適化も考慮する必要があります。
さらに、アクセシビリティにも配慮し、多様なユーザーが利用できるインタフェースを目指すことも、現代のUIデザインには欠かせません。ユーザインタフェースの改善は、ユーザー体験の向上につながり、結果としてサービスの価値を高めることができます。
分かりやすいページ構成
分かりやすいページ構成は、ユーザーインタフェースの重要な要素です。パッと見で、どこに何が配置されているかが把握できるうえ、ユーザーがページ内で迷いにくくなります。ユーザーインタフェースの設計では、直感的に理解できるレイアウトを心がけることが大切です。
リンクが張ってあるのか否か分からないような画像やフォント、ボタンなのかただのイラストなのか区別がつかないデザインなど、分かりづらい要因を排除するだけで非常にすっきりとしたユーザーインタフェースが実現できます。ユーザーインタフェースの要素は、その役割や機能が一目で理解できるように設計されるべきです。
効果的なユーザーインタフェースでは、情報の階層構造を明確にし、ナビゲーションを容易にすることが重要です。メニューやボタンの配置、色使い、アイコンのデザインなど、全ての要素がユーザーの理解を助けるように調和していることが求められます。
また、ユーザーインタフェースの一貫性も重要な要素です。サイト全体で統一されたデザインや操作方法を採用することで、ユーザーは迷うことなくスムーズに目的の情報にアクセスできるようになります。
さらに、ユーザーインタフェースの反応速度も考慮すべき点です。クリックやタップに対する素早いレスポンスは、ユーザーに快適な操作感を提供し、ストレスフリーな体験につながります。
読みやすく整理されている情報
読みやすく整理されている情報は、ユーザーがWebサイト内において、目的の情報にたどり着きやすくなります。
するとユーザーは他の情報もついでに探すようになり、Webサイト回遊率が良くなります。連鎖的にWebサイトの滞在時間も長くなり、結果として検索エンジンからの評価が高くなります。
煩わしくない使い心地
ユーザーが煩わしく思う要因を排除できれば、非常にUIデザインのよいWebサイトとなります。
例えば以下はユーザーが煩わしいと感じる例になります。
・ 画像の表示が遅い
・ クリックしてからページの移動までに時間がかかる
・ リンククリック後の挙動が予想と違う
など
リンクが張ってあることが一目で分かり、なおかつそれをクリックすることで狙った情報のあるページに思い通りサクサク飛ぶ、このようなWebサイトとなれば理想的です。
UIデザインを行うには
上述でも解説したように、UIデザインは単なる視覚的な良さだけを表現するWebデザインとは違い、ユーザビリティを考慮する必要があります。
そのためUIデザインに関する原則に則りデザインを行っていきます。UIデザインをうまく行うためには以下を実行します。
・ ユーザー分析、ペルソナ設定を行う
・ 原則に則ったUIデザインを意識する
・ デバイスごとに最適化する
ユーザー分析、ペルソナ設定を行う
UIデザインにおいて、非常に重要なポイントとして挙げられるのが「ターゲットを明確にする」ことです。
いくらUIデザインの手法やノウハウを活用して媒体を作り込んだとしても、万人受けの媒体に仕上げることはほぼ不可能です。
商品やサービスを利用している、または利用することを考えているユーザーのみにターゲットを絞り、その人たちが快適に使用できればそれで良いのです。
そのためにはユーザーがどのような機能を求め、どのような情報を欲しているのかユーザー分析をしっかり行い、ペルソナにより詳細なユーザー像を設定していきます。
関連記事:マーケティングに欠かせないペルソナの設定 なぜ必要か?どうやるのか?
原則に則ったUIデザインを意識する
単なるWebデザインであれば、様々な手法や見せ方があり、その人のセンスや感性、経験などが活かされる側面もあります。しかしUIデザインにおいてはベースとなる原則があり、それに則って構築していく必要があります。それが以下の4項目です。
・ 近接
・ 整列
・ 対比
・ 反復
関連記事
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近接
近接は関連性の高い要素ごとに、それぞれ情報を分けてグループ化することです。情報がグループ化され分けられていると、同じ情報量でも乱雑に配置されているときと、そうでないときでは、ユーザーはより多くの内容を把握できるようになります。
整列
整列では要素ごとに情報を配置するルールを決め、ユーザーに分かりやすく整然と情報を並べていきます。
「近接」において関連性の高い要素ごとに情報を分けて配置しますが、それでもまだ単に分けて配置するだけでは、ユーザーが知りたい情報にたどり着きづらく、快適なUXとなるには程遠いのです。
そこで「整列」において、情報を整然とレイアウトすることにより、ユーザーの混乱を極力抑え、目的の情報までたどり着きやすくすることができます。
対比
対比ではWebページの視覚部分におけるメリハリをつける工程となります。
デザインの原則でコントラストとも言われますが、フォントなどに大小や強弱をつけることにより、強調したい内容とそうでない内容を区別して伝えることができます。
ページ内のフォントがすべて均一で表示されている場合、統一感こそ出るものの、伝えたい内容が伝わりづらいため、ユーザーが著者の意図を汲み取りにくくなるという側面があります。
そこでフォントにメリハリをつけ、見出しの配置などを工夫することで強調したい情報を端的に伝えることができます。
反復
反復では「近接」「整列」で整えたレイアウトを、同一パターンによりWebサイト全体で繰り返し表示させていきます。
同一パターンを繰り返すことで、ユーザーはその構成に慣れWebサイト内で混乱したり、迷ったりすることが少なくなります。
デバイスごとに最適化する
ユーザーが活用する主なデジタルデバイスはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどもあります。
PCで最適だったUIデザインがスマートフォンやタブレットでは崩れて表示されることもあるのです。
デバイスに応じてレイアウトを都度考慮し、場合によっては「AMP(Accelerated Mobile Pages)」を導入するなどの施策を考えます。
関連記事:
・レスポンシブの意味とは。Webデザイン上で気を付けること
・AMPの意味とは!Googleが求めるページスピードについて解説します!
まとめ
UIデザインは単なる視覚的なWebデザインではなく、ユーザビリティが考慮されている必要があります。
UI評価が高くなればUX評価も高くなり、引いては商品やサービスの総合的なCX評価も高くなることにつながります。
UIデザインを行う際にはしっかりと原則に則ったデザインを意識するようにしましょう。