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ブランドリフトとは?ブランディング広告の効果を把握する調査方法

2022.2.1
読了まで約 6

インターネット環境の整備やスマートフォンの急速な需要拡大は、私たちの暮らしに大きな変化をもたらしています。デジタルマーケティングがビジネスの主流になり時代の流れに乗る形で、多くの企業やマーケターの間でインターネット広告を活用する動きが高まりつつあります。

企業やマーケターは広告表示機会を利用して、手掛けるビジネスやサービスを最大限にアピールすることはもちろんですが、ブランドの見え方や企業の質をアピールするといった認知拡大を目的としたブランディングに力を注ぐ企業やマーケターも見られるようになりました。こうした流れは、一時的な販売額の増加や、販促の実施といったような短期間での広告施策を特化させる目的とは少し異なります。ブランド価値やブランド認知度を高めることに重点を置き、広告の表示を通しブランディングの向上を目標に掲げ、長期的に見た場合に大きな効果を発揮させる狙いもあるのです。

では、実際に広告の表示によって、「どの程度ブランディングができているのか?」または、「Web利用ユーザーにどのように影響を与えられているのか?」など、広告を利用する側にとってブランディングの効果測定は非常に気になる事であり、しっかりと把握したい部分でもありますよね。

ブランディングの効果を測定するには、広告目標に掲げたコンバージョン率やクリック率をもとに効果の測定を実施できるのではないか?と考える方も多いはずです。しかし、「広告表示によってどれほどブランディングできているのか?」といったような事例をコンバージョン率やクリック率の数値から算出し測定することは不可能です。

では、広告表示によるブランディングを測定するにはどうしたら良いのでしょうか。
このような事例を解決に導く方法として、「ブランドリフト」といわれる効果測定の指標が存在し注目を集めています。

本記事では、ブランドリフトとは?という部分から、ブランドリフトの基礎知識や、広告表示におけるブランディングにどのような効果をもたらすのかを詳しくご紹介していきます。

ブランディング広告とは

ブランドリフトをご紹介する上でブランディング広告とはどのようなものなのかを把握しておく必要があるため、簡単にご説明していきます。

昨今、多くの企業やマーケターの間でブランディング広告を活用し、提供するビジネスやサービスを拡大する動きが活発化されています。
ブランディング広告とは、自社で保有するビジネスやサービスを、さまざまな方法を用いて他社との差別化を図り、自社独自のビジネスやサービス価値を広告の表示を通してWeb利用ユーザーへ周知するツールとして利用されています。

そもそもブランディングとは、企業やマーケターが提供するビジネスやサービスを消費者に伝える際に、ブランド価値やブランドイメージをはじめ、商品やサービスなどあらゆる面を認知させ、好意的な印象を幅広く定着させることを意味します。

関連記事:ブランディングとは?マーケティングとの違いや効果、成功事例、手法も紹介

例えば、「この商品といえば名前を見なくてもあのブランドが思い浮かぶ」といったように、マーケット市場にブランドを浸透させることで、提供する商品が販売に繋がるまでの過程を自然に作り上げるといったことです。

ブランディング広告は、単に商品購入やお問い合わせ件数を増加させるような目的で運用が実施されるわけではなく、提供するビジネスやサービスに好意的な印象を寄与することにより、ブランド認知度を拡大するようなブランディングを高める目的で活用される広告手法を意味します。

ブランドリフトとは

ブランディング広告の効果を測定する指標にブランドリフトが存在します。ブランドリフトとは、企業やマーケターが提供するビジネスやサービスに対し、ブランディングに重きを置き広告を配信する場合に活用される指標であり、近年では注目を集めています。

配信したブランディング広告に接したユーザーグループと、接することのなかったユーザーグループの割合を比べることが可能であり、実際にブランディング広告に接した結果、そのユーザーグループにどのような効果が表れたのか把握することができるのです。
計測内容には広告効果により購買意欲やブランド認知度が、どの程度上昇したのかを計測できるといった特徴があります。

前述の通り、ブランディング広告の効果の測定には、コンバージョン率やクリック率を基に実際の効果を算出することが不可能であることをお伝えしました。しかし、ブランドリフト調査を活用することにより通常、測定が難しいとされた購買意向、認知度、広告想起、好感度などの効果を可視化できるといった利点が生まれるのです。

関連記事:事業のさらなる発展に繋がる『リブランディング』とは? 意味や成功のポイントを徹底解説

ブランドリフト調査方法

測定が難しいとされていたブランディング広告に、ブランドリフト調査を実施することで広告がもたらす効果を可視化できるようになり、さまざまな効果を測定できることが把握できました。ここからは、実際にブランドリフト調査がどのように実施されるのかをご説明していきます。

基本的にブランドリフト調査には、アンケート形式での調査方法が採用されています。アンケート調査を想像すると、紙面でのアンケート調査をはじめに思い浮かべた方も多いのではないでしょうか?ブランドリフト調査はインターネット上での広告効果を測定する調査方法であるため、紙面でのアンケート調査というわけではありませんが、デジタル化したアンケートとしてお考えください。紙面でのアンケート調査とニュアンスとしては非常に等しいものがあります。

ブランドリフトのアンケート調査の種類には「インバナーサーベイ」と「リードバナーアンケート」の2種類の調査方法が用意されています。

インバナーサーベイ

まず、インバナーサーベイについてご説明していきます。
日頃、YouTubeを視聴しているとデジタル化したアンケートが、画面上に表示される機会に遭遇したことがありませんか?
表示面には、課題とされる質問の表題がテキストで表示され、ユーザーに求める回答の選択肢がいくつか用意されている特徴があります。用意された回答の選択肢を動画視聴ユーザーはクリックすることが可能であり、ユーザーのクリック行動でアンケート結果を抽出するといったシステムが採用されています。

実際にブランディング広告に接したユーザーグループと、接することのなかったユーザーグループの割合をリアルタイムで比べることが可能であり、ディスプレイ広告がどのような効果を発揮したのかを測定することができるのです。

関連記事:ディスプレイ広告の種類は?リスティング広告との違いや基礎知識をご紹介

また、アンケートを表示するまでの過程において、別ページに遷移することなくディスプレイ広告内でアンケートの実施が完了するため、ユーザーの離脱を最小限に抑えることができます。このようなことから、インバナーサーベイのアンケート回答完了率は高いといった大きな特徴を持ちます。

一方、質問できる回数が少ないことや、実際のアンケート表示面が小さいことで、ユーザーが回答を選択しクリックを行う際にクリックミスが発生しやすく、アンケート回答精度が低くなってしまうといった事例もあるため利用の際には注意が必要です。

リードバナーアンケート

リードバナーアンケートの活用により、ディスプレイ広告によるブランディング効果を測定することが可能となります。調査の方法にはインバナーサーベイと同様に、アンケートによる調査方法が採用されています。前述の通り、インバナーサーベイはアンケート調査方法を用いて、アンケート回答までの過程を広告枠内で完了させるといった一貫性を持つ特徴がありました。

一方、リードバナーアンケートはアンケート回答ページが個別に用意されるため、Web利用ユーザーの意思決定によって、アンケートの回答を実施するかが決定されるといった特徴を持ちます。実際に、アンケート回答バナーをWeb利用ユーザーがクリックした際に、回答ページへ遷移しアンケート調査が実施されるシステムが採用されています。

リードバナーアンケートはWeb利用ユーザーの意思決定によって、アンケートの回答が実施されることから、アンケートに対する回答精度はインバナーサーベイと比較すると高くなる傾向があり、より正確な回答を必要とする場合に大きな効果を発揮することでしょう。
しかし、アンケート結果を抽出するまでの過程には、「回答するか、しないのか」の意思決定をWeb利用ユーザーへ煽らなくてはいけません。また、Web利用ユーザーの意思によりアンケートの回答が決定した際には、実際に表示されている回答バナーをクリックしてもらうといった行動が必要になってきます。このような事から回答の精度はある程度、担保されますが、アンケート回答まで過程にはWeb利用ユーザーに求める工数が多いことで、回答完了率に着目すると低くなるといった特徴があるのです。

ブランドリフト調査を実施できるプラットフォーム

ブランドリフト調査は、2種類のアンケート調査手法を用いることで広告効果を把握できることがわかりました。しかし、調査手法が理解できたとしても「アンケート調査をおこなう場所はどこ?」といった疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。
ここからは、実際にブランドリフト調査を実施できる代表的なプラットフォームをご紹介していきます。

Googleブランド効果測定

Googleが提供を行うブランド効果測定機能を活用すると、ディスプレイ広告や動画広告に対する、広告想起、ブランド認知度、購入意欲をはじめとするさまざまな指標の変化を測定することができます。実際の測定には、バンパー広告やインストリーム広告が使用でき、動画の再生前にYouTube上でブランドリフト調査のアンケートが表示される仕組みとなります。

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アウトストリーム動画広告とインストリーム動画広告の違いとは?

ただし、ブランド効果測定の利用開始には、Google社のアカウント(営業)担当者への問い合わせが必要となる利用制限があります。Googleアカウント担当者との連携が無い場合には、Googleブランド効果測定を利用することができないので注意しましょう。

Facebook

FacebookもGoogleと同様に、アンケート調査手法により広告想起やブランド認知度などの指標の変化を、ブランドリフト調査により測定することが可能であります。しかし、対象としたいすべての広告キャンペーンでブランドリフト調査が実施できるわけではなく、利用条件を満たした場合に実施が可能となるので覚えておきましょう。

LINE Ads Platform

現在、日本国内において高い利用率を誇るLINEですが、そのLINEが提供を行うサービスのLINE広告にもブランドリフトサーベイといわれるブランドリフト調査方法が用意されています。ブランド認知度や広告想起など、さまざまな指標を設定した調査が可能であります。実際に広告に接したユーザーグループと、接することのなかったユーザーグループの割合を比べ、抽出をおこない、その情報を基に連携する調査会社によりブランドリフト調査が実施されるのです。

まとめ

本記事では、ブランドリフトとは?という部分から、ブランドリフトの基礎知識や、広告表示におけるブランディングにどのような効果をもたらすのかをご紹介してきました。
測定が難しいとされた購買意向、認知度、広告想起、好感度などの指標を、ブランドリフト調査を活用することで、そのような指標の可視化が可能となり測定できることが分かりました。

現在、ブランディング広告の需要は高まりを見せ、混雑するインターネットビジネスから企業やマーケターが提供するビジネスやサービスの認知拡大を狙うには、ブランドリフト調査が重要な役割を果たし、今後も更に注目を集めることでしょう。
ブランドリフトの基礎知識をしっかりと理解し、ブランディング広告の効果を最大限に高めましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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