【コラム】マーケティングはなぜ必要なのか?企業におけるマーケティングの重要性

企業が顧客に自社の製品を購入してもらうまでには、製品開発、生産、営業、販売のプロセスがあり、マーケティングはそれらの機能を統合する役割を担っています。

ものがあふれ簡単には売れなくなった昨今、企業にとってマーケティングの重要性は増しています。マーケティングがなぜ必要なのかをあらためて考えてみましょう。

 

企業の存在目的とマーケティング

マーケティングが指す言葉の意味が使用される対象により異なることがあり、マーケティングを概念的に捉えている人も多いでしょう。

数年前より注目を浴びるようになったWebマーケティングの内容も多数の種類があり、専門用語が多いことも難しく感じる理由の一つです。

マーケティングが「市場調査(リサーチ)」「テレビCMや広告を使って製品を宣伝すること(プロモーション)」と混同されることもしばしばです。

リサーチやプロモーションはマーケティングの手法、機能の一部ですが、マーケティングそのものではありません。

日本マーケティング協会の定義では、

「マーケティングとは企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」

としています。

これをシンプルに言い換えると「企業がより多くの顧客に自社製品を販売し、継続して利益を得るための活動」といえます。

このように書くと、「マーケティングとはたくさんのものを販売するための企業が儲けるツール」と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。

そもそも企業が存在する目的は「儲けること」「利益を上げること」とではないのです。

製品を購入し企業に利益をもたらしてくれるのは顧客であり、利益至上主義の企業は、一時的に利益を上げたとしても徐々に衰退していくでしょう。

利益は企業が存続するための条件ではありますが、存在目的ではありません。

世界的に有名な経営学者であり、「マネジメント」の著者ピーター・ドラッカーの名言に

「企業の目的は顧客の創造である」とあります。

顧客というものは何が欲しいのかを実はわかっていないことがあります。

そのため、企業は市場を創り出し顧客の潜在的な要望を需要に換えていくことこそ、企業の目的であるとドラッカーは説いているのです。

マーケティングとは企業と顧客との相互関係のもと成り立つもの

ここで再び日本マーケティング協会のマーケティングの定義を見てみると、

「・・・顧客との相互理解を得ながら・・・市場創造のための総合的活動である」

とあります。

ここで重要なことは、企業だけでなく顧客も継続して利益を上げることだということです。

企業はコストよりも高い金額で製品やサービスを販売することで利益を得ていますが、顧客は「これを買ってよかった」「代金以上の価値を得ることができた」という満足感をもつことで利益を得ます。

企業、顧客ともに継続して利益を得ること、そのためのプロセス作りこそがマーケティングであり、必要とされる理由でもあります。

 

今なぜマーケティングが重要視されているか

それでは、マーケティングがなぜ今これほど重要性を持っているのでしょうか。

戦後、高度経済成長期の日本ではテレビ、洗濯機、冷蔵庫の「三種の神器」や他の電化製品、自動車が次々に売れました。

しかし現在は少子高齢化により経済活動は鈍くなり、またバブル崩壊後のマイナス成長時代への突入、リーマンショック後の不況等の影響も多きく、顧客の購買力、購買意欲も低下しています。

また現代社会は多種多様な品物が世にあふれている上に、市場環境や社会の変化もめまぐるしく、簡単にはものが売れない時代です。

さらにIT、インターネットの普及でビジネスモデルも変わり、大企業が行ってきたような従来のマーケティング手法は通用しなくなりつつあります。

派手な広告を出せば、また性能が良くて安いからといって必ずしも売れる時代ではなくなったのです。

そのため、今後企業が生き残り且つ成長していくには、製品をどのように販売するか、自社マーケティングをどのように確立させるかが大きなカギとなるのです。

 

マーケティングはマーケティング部門だけの業務ではない

マーケティングで重要なことは、マーケティング部門が単独で行うものではないということです。

「マーケティングの神様」とよばれるフィリップ・コトラーは、

「マーケティングとは、製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセスである」

と定義しています。

「価値の交換」とは、企業が顧客に製品を提供し、顧客は納得した上でその対価としてお金を払うという、前述した「企業と顧客の相互関係」を示しています。

注目すべき点は、マーケティングは「経営上のプロセス」であることです。マーケティングとは、製品開発からイメージ、ブランド戦略、広告・販売戦略まで企業内の各部門が関係する経営に直結したプロセスであるということです。

さらにマーケティングとはマネジメント、企業活動そのものである、とも言えます。

企業のトップがビジョンを決定し、ゴールを達成するために各部門が知識と経験を集結し、全体で取り組まなければならない重要なプロセスなのです。

 

マーケティングの理想は販売を不要にすること

「マーケティングの理想は販売を不要にすること」とドラッガーが述べているように、販売(営業・セールスなどの売り込み)をしなくても、顧客の要望を把握し、自然に売れる仕組みを作ることがマーケティングの最終的な理想と言えます。

販売が不要になれば営業コストが減り利益が増えます。顧客にとっても営業されて購入するのではなく、望むものを購入するのですから、双方にとって有益でしょう。

この理想を叶えるためにも、マーケティングを長期に捉えることが重要です。短期的な利益追求は、結果的に永続性につながりません。

企業が目指すものは何か、何を顧客に届けようとしているのかを明確にし、すべての企業活動を操縦しなくてはなりません。

そして、これこそが、企業が必要とするマーケティングと言えるのではないでしょうか。

 

まとめ

◆企業、顧客ともに継続して利益を得るためのプロセス作りがマーケティングである。

◆少子高齢化や不況の影響、市場環境や社会の変化、IT、インターネットの普及により、従来のマーケティング手法は通用しなくなりつつある。

◆企業が生き残り且つ成長していくには、自社マーケティングの確立がカギとなる。

◆マーケティングの理想は販売を不要にすることであり、そのためにも長期に捉える必要がある。

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