禁止や制限を加えることで、ユーザーのアクションを効果的に引き出す手法のベースにある人間心理を「カリギュラ効果」と呼びます。
人間のアクションは、人間特有の心理効果が大きく影響する場合があります。
BtoBマーケティングにおいても、企業担当者や決定権のある上席の心を動かすために、人間の心理効果を理解しておくとよいでしょう。
今回はカリギュラ効果に注目して、その仕組みとマーケティングでの活用方法を解説します。
カリギュラ効果とは?
カリギュラ効果とは、禁止や制限を加えられると、かえって興味を持ってしまう人間の心理効果を指します。
カリギュラ効果をわかりやすく説明するために、しばしば、昔話の「鶴の恩返し」や「浦島太郎」が使われます。
「絶対に開けてはならない」といわれると開けてみたくなる心理がカリギュラ効果なのです。
カリギュラ効果はなぜ起こる?
カリギュラ効果は、日常でもよく見られます。
人間は本来自分の行動は自分で決定し、人からの指示ではなく自由に行動したいという心理を持っています。
禁止や制限が加えられることにより、人間本来の自由を求める欲求が押さえつけられ、ストレスを感じるようになります。
ストレスを解消するために、人間は禁止や制限を破る行動を起こすのです。
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マーケティングでのカリギュラ効果活の活用法
カリギュラ効果は、マーケティングのさまざまな場面で活用されており、カリギュラ効果を採用することで、人間の心理に訴える施策が可能となります。
ここでは、代表的なマーケティングでのカリギュラ効果活の活用法を紹介します。
ターゲットに禁止・制限を加える
ターゲットに禁止・制限を加える方法は、カリギュラ効果活用の最も基本でしょう。
たとえば、Webマーケティングサイトで、ユーザーである法人担当者が、「個人情報を入力すると」詳しいデータをダウンロードできるという手法は、ターゲットである法人担当者に禁止・制限を加えています。
Webマーケティングサイトは、会社名、部署名、氏名、連絡先といったターゲットである法人の情報を会員登録で得ることができるわけです。
ターゲット以外に禁止・制限を加える
ターゲットに禁止・制限を加えるカリギュラ効果の応用が、「ターゲット以外に禁止・制限を加える方法」です。
たとえば、マーケティングのセミナーを開催するときに「マーケティングに興味のある人以外は参加できません」というコピーを発信する方法などがあげられます。
ターゲットは「マーケティングに興味のある人」なので、「マーケティングに興味のある人はご参加下さい」とするよりも、「マーケティングに興味のある人以外は参加できません」としたほうが、ターゲットにインパクトがある表現になります。
バーナム効果とミックスする
バーナム効果とは、誰にでもあてはまるような内容や現象を提示されることで、ユーザーが自分に当てはまると感じてしまうことです。
バーナム効果とカリギュラ効果のミックスは、マーケティングの施策ではよく使われます。
たとえば、研修やセミナーの案内で「マーケティングのすべてを理解している方の参加はお断りしています」といったコピーがあったとします。
「マーケティングのすべてを理解している方」といわれると、マーケティング初心者はもちろんプロの方でもすべてを理解しているとはいい切れないでしょうから、結果的に誰にでもあてはまるバーナム効果のある内容になります。
プラスしてカリギュラ効果で「参加はお断りしています」とターゲット以外に禁止・制限を加えているのです。
カリギュラ効果を活用するときの注意点
カリギュラ効果はすべてのクライアントに有効な手法ではない事は十分に理解しておく必要があります。
ターゲットとするペルソナが、カリギュラ効果を容認するユーザー層であるかどうかは、慎重に検討していきましょう。
カリギュラ効果の禁止事項は、インパクトが強烈すぎると、賛同する数が極端に減ってしまい、マーケティングとして考えると成功といえない施策になる可能性が大きくなります。
カリギュラ効果を活用するときには、「なぜ禁止・制限したのか」というネタ晴らしを必ずする必要があります。
カリギュラ効果を活用した、Webサイトや動画などのコンテンツは閲覧することで、「なぜ禁止・制限したのか」というユーザーの疑問が解決しないと、ユーザーにギャップやストレスを与えてしまい、マーケティングの成功である次のアクションに結びつかなくなってしまうのです。
まとめ
◆カリギュラ効果とは、禁止や制限を加えられると、かえって興味を持ってしまう人間の心理効果を指す
◆代表的なマーケティングでのカリギュラ効果活の活用法には、「ターゲットに禁止・制限を加える方法」「ターゲット以外に禁止・制限を加える方法」「バーナム効果とカリギュラ効果をミックスした方法」などがある