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オムニチャネルとは?取り組むメリットや成功のポイントを解説

2025.6.4
読了まで約 8

小売業を中心に事業を展開している企業であれば、「オムニチャネル」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。SNSの流行やスマートフォンの普及から、オムニチャネルはマーケティング戦略により欠かせないものとなっています。

しかし、「オムニチャネルという言葉は聞いたことあるけど、具体的な内容はよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、オムニチャネルの定義や導入のメリット、そしてオムニチャネル戦略を成功に導くためのポイントについて詳しく解説します。この記事を通じて、あなたも自社のマーケティング戦略にオムニチャネルを効果的に取り入れる方法を学んでいただけるでしょう。

オムニチャネルとは

まオムニチャネルとは、店舗やWeb・ECサイト、SNSなど、オンライン・オフラインのあらゆるメディアを活用し、連携させることです。

全てのチャネルを連携させるマーケティング戦略

オムニチャネルとは、店舗やWeb・ECサイト、SNSなど、オンライン・オフラインのあらゆるメディアを活用し、連携させることを言います。「オムニ」とは「全て」という意味を持ち、「チャネル」は「流通経路」や「販売経路」を意味します。

チャネルの例としては、以下のようなものが考えられます。

● 店舗
● Webサイト、ECサイト
● SNS
● アプリ
● メールマガジン
● カタログ
● ポスター
● チラシ
● イベント
など

これら全てのチャネルを活用して顧客との繋がりを強固なものにし、連携させることで商品・サービスの購入経路を意識させず、販売促進につなげる戦略がオムニチャネルです。

オムニチャネルの目的は、顧客に対して一貫性のある体験を提供し、どのチャネルを利用しても同じ品質のサービスを受けられるようにすることです。

例えば、顧客がスマートフォンでWebサイトを閲覧し、商品を検討した後に実店舗で実物を確認し、最終的にECサイトで購入するといった、シームレスな購買体験を可能にします。このような戦略により、顧客満足度の向上や売上の増加が期待できます。

関連記事:シームレスとは?IT・ビジネス用語としての意味や事例

オムニチャネルがなぜ取り入れられるのか

オムニチャネルが戦略として取り入れられるようになった主な要因は、スマートフォンの急速な普及と発展にあります。

従来の販売戦略では、チラシや広告などを通じて顧客を実店舗に誘導し、購買を促すことが中心でした。しかし、スマートフォンの普及により、消費者の行動パターンが大きく変化しました。今や多くの人々が、外出先でもWebサイトで商品情報を調べたり、SNSで商品の評判をチェックしたりするなど、手軽にインターネットを活用して情報収集や購買活動を行うようになりました。

このような消費者行動の変化に対応するため、企業はオムニチャネル戦略を採用し始めました。オムニチャネルでは、顧客の多様化する購買行動に合わせて、複数の販売チャネルを効果的に連携させることができます。これにより、顧客はどのチャネルを利用しても一貫した体験を得られ、自分に最も便利な方法で商品やサービスにアクセスできるようになります。

結果として、企業は顧客満足度の向上や販売機会の拡大を図ることができ、競争力の強化にもつながります。このように、オムニチャネルは現代の消費者ニーズに応える効果的な戦略として、多くの企業に取り入れられるようになったのです。

O2Oマーケティングとの違い

オムニチャネルと混同することが多いのが、O2Oマーケティングです。

O2Oとは「Online to Offline」の略で、Webサイトなどの「オンライン」から実店舗などの「オフライン」へと顧客を誘導するための施策を意味します。「オフライン」から「オンライン」も当てはまります。

例えば、以下のような施策がO2Oマーケティングです。

● Webサイト上で割引クーポンを発行し、実店舗に足を運んでもらう
● アプリで近隣店舗の情報を発信し、来店を促す
● 店舗に来店していただいたお客様に、オンライン限定商品の情報を伝える

O2Oは、特定のチャネルから特定のチャネルへと顧客を導く戦略ですが、オムニチャネルは「オンライン・オフラインのチャネルの境目をなくして販売を行う」ものになりますので、内容が異なります。オムニチャネルでは、顧客がどのチャネルを利用しても同じ体験ができるよう、すべてのチャネルを統合的に管理し、シームレスな購買体験を提供することを目指しています。

関連記事:O2Oマーケティングとは? オムニチャネルとの違いと成功事例

オムニチャネルのメリット

オムニチャネルを実施することで、企業は様々な利点を得ることができます。ここでは、オムニチャネル戦略を導入することによって得られる主要なメリットについて解説します。これらのメリットを理解することで、自社のマーケティング戦略にオムニチャネルを取り入れる価値を見出すことができるでしょう。

オムニチャネルの主要なメリットには、顧客満足度の向上、機会損失の防止、そして顧客分析の強化が挙げられます。これらのメリットは、企業の収益性向上や競争力強化に直接的に寄与する可能性があります。

顧客満足度の向上は、シームレスな購買体験を提供することで実現します。機会損失の防止は、適切な在庫管理と複数チャネルの連携によって可能となります。そして顧客分析の強化は、多様なチャネルから得られる豊富なデータを活用することで達成されます。

これらのメリットを最大限に活かすためには、綿密な計画と適切な実行が不可欠です。各メリットについてより詳細に解説していきます。

顧客満足度の向上

オムニチャネルの活用は、顧客満足度の向上に直結します。

例えば、オムニチャネル化によって、Web・ECサイトで購入した商品を実店舗で送料無料にて受け取ることができたり、実店舗に在庫がない商品を事前にWebサイトで確認し、入荷予約をWebサイトで申し込むことができたりなど、顧客の要望に沿った商品・サービスの提供が可能になります。

このような利便性の向上は、顧客の購買体験を大幅に改善します。オムニチャネルによって顧客満足度が上がれば、企業・ブランドに対する印象はさらに良くなり、リピーターとなっていただける可能性も高まります。各チャネルと連携することができるオムニチャネルだからこそ、実現できる顧客中心のアプローチと言えるでしょう。

さらに、オムニチャネルは顧客とのコミュニケーションの質も向上させます。例えば、店舗スタッフがタブレットを使用して在庫状況をリアルタイムで確認し、顧客に正確な情報を提供できるようになります。このような迅速で正確な対応は、顧客の信頼感を高め、ブランドロイヤリティの構築にも貢献します。

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機会損失を防ぐことができる

オムニチャネルの導入は、顧客にとってサービスの利便性を向上させるだけでなく、企業にとっても機会損失を防ぐ効果的な手段となります。オムニチャネルを実施することで、各販売チャネル間でのデータの正確な連携が可能となり、在庫管理の精度が大幅に向上します。

適切な在庫管理が行われていない場合、販売機会の損失につながる可能性が高くなります。例えば、実店舗には在庫がないにもかかわらず、Webサイト上では購入可能と表示されている商品があるとします。このような状況で、顧客が商品を購入しようとした際に実店舗で在庫切れに遭遇すると、その顧客は購入を諦めてしまったり、競合他社の店舗へ流れてしまったりする可能性が高くなります。

しかし、オムニチャネルを導入することで、実店舗とWebサイトの在庫情報が常に最新の状態で連携されるため、このような機会損失を最小限に抑えることができます。さらに、オムニチャネルの活用により、顧客が希望する商品が実店舗にない場合でも、その場でオンライン注文を行い、自宅や最寄りの店舗での受け取りを案内するなど、柔軟な対応が可能となります。

このように、オムニチャネルは単なる販売チャネルの統合にとどまらず、企業の売上機会を最大化し、顧客満足度を向上させる戦略的なアプローチとして機能するのです。

顧客分析を強化できる

オムニチャネルは、オンライン・オフライン両方で顧客の行動データを確認できるため、さらに顧客分析が強化できます。複数のチャネルを展開することで、顧客の情報を得る機会が格段に増えます。

例えば、どのような商品が実店舗で一番売れているのか、Webサイト上でどの商品が一番チェックされているかを確認でき、その情報を元に新たな販売戦略を立てることができます。また、顧客の購買履歴や閲覧履歴、問い合わせ内容などを統合的に分析することで、より深い顧客理解が可能になります。

さらに、オムニチャネルを通じて収集されたデータは、顧客のライフスタイルや嗜好の変化をリアルタイムで把握するのに役立ちます。これにより、顧客のニーズに合わせた商品開発やサービス改善にも活用できます。

オムニチャネルの展開で、自社商品・サービスの購買層に対する理解を深めることが可能です。この深い顧客理解は、パーソナライズされたマーケティングやサービス提供につながり、顧客満足度の向上と売上増加に貢献します。

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パーソナライズを把握して、ビジネスにも広告にも一歩進んだ取り組みを

オムニチャネル成功の5つのポイント

オムニチャネルは非常にメリットが多く魅力的ですが、手軽に実施できる戦略とは言えません。実施するには事前の戦略立てや準備が必要です。

ここからはオムニチャネルを実現し成功させるために、オムニチャネル成功のポイントを5つ解説します。これらのポイントを押さえることで、効果的なオムニチャネル戦略の展開が可能となります。

各ポイントは相互に関連しており、一体的に取り組むことが重要です。また、自社の状況や業界の特性に応じて、適切にカスタマイズしていく必要があります。

以下、5つのポイントについて詳しく見ていきましょう。これらを踏まえて、自社のオムニチャネル戦略を構築・実行することで、顧客満足度の向上や売上の増加につながることが期待できます。

ロードマップの策定

オムニチャネルに取り組む際、まずはロードマップの策定を行い、ゴールを設定しましょう。

ロードマップの策定では、自社の分析から競合他社の分析、顧客の分析から始めましょう。そして、オムニチャネルに取り組むプロジェクトの目的や最終的なゴール、割けるリソース、役割分担など、計画的に行うことが重要です。

また、オムニチャネルへの取り組みにあたって対応すべき内容は、自社の状況によって大きく異なります。例えば、顧客管理のシステムが導入されていなければ全社で導入を検討する必要がありますし、Webサイトやサイトがなければ制作を検討する必要があります。

さらに、オムニチャネルへの取り組みは様々なチャネルの対応が必要となるので、事前に「誰が」「何を」「いつまでに」実施するか明確にしておきましょう。プロジェクトのタスク・スケジュールを決めることも重要ですが、担当者をしっかりと決めておくことも欠かせません。

ロードマップの策定には、以下の要素を含めることが推奨されます。

1.現状分析: 自社の強みと弱みの把握(SWOT分析)や市場動向、競合状況の把握(3C分析
2.目標設定: 短期・中期・長期の具体的な目標の設定
3.実施計画: 各フェーズでの具体的な施策と実施時期の決定
4.リソース配分: 人員、予算、システムなどの必要リソースの見積もり
5.KPI設定: 進捗や成果を測定するための指標の決定
6.リスク管理: 想定されるリスクと対応策の検討

これらの要素を考慮しながら、自社の状況に合わせたロードマップを作成することで、オムニチャネル戦略の成功確率を高めることができます。

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カスタマージャーニーを考える

オムニチャネルに取り組むには、カスタマージャーニーが非常に重要となります。カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを知り、購入・利用意向をもって実際に購入・利用する道のりのことです。

オムニチャネルは多くのチャネルを連携させるので、購入の入口は多岐に渡ります。そのため、顧客がどのような入口から自社商品やサービスと出会い、初回購入を経てリピーターとして育っていってくれるのか、しっかりと分析・把握しておくことが大切です。

見込み顧客、初回購入顧客、優良顧客など自社との関係性に合わせて分析を行ってみましょう。顧客ごとにそれぞれ最適なアプローチが異なります。

また、カスタマージャーニーを考える際には、顧客の行動や心理の変化にも注目することが重要です。例えば、商品に興味を持った段階から購入を決定するまでの過程で、顧客がどのような情報を求め、どのようなチャネルを利用するのかを把握することで、より効果的なアプローチが可能となります。

さらに、購入後のアフターフォローや、リピート購入に至るまでのプロセスも含めて考えることで、長期的な顧客との関係性構築につながります。このように、カスタマージャーニー全体を俯瞰的に捉えることで、オムニチャネル戦略の効果を最大化することができるのです。

関連記事:カスタマージャーニーの基礎┃概念やマップの作り方、メリットまでわかりやすく解説

社内体制・組織体制の構築

企業や組織でオムニチャネルに取り組む際、社内体制・組織体制の構築が必要となります。

例えば、一般的な企業では営業部門やマーケティング部門、店舗部門、ネット販売部門、カスタマーサポート部門など、様々な役割に分かれている組織形態になっていることがほとんどです。

そのため、「誰が、何を、いつまでに実施」を決めて動かなければ、社内・組織はスムーズに動くことが難しいでしょう。オムニチャネルは、各チャネルで協力して事業発展の為に動いていく必要があるので、全社的に連携が必要となります。

また、全社でオムニチャネルに取り組むプロジェクトへの認識を共通・統一させ、運用を行っていくことが重要です。しっかりと、社内体制・組織体制の構築を実施しましょう。

さらに、オムニチャネル戦略を成功させるためには、部門間の壁を取り払い、情報共有を円滑に行える環境づくりが欠かせません。定期的な部門横断ミーティングの開催や、社内SNSの活用など、コミュニケーションを活性化させる取り組みも検討する価値があります。

データ連携とシステム整備

オムニチャネルを実現するためには、各チャネル間でのデータ連携とそれを支えるシステム整備が不可欠です。顧客情報や在庫情報、購買履歴などのデータを一元管理し、リアルタイムで共有できる環境を構築することが重要です。

具体的には、以下のような取り組みが必要となります。

1.統合データベースの構築: 全チャネルの情報を一元管理するデータベースを整備します。
2.APIの活用: 異なるシステム間でのデータ連携をスムーズに行うためのAPIを整備します。
3.クラウドサービスの導入: 柔軟かつスケーラブルなシステム構築のため、クラウドサービスの活用を検討します。
4.セキュリティ対策: 顧客データを安全に管理するためのセキュリティ対策を徹底します。
5.モバイル対応: スマートフォンやタブレットからのアクセスに対応したシステムを整備します。

これらのデータ連携とシステム整備により、顧客は様々なチャネルを自由に行き来しながら、一貫性のある体験を得ることができます。また、企業側も顧客の行動をより正確に把握し、適切なマーケティング施策を展開することが可能となります。

カスタマージャーニーの効果測定

オムニチャネルに取り組む段取りが組めても、売上の向上に繋がらなければ意味がありません。戦略を行った後は、当初考えていたカスタマージャーニーが問題なく当てはまっているか、オムニチャネルが効果的に働いているかを検証・測定しましょう。

もしも想定していた動きと違った場合は、軌道修正を行う必要があります。PDCAを行って顧客への理解を深め、より適したマーケティングを行っていくようにしましょう。

まとめ

今回の記事では、オムニチャネルの意味や実施するメリット、オムニチャネルを成功させるポイントについて解説しました。

自社サービスのオムニチャネル化は、事前の調査や分析をしっかりと行い、社内体制やシステムの整備をした上で施策を実践していくことが重要です。オムニチャネルの施策実施後も、きちんと分析・軌道修正を行っていきましょう。

オムニチャネルを成功させるためのポイントとしては以下の通りです。

● ロードマップの策定
● カスタマージャーニーを考える
● 社内体制・組織体制の構築
● データ連携とシステム整備
● カスタマージャーニーの効果測定

オムニチャネルの基本的な内容を理解して正しく実践することができれば、企業の発展にとって大きな影響を与えます。まずはできるところから取り組み、ぜひオムニチャネル化を進めてみてください。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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