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Webマーケティングとは?基礎知識や仕事内容、担当者に求められることをわかりやすく解説

2024.4.17
読了まで約 23

Webマーケティングの仕事内容とともに、基礎的な用語や、Webマーケティングの定義、特長、実施の手順、Webマーケティングに使えるツールやフレームワークなどをご紹介します。Webマーケターを志望しているマーケティング未経験者にもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事:DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や手法をわかりやすく解説

目次

はじめに

スマートフォンやSNSの普及に伴い、ユーザーが商品購入に至るまでの行動パターンは多様化・複雑化する一方です。インターネットでの情報収集や情報交換がこれまで以上に活発に行われるようになり、特に小売業・販売業においては、販売チャネルをこれまで主力だった実店舗のみならず、オンラインに移行させていく必要性に迫られています。

また、コロナ禍を経てIT化やDX化が劇的に進み、現代社会は大きなデジタル化の流れの中にあります。DXやオムニチャネルという言葉に象徴されるように、私たちの身の回りから次第にオフライン(リアル)がなくなり、オンライン化(デジタル化)してしまう「アフターデジタル」となる社会に転換しつつあります。

こうしたビジネスの大きな転換局面において、企業が力を入れるべき戦略の大きな柱として、「Webマーケティング」があります。Webマーケティングは、デジタル社会の中核をなすインターネットにおけるマーケティングとして、その重要度がますます高くなっています。

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Webマーケティングとは

以下ではWebマーケティングについて解説をしていきます。

● Webマーケティングの定義
● デジタルマーケティングとの違い

Webマーケティングの定義

Webマーケティングとは、Webサイトやブログ、SNSといったWeb媒体を活用したマーケティングのことで、主にWeb上で行われます。

さらに具体的に言うと、WebマーケティングはこれらWeb上におけるさまざまな媒体やサービスを活用し、「集客活動」や「販売活動」などを通して、ユーザーとの関係構築を含めた一連のビジネス活動のこと、と定義できるでしょう。

マーケティングの定義

マーケティングの定義は、主唱する研究者によって異なりますが、ここではもっとも著名な研究者であるピーター・ドラッカーとフィリップ・コトラーの残した言葉をご紹介します。

● ピーター・ドラッカーの残した言葉
● フィリップ・コトラーの残した言葉

の残した言葉

マネジメントの権威であり、経営学の父とも言われるピーター・ドラッカーは、「マーケティングの理想は、販売活動を不要にするものである」という言葉を残しました。つまり、顧客に向かって「買ってください」と販売活動をしなくても物が売れるのがマーケティングの理想である、ということです。

ドラッカーはまた、「マーケティング活動によって顧客のニーズを理解し、顧客に合った商品・サービスを提供することができさえすれば、売れる仕組みは自然にできあがる」とも述べています。これ以降、日本のマーケティングにおいても、「売れる仕組み」こそがマーケティングであるという考え方が根付きはじめました。

フィリップ・コトラーの残した言葉

現代マーケティングの第一人者と言われるフィリップ・コトラーは、「マーケティングとは顧客のニーズに応えて利益を上げること」という言葉を残しました。前提として、フィリップ・コトラーのマーケティングに対する定義は以下となっています。「製品と価値を生み出して他者と交換することによって、個人や団体が必要なものや欲しいものを手に入れるために利用する社会上・経営上のプロセスである。」

このフィリップ・コトラーの定義を要約して端的に表したのが、前述の「マーケティングとは顧客のニーズに応えて利益を上げること」という言葉です。この二人の先人の言葉に共通するのは、「顧客のニーズ」であり、これに応えるために顧客の立場に立って「売れる仕組み」を作ることがマーケティングの定義だと言えます。

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デジタルマーケティングとの違い

前述したように、Webマーケティングとは、主にWeb上で行うマーケティングのことです。マーケティングの基本的な活動に加え、WebサイトやWebサービスに顧客を呼び込み、販売やブランディング、サービスの浸透を促進するためのプロモーション活動全般を指します。

Webマーケティングと似たような概念として、「デジタルマーケティング」という言葉も広まっています。スマホアプリなどのメディアが発達したことに伴い、さらに幅を広げたマーケティングが可能になったことで生まれた言葉です。では、Webマーケティングとデジタルマーケティングには、どのような違いがあるのでしょうか。

対象とする範囲に違いがある

Webマーケティングとデジタルマーケティングは、どちらもWeb上でビジネス活動を展開するため、同じようなものだと捉えられています。実際、ビジネスの現場では明確に区別されずに戦略が立案されることもありますが、両者には「対象とする範囲」に違いがあります。まずWebマーケティングは、Webサイトをはじめ、ブログやSNSなどのWeb媒体を活用したマーケティングのことを指します。

一方デジタルマーケティングは、デジタル技術を活用した媒体で行えるマーケティング全般のことを指します。Webマーケティングで利用する媒体をはじめ、デジタルサイネージやスマートデバイス、ビッグデータおよびAIなど、デジタルにおけるあらゆる媒体やデータ、タッチポイントなどが範疇となります。

つまりWebマーケティングは、デジタルマーケティングの一部であると言えます。技術革新が進んでいる現在では、IoT関連技術の進化により、デジタルマーケティング導入の壁は低くなってきています。

図:デジタルマーケティングとWebマーケティングの違い

Webマーケティングでは、Webサイトのコンテンツを充実させることでユーザーを流入させ、購買などのアクションにつなげていきます。SEO対策やリスティング広告の運用、アクセス解析及びPDCAサイクルの改善などがその主な活動となります。つまり、「Web上で完結する」ことがWebマーケティングの範疇となります。

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Webマーケティングの目的

Webマーケティングを行う主な目的として挙げられる理由のひとつにインターネットの利用者数の増加があります。その背景には国をあげてのデジタル活用の推進、とりわけ総務省における総合的なICT政策の取り組みなどがあります。

こういった施策の成果もあり、2021年にはスマホの個人保有率は74.3%にのぼり前年比で5ポイント増加しています。そして年齢階層別インターネットの利用率は13歳から59歳までの各階層において9割を超えているデータも発表されています。

参考:総務省 令和4年「情報通信に関する現状報告」
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/summary/summary01.pdf)
つまりビジネスを行う上でWeb媒体はなくてはならないものになったのです。こういった時代背景からインターネット上で商品やサービスが売れるようになり、お金が動くようになりました。ここにビジネスチャンスである「Webマーケティング」という手法があり、これがWebマーケティングを行う主な目的でもあります。

Webマーケティングの重要性

Webマーケティングが重要とされる背景として、ネットショッピングなどのBtoC(企業対消費者)-EC(電子商取引)市場の急拡大があります。経済産業省の統計によると、2022年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前年比9.91%増)に拡大しています。

また、同年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模も、420.2兆円(前年327.7兆円、前年比12.8%増)に拡大しています。さらにEC化率は、BtoC-ECで9.13%(前年比0.35ポイント増)、BtoB-ECで37.5%(前年比1.9ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展していると考えられます。

しかしながらこの数字は、海外と比べるとまだまだ遅れているのが現状です。経済産業省の海外における調査によれば、アメリカのEC化率は約10%、中国では約35%を超えており、日本における9.13%はやはり普及が遅れていると言えます。

出典: 経済産業省 国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
(https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html)

今後も世界中でEC化が進んでいく中で、膨大な数のWebサイトからいかに自社のWebサイトを選んでもらえるか、そのための施策が喫緊の課題となっています。

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Webマーケティングのメリット・デメリット

Webマーケティングのメリットとデメリットについて解説します。

● Webマーケティングのメリット
● Webマーケティングのデメリット

Webマーケティングのメリット

Webマーケティングのメリットとしては以下が挙げられます。

● 迅速な対応が行える
● コストを抑えられる
● ターゲティングが容易

迅速な対応が行える

Webマーケティングは電子媒体や通信網を活用して行うため必要な作業を迅速に行えます。例えば広告を出稿する場合でも、リスティングサービスにログインしフォームに必要事項を入力後、配信ボタンを押すだけで当該Webサイトに表示されます。

一方紙媒体の広告である場合、企画を行ってから「印刷」「検品」「発送」などの工程があり、消費者の目に触れるまでに早くても数時間から1日程度は要してしまいます。こういったWeb媒体ならではの迅速さはWebマーケティングにおけるメリットのひとつと言えます。

コストを抑えられる

Webマーケティングではコストを抑えることができます。例えばリスティング広告やディスプレイ広告、動画広告といったWeb広告は数万円から数十万円程度の予算があれば成果が出る場合もあります。

またSNSを活用したセールスプロモーションを行う場合でも基本的に担当者の人件費がコストと捉えられます。これが紙媒体における広告である場合、発行部数の増加にともなって費用も数十万、数百万と上昇していきます。

参考:朝日新聞 広告料金表2024
(https://adv.asahi.com/mb/other/ad_info/asahi_adrate_2024_04.pdf)

こういった相場を比較すると、Webマーケティングはコストを抑えられるビジネスモデルと言えます。

ターゲティングが容易

Webマーケティングはターゲティングが容易にできます。Web広告をはじめ、WebサイトやSNSなどはすべてキーワードやコンテンツでアプローチするユーザーをコントロールできます。一方、新聞や雑誌をはじめとした紙媒体での広告やテレビ、ラジオを利用したいわゆるマス広告ではWeb媒体のように細かいターゲティングができません。

一般大衆に向けた配信しかできず、老若男女が利用する類の商品やサービスにしかその宣伝効果を発揮できません。こういった特性からWebマーケティングは他の媒体に比べてターゲティングが容易である特徴があります。

Webマーケティングのデメリット

Webマーケティングにはメリットが多い一方、デメリットもあります。それが以下の項目となります。

● 知識やスキル、経験が必要
● 結果が伴わないことも多い

知識やスキル、経験が必要

Webマーケティングでは、インターネットに関する知識やアクセス解析からユーザー動向を分析するスキル、PDCAを回してWebサイトを改善、補正できる経験が必要になります。これらの知識やスキル、経験は一朝一夕で身につけられるものではなく長期にわたる地道な作業・業務経験を要します。

結果が伴わないことも多い

Webマーケティングは誰でも簡単に始められますが、結果が出ることとは別問題となります。マニュアルに沿って手順通りにWebマーケティングを進めても、何かしらの要素が欠落しただけでうまくいかないことも多くあります。

こういったときに上述「知識やスキル、経験が必要」の項目でも解説したように「Webサイトを改善、補正できる経験」が必要となるのです。こういった大変さもWebマーケティングのデメリットのひとつと言えます。

Webマーケティングにおける顧客側のステップ

Webマーケティングにおける顧客側のステップは、以下の順となります。

● ステップ1.アクセス
● ステップ2.問い合わせ
● ステップ3.注文・成約

図:Webマーケティングにおける顧客側の3ステップ

ステップ1.アクセス

顧客が検索などを通じて対象サイトに入るまでが、第一段階の「アクセス」です。アクセスの手段としては、自然検索やネットのバナー広告、リスティング広告、ブログ、SNS、動画などがあります。

ステップ2.問い合わせ

顧客がサイトに滞留して問い合わせを行うまでが、「問い合わせ」のステップです。ここでは、滞留を図るための動線設計と分析改良、ランディングページ設置などの施策を行うことが多いフェーズとなります。ネット通販などのECサイトでは、この段階で取引が成立することもあります。

ステップ3.注文・成約

ユーザーが問い合わせを行い、商品やサービスを気に入れば、注文・成約となります。企業側は成約に至るまでの間、辛抱強くオファーのメールを送ったり、フォローの電話を入れたりすることもあります。

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Webマーケティングにおける企業側の4ステップ

Webマーケティングにおける企業側の4ステップは、以下の順となります。

● ステップ1.戦略立案
● ステップ2.集客施策
● ステップ3.接客施策
● ステップ4.リレーション施策

図:Webマーケティングにおける企業側の4ステップ

ステップ1.戦略立案

具体的な戦略を立案しないままWebマーケティングを進めると、表面的な施策ばかりに着目してしまいがちです。この状態のままWebマーケティング戦略を進行させると、時間の経過と共に戦略の方向性が見失われ、ゴールも見失ってしまいます。

貴重な経営資源を疲弊させないためにも、フェーズを細かく分けて段階的に捉えることが重要です。要所要所におけるフェーズとしては以下があります。

● ペルソナの設定
● 競合の洗い出しと分析
● 自社の強みや弱み、課題の把握
● 目標の決定
● KGIとKPI
● キャンペーンとコンバージョン

関連記事: 戦略と戦術の違いとは?マーケティングの具体例をご紹介

ペルソナの設定

まずはペルソナを設定します。自社の商品やサービスをどのようなユーザー層にアプローチしたいかを明確にし、ターゲット設定を行います。

そして、定まったターゲットに対してペルソナを設定していきます。設定内容には以下のような項目があります。

● 年齢や性別、年収や家族構成などの基本的な情報
● 一日の過ごし方
● 情報(メディアやSNS)との接し方
● 商品やサービスを購入する際に重視すること、その理由、解決したい不安や悩み

さらにBtoBの場合は、相手企業の業種や規模、担当者の役職や決定権の有無なども加えて考察します。

関連記事:ペルソナとは?ビジネスやマーケティングにおける分析方法を解説

競合の洗い出しと分析

ペルソナを設定したら、ターゲットが比較検討する対象となる競合他社の洗い出しと分析を行っていきます。競合他社の洗い出しを行うためには、ペルソナが実際に検索にかけると思われるキーワードを想定し、検索エンジンで検索してみます。

そして検索結果上位に表示されたWebサイトにアクセスし、どういった商品やサービスを提供しているのかを確認します。ここでWebサイトだけでなくSNSなども合わせて調べれば、どういったユーザー層を抱えているかも確認できるでしょう。

自社の強みや弱み、課題の把握

競合を分析するだけでなく自社の強みや弱み、クリアしなければならない課題についても把握する必要があります。例えば、自社の商品やサービスについてユーザー目線で俯瞰し、改善点を模索してみる、SNSや口コミサイトで自社はどのような評判になっているかを確認してみるなど、自社の強みや弱み、課題の把握を行っていきます。

目標の決定

適正な目標値の設定は、Webマーケティング施策において非常に重要なポイントとなります。目標値の設定には「KGI」と「KPI」を用います。またマーケティングフレームワークを活用することも有効です。

● KGIとは
● KPIとは
● マーケティングフレームワークの活用

KGIとは

KGIとは、「Key Goal Indicator(重要目標達成指標)」の頭文字を取ったもので、プロジェクトの最終目標値(成果)のことです。例えば、経営課題が「売り上げの伸び悩み」だった場合、KGIには「前年比売り上げ120%」といったような具体的な数値を設定します。

KPIとは

KPIとは、「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の頭文字を取ったもので、最終目標をクリアするために、小さな目標をどれだけ達成したかを測る指標となります。例えば、「売上120%というKGIを達成するために毎週50人の新規会員を獲得する」といったように、具体的な数値を設定します。このKPIをチェックすることで、最終目標に近づいているか否かが分かります。

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キャンペーンとコンバージョン

目標の設定にあたっては、「いつまでに」という期間も明確にしておく必要があります。例えば、「今年中には新商品のリリースを行う」「年度末までに目標値を達成する」など、具体的な時期とクリアするべき課題を設定しておきます。このような結果を得るために行う施策の単位は、「キャンペーン」と呼ばれ、一般的なキャンペーンという言葉が意味するものとは異なります。

リスティング広告などでは、この「キャンペーン」が一番上の階層として表示され、最初に設定するべき項目となります。各キャンペーンのさらに下の階層で設定するのが「コンバージョン=CV」です。CVとは、いわゆる「成果」のことであり、Webサイトにおいて成約につながった「結果」となります。

ユーザーが「商品を購入する」「資料をダウンロードする」「予約を取る」など、そのWebサイトにおける役目が達成されたとき、「CVにつながった」と言えます。CVの指標としては、概ね以下のような項目を設定します。

● 商品やサービスの購入
● 資料のダウンロード
● 契約の成立
● 問い合わせ完了
● 会員登録
● メールマガジン登録、など

また、キャンペーンの目的が「情報をなるべく多く露出したい」というようなケースでは、ページの閲覧数をCVに設定することもあります。

関連記事:コンバージョンやCVRが伸び悩んだ時こそ、基本に立ち返ろう

図:KGIとKPIで目標管理を行う

マーケティングフレームワークの活用

WebサイトでCVを獲得するためには、マーケティングのフレームワークを活用することもひとつの手段として有効です。

フレームワークとは、予め用意された雛形のようなもので、フェーズごとの要素を当てはめながら全体的な、あるいは部分的なマーケティング戦略を導き出していきます。

こういったフレームワークを活用することにより、最適な戦略を立てやすくなります。ビジネスにおけるフレームワークには、主に以下のようなものがあります。

SWOT分析
3C分析
4P分析
● 特性要因図(フィッシュボーン図)、など

関連記事:フレームワークとは何か?思考を整理しビジネスを進めていくための枠組みを解説

ステップ2.集客施策

Webマーケティングにおいて、自社のWebサイトにユーザーを呼び込む集客施策に取り組むことは非常に重要なステップです。これには主に以下のような方法があります。

● SEO
● SNSの運営
● SNS広告
● リスティング広告
● アフィリエイト広告
● アドネットワーク広告
● リターゲティング広告
● メールマーケティング

SEO

SEOとは、「検索エンジン最適化」のことで、GoogleやYahoo!、Bingなどの検索エンジンにおいて、自社のWebサイトが検索結果で上位表示されるように施策を行うことです。有料広告やSNSといった媒体を使用せずに、オーガニック検索のみからの集客を狙います。

検索結果の表示をより上位にするために、検索エンジンの運営会社がそれぞれ定めている評価基準を調査し、Webページ内のどこにどのようなキーワードを配置するかなどを細かく設定していきます。

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SNSの運営

SNSを運営してユーザーとコミュニケーションを取ることにより、フォロワーを増やして集客を行っていきます。この施策では、自社に関する情報はもとより、商品やサービスの情報、お得情報などを発信しながらユーザーとコミュニケーションを取れることが強みと言えます。

対象となるユーザー層や取り扱う商品によっては、検索エンジンを経由することなく、SNS内において商品やサービスが購入される場合もあります。

関連記事: 企業が取り組むSNSマーケティングとは?SNSマーケティングを強化する企業が増加(株式会社タナベ経営)

SNS広告

FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNS内において広告を配信していきます。SNS広告は、ユーザーによって広告が拡散されるので、費用がかからないことや拡散力の高さが大きな魅力と言えます。またセグメント分けされたユーザーに広告を出稿することが可能なため、広告内容も絞り込むことができます。

リスティング広告

リスティング広告とは、広告料を支払うことで、検索結果ページ上部の特別なスペースに、自社のテキスト広告を表示してもらえるというものです。

課金と設定を行い、審査に通れば自社のWebサイトのテキスト広告が表示されるようになります。即日から表示されることもあり、アクセス急増が期待できます。

しかし、広告の掲載はオークション形式で決定されるため、競合よりも低い金額だと広告自体が表示されないこともあります。

関連記事:リスティング広告の基礎知識を解説。メリットや特徴とは?

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、「成果報酬型広告」のことを指します。「商品が購入された」「資料が請求された」「会員登録された」など、何らかの成果が発生した場合に報酬が発生します。

広告主からの広告を一括管理している「ASP=アフィリエイトサービスプロバイダー」と呼ばれる仲介業者とユーザーが提携することで、ユーザーは広告タグを利用できるようになります。この広告タグは、ユーザーのWebサイトやブログなどに設置され、そこから集客されるという仕組みです。

アドネットワーク広告

アドネットワークとは、複数のWebメディアに広告を配信できるネットワークのことです。アドネットワーク広告を利用すれば、広告を掲載したいWebサイトを一つひとつ訪問する手間を省くことができます。多くのメディアから情報発信できるので、より多くのユーザーの目に触れることが期待できます。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは、ユーザーが過去にリーチしたWebページの情報をもとに、別のWebサイト上で再度広告を表示するシステムです。Webサイトを訪問した実績のあるユーザーは、少なからず自社に対して関心がある場合が多いことから、何度もアプローチを行う仕組みとなっています。追いかけるように表示するため、「追跡型広告」とも言います。

関連記事: 追跡型広告の適切な活用でユーザーの購買意欲を高める方法とは

メールマーケティング

メールマーケティングは、メールを活用したマーケティング手法です。メールを利用してユーザーとのコミュニケーションを図ることにより、集客につなげていきます。またステップメールなどを利用し、ユーザーの属性ごとに最適化された内容を各タイミングで送信し、商品やサービスなどをアプローチしていくという手法もあります。

例えば、商品やサービスの購入を検討しているユーザーに対して、購入の決め手になるような魅力的な情報やキャンペーン情報などを配信することでクロージングをかけていく、というやり方です。

図:Webマーケティングの主な施策

ステップ3.接客施策

接客施策では、集客したユーザーに自社の商品やサービスの魅力を感じてもらい、お問合せや実際の購買行動につなげるなど、具体的なアクションを起こしてもらうための施策を行います。主に以下の項目の改善を図っていきます。

● コンバージョン率の改善
● 直帰率の改善
● 離脱率の改善

コンバージョン率の改善

「コンバージョン率=CVR(コンバージョンレート)」は、当該WebサイトからどれだけCVが発生したかを表す数値です。Webサイトへのアクセス数やWebサイト内における広告のクリック数が多くても、CVRが高くないとCVにはつながりません。

そのようなときに有効な施策が、「LPO(Landing Page Optimization)=ランディングページ最適化」です。LPOは主に、Webページ内の記事コンテンツにおける構成やデザイン、リンクの配置などを見直し、CVRを改善するための施策です。

直帰率の改善

直帰率とは、ユーザーがWebサイトに訪問してきた後、すぐに他のWebサイトへ移動してしまう割合のことを指します。つまり、直帰率が高いということは、訪問してきたユーザーが満足できるようなコンテンツがWebサイト内になかったと判断できます。

こういった場合はLPOを行ったり、ユーザーの属性にマッチしたコンテンツを追加したりすることで改善する可能性があります。

関連記事:直帰率とは?離脱率との違いと目安、改善方法をわかりやすく解説します

離脱率の改善

離脱率とは、ユーザーがWebサイトに訪問しWebサイト内を回遊したあと、そのWebページを最後に他のWebサイトへ移動してしまった割合を指します。離脱率の高いWebページは改善の余地があるため、LPOを行ったり、コンテンツを見直したりして改善を行っていきます。

関連記事:BtoBサイトにおける最適なEFOとは?

ステップ4.リレーション施策

リレーション施策では、CVにつながったユーザーとコミュニケーションを取り、良好な関係を構築していきます。そのためには「CRM(Customer Relationship Management)=顧客関係管理」により、しっかりとユーザーの情報管理を行う必要があります。

既存ユーザーを大切にすべき理由のひとつとして挙げられるのが、「1:5の法則」です。新規ユーザーを獲得するためには、既存ユーザーの5倍のコストがかかるとされており、このような理由から既存ユーザーを大切にする必要があるのです。

関連記事:CRMとは何か?知っておきたいSFAとの違いやCRMツール導入の注意点まで徹底解説

Webマーケティングに必要なアクセス解析と有効なツール

ここからは、Webマーケティングに必要なアクセス解析と有効なツールをご紹介します。

● Googleアナリティクス
● Googleサーチコンソール
● Googleキーワードプランナー
● Looker Studio(旧Google データポータル)
● Page Speed Insight

Googleアナリティクス

Googleアナリティクスは、Googleが提供するアクセス解析ツールです。無料で高機能なので、企業から個人まで幅広く使われています。訪問者数や閲覧ページ数、サイト内移動経路などが確認でき、さらに以下のようなデータも得ることができます。

● ページビュー
● 訪問(セッション)数
● 直帰率
● 回遊率
● ユーザーの閲覧環境(端末やOSの種類など)
● 流入経路

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Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールは、「訪問したユーザーが検索したキーワード」や「エラーが表示されるページ」など、Googleの検索結果におけるWebサイトのパフォーマンスを分析できます。また、Googleアナリティクスと連携することにより、ユーザーの行動を分析することもできます。

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Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、一定期間におけるキーワードの検索回数や、競合性のあるキーワードなどが調べられます。利用するにはGoogle広告へのアカウント登録が必要ですが、ツールの利用は無料です。

関連記事:キーワードプランナーとは。活用方法を徹底解説します

Looker Studio(旧Google データポータル)

Looker Studio(旧Google データポータル)は、ビジネス分析情報を可視化できるツールです。リアルタイムに反映されたさまざまなデータをレポートとして作成できます。Looker Studio(旧Google データポータル)はクラウドサービスとなっており、権限が付与されたメンバー同士で情報を共有できます。レポートの作成と共有は、PDCAを回して業務を改善していくためには必要不可欠な工程と言えるでしょう。

図:WebマーケティングのPDCA

Page Speed Insight

Page Speed Insightは、フォームにURLを入力することで、そのWebサイトの表示速度を計測しスコアとして評価してくれるツールです。さらに、評価が低い項目の改善案を提示してくれたり、アクセス解析機能もついていたりなど、非常に使い勝手の良いツールになっています。

関連記事: PageSpeed Insight(ページスピードインサイト)の使い方を徹底解説!WEBサイトの表示速度を改善する方法

Webマーケティングを成功させるポイント

Webマーケティングを成功させるためには、控えめな目標と長期的な計画が奏効します。主に以下の項目に留意してWebマーケティングを進行させます。

● 現実的な目標を設定する
● 中長期目線で計画をたて段階的に取り組む
● Webサイトには高品質のコンテンツを投入する

現実的な目標を設定する

Webマーケティングは作業量に応じて必ずしも結果が伴うものではないため、目標値を実現可能と予測できる範囲内で設定することが重要なポイントとなります。

トラフィックやアクセス数などから鑑みて、明らかに実現できない成約数を設定するなどしても目標を達成できないばかりか、Webマーケティング自体が途中で頓挫することにもなりかねません。そういったことにならないためにも、まずは達成できそうな目標設定を行います。

中長期目線で計画をたて段階的に取り組む

Webマーケティングはやり始めてすぐに結果が出るといったものではありません。日々Webサイトを運営していく中でPDCAを回しながら効果測定を行い、アクセス解析情報を地道に蓄積していきます。

そして蓄積したアクセス解析の情報をもとに、Webサイトの改善及びトライアンドエラーを繰り返していきます。こういったことからWebマーケティングを少しでも成功に近づけるためには、中長期目線で計画をたて段階的に取り組む姿勢が必要となります。

Webサイトには高品質のコンテンツを投入する

Webマーケティングを成功させるためには、SEO観点からも施策を行う必要があります。特に重要なのがWebサイトには高品質のコンテンツを投入することです。高品質とは豪華絢爛という意味ではなく、いわゆる「ユーザーのためになるコンテンツ」のことです。

ユーザーの役に立つコンテンツでWebサイトを充足させることで、Webサイトにおけるユーザーの滞在時間や回遊率、CVR(コンバージョンレート)などが伸びていきます。結果、こういった要素の数値が高いWebサイトほどSEOに強くなっていきます。

Webマーケティングの仕事内容

Webマーケティングの仕事内容は非常に多岐に渡ります。ざっくりと分けるだけでも以下のようにさまざまな項目があり、複数のフェーズをひとりで掛け持ちするケースも多くあります。

● ペルソナ設定
● カスタマージャーニーマップ設計
● 競合分析(PPM分析)
● SWOT分析
● KPI・KGIなどの目標設定
● CV設定などの戦略立案と整理
● コンテンツマーケティング
● SEO対策
● 各種広告運用
● SNS運用などの集客施策、
● Web解析ツールなどを使用した分析
● 改修・改善などのPDCA施策
● インサイドセールスなどと連携したリードナーチャリング施策

ペルソナ設定

ペルソナ設定は、Webマーケティング戦略を展開していくための最初のフェーズとなります。上項目「Webマーケティングにおける企業側の4ステップ」では、「ステップ1.戦略立案」での仕事内容となります。ペルソナとよく混同されがちな言葉に「ターゲット」がありますが、ビジネス戦略では分けて考えられています。

ターゲットは、単に顧客をセグメント分けし、大まかな属性としてひとまとめにする一方で、ペルソナはターゲットよりもさらに具体的に絞り込んだひとりの顧客像となります。また、実在するか否かという点も大きな違です。ターゲットは実在する集団ですが、ペルソナは必ずしも実在する人物ではありません。以下がその事例です。

■ターゲット例
● 40代男性
● 会社員
● 東京都港区在住
● ドライブと釣りが趣味、など

■ペルソナ例
● 年齢:42歳
● 性別:男性
● 勤務先:Webマーケティング支援会社
● 職種:Webディレクター兼Webマーケター
● 役職:係長
● 職歴:2年前に広告代理店より現企業へ転職
● 居住地:東京都港区芝公園1丁目在住
● 家族構成:妻40歳、娘3歳
● 住居:〇〇駅から自転車で20分の河川敷沿いにある2LDK鉄骨造マンション、など

カスタマージャーニーマップ設計

カスタマージャーニーマップとは、設定したペルソナの行動や思考、感情といった要素を時系列に沿って分析し、「可視化=見える化」したマップのことです。

具体的には、ユーザーが商品やサービスを知ってから、何を思い、何に魅力を感じてそれを購入するのか、といった事案を図としてまとめていきます。

ユーザーが商品やサービスを知ってから購入するまでの道のりを、「旅=ジャーニー」に見立てていることから、このような名前が付けられています。

関連記事
カスタマージャーニーマップとは!マップの正しい作り方を解説!
ペルソナとは?ビジネスやマーケティングにおける分析方法を解説
ペルソナ設定で知っておきたい意味やメリット/注意すべきポイントとは?活用法も解説

競合分析(PPM分析)

ペルソナが決定したら、次に行うべき仕事が競合分析です。こちらも「ステップ1.戦略立案」のフェーズで行います。競合分析を行う際に利用するフレームワークのひとつに、PPM分析があります。

この分析では、市場成長率と市場占有率の2軸から商品やサービス、事業内容などを分類していき、自社及び他社の立ち位置を把握できます。Webマーケティングではこういった競合他社を知ることも重要な仕事のひとつです。

関連記事:PPM分析とは? マーケティングの基本戦略策定フレームワークを解説

SWOT分析

PPM分析を一通り終えたら、次は市場動向や経済情勢における立ち位置から自社の強みや弱みを把握していきます。ここでは、自社にどういった要素があれば他社に勝てるのか、どの要素が足りなくて他社に負けるのか、といった自社の現状について分析していきます。

そのためにはSWOT分析というフレームワークを利用します。SWOTとは以下の4つの頭文字を取った略語となります。

● Strength :強み(内部環境)
● Weakness :弱み(内部環境)
● Opportunity:機会(外部環境)
● Threat :脅威(外部環境)

こういったフレームワークを活用し、自社にできることや足りない要素などを詳しく把握することも、Webマーケティングの仕事となります。

関連記事: SWOT分析とは?やり方や分析例を図とテンプレート付きで簡単に

KPI・KGIなどの目標設定

SWOT分析を行い、自社に何ができるのかがわかってきたら、次は目標を決定します。適正な目標値の設定は非常に重要で、高過ぎる目標を掲げても達成が難しくなり、逆に低過ぎても自社に必要な利益は期待できません。

この目標値を適切に設定するための指標が「KPI」と「KGI」です。「KPI」は「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」という意味です。最終目標の達成のために積み重ねるべき小さな目標となる指標です。

そして「KGI」は、「Key Goal Indicator」の略称で、「重要目標達成指標」という意味です。いわゆるプロジェクトの最終目標値で、売上高や成約件数などが定められることが多い指標です。これらについては、上項目の「ステップ1.戦略立案」で詳しく解説しています。こういった重要な指標の設定も、Webマーケティングの仕事となります。

CV設定などの戦略立案と整理

「ステップ1.戦略立案」の最後では、CVの設定も行っていきます。CVは言わば、そのWebサイトにおける「成果」のことで、企業側が目的としていたユーザーの具体的な行動が行われたことを意味します。

「商品が購入された」「資料がダウンロードされた」「サービスが契約につながった」など、Webサイトの役目が達成された場合の指標となります。詳しくは「ステップ1.戦略立案」で解説しています。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、「ステップ2.集客施策」のフェーズにある仕事です。プロジェクトのプロセスの中でも、もっとも地味で大変な作業と言えるでしょう。Webサイトにユーザーを呼び込むために、ユーザーにとって有益な多くのコンテンツを長い時間かけて投入していきます。

コンテンツとは、記事や画像、動画などのことを指しますが、とりわけコンテンツマーケティングにおいては、Webサイトに投入していくコンテンツは「記事」がメインとなります。

SEO対策

コンテンツマーケティングを行っていくと同時に、SEO対策にも力を入れていきます。いくらユーザーにとって有益と思える記事コンテンツを投入しても、その記事コンテンツにSEO対策が施されていなければ、ユーザーの検索結果には表示されません。

コンテンツはユーザーにとって有益であると同時に、検索エンジンにも好かれるように施策を行う必要があるのです。こういったSEO対策も、Webマーケティングの仕事のひとつです。

各種広告運用

ドメインパワーが弱く、どうしてもオーガニック検索によるユーザーの流入が見込めない場合は、各種有料広告を運用することもひとつの手段となります。

「ステップ2.の集客施策」でも解説している通り、有料広告にはリスティング広告をはじめ、リターゲティング広告やアドネットワーク広告、SNS広告などさまざまな仕組みのものが提供されています。

自社の商品やサービスにとって最適な広告システムを選定・運用することも、Webマーケティングの重要な仕事のひとつとなります。

SNS運用などの集客施策

コストをかけずに行えるSNSの運用は、マーケティング戦略を行う上で欠かせない施策となります。Webサイトが有益なコンテンツを発信することが主な目的の媒体とするならば、SNSはユーザーとコミュニケーションを取ることが主目的である媒体と言えます。

検索エンジンを経由せずに商品やサービスの購入につなげられる可能性もあり、使い方によっては非常に有効な媒体となります。

Web解析ツールなどを使用した分析

Web解析ツールなどを使用した分析も、Webマーケティングの重要な仕事です。どういったユーザーがWebサイトへ訪れ、どのような行動を取ったのかを分析することで、ユーザーの特性に合わせたコンテンツを重点的に発信することができます。

ユーザーの行動を分析するためには、「Googleアナリティクス」や「Googleサーチコンソール」といった解析ツールを使用します。そして、ユーザーの行動に即したコンテンツが配信できるように、「キーワードプランナー」を利用しキーワードを探し出していきます。これらは上項目「Webマーケティングに必要なアクセス解析と有効なツール」でも解説しています。

改修・改善などのPDCA施策

コンテンツマーケティングにおいても、PDCAを回して改善点を見つけ出すという工程は必要です。PDCAとは、以下の頭文字を取った略語です。

● Plan:計画
● Do:実行
● Check:測定および評価
● Action:対策と改善

このプロセスを順に循環させることにより、業務のクオリティを高めていくことができます。一通りプロジェクトの作業を終えた後の検証作業もまた、重要なWebマーケティングの仕事のひとつなのです。

インサイドセールスなどと連携したリードナーチャリング施策

リードナーチャリング施策は、「ステップ4.リレーション施策」のフェーズにあるもので、PDCA施策と同じく、一通りプロジェクトのプロセスを終えた後の作業になります。

このフェーズでは、インサイドセールスを行うと同時に、ユーザーとのコミュニケーションを図り、既存ユーザーにリードナーチャリング施策を行っていきます。いわゆる「ホットリード」や「LTV(Life Time Value)=顧客生涯価値」の高いロイヤルカスタマーを獲得するための施策となります。

「ステップ4.リレーション施策」でも解説している通り、「1:5の法則」により、新規ユーザー獲得には既存ユーザーの5倍のコストがかかるため、リードナーチャリングはユーザーを囲い込むための重要な施策となります。

関連記事:リードナーチャリングとは?意味や手法、4つのプロセスを解説

Webマーケティング担当者に求められること

Webマーケティング担当者はブランディングや集客、アクセス解析によるサイト改善など、多岐にわたる作業工程をこなす必要があり、必要とされるスキルも必然的に多くなります。主に以下はWebマーケティング担当者にとって基本的に必要なスキルとなります。

● データ分析能力
● コミュニケーション能力
● デジタルやマーケティングの知識

データ分析能力

Webマーケティングが従来のマーケティングと大きく異なる点は「数値で結果が分かる」ところです。デジタルが普及する以前の従来のマーケティングは、販売活動の多くを営業担当者に依存することも多く業務の属人化により顧客情報は企業内で共有されることはあまりありませんでした。

ですがWebマーケティングではほとんどの工程でユーザーの行動をデータとして取得できます。つまりユーザーの行動を可視化できることにより正確な統計が取れるのです。こういった取得できたデータを分析しWebマーケティングに活かすのがWebマーケティング担当者です。そのため基本的なデータ分析能力は必要不可欠となります。

コミュニケーション能力

Webマーケティング担当者はコミュニケーション能力も必要です。Webマーケティングは非常に多くのフェーズがあり、1人ですべてを行うことはできません。そういった特性から、WebディレクターやWebデザイナーなどと連携し、業務を円滑に進行できるコミュニケーション能力が必要となります。

デジタルやマーケティングの知識

Webマーケティングはオンラインで行うため、マーケティングの知識の他にもデジタルに関する知識が必須となります。エンジニアのような高度なデジタル知識は必要ないまでも、デジタル媒体に関する基礎的な知識は必要不可欠となります。

Webマーケティング関係の資格

実務経験がなくても、Webマーケティングの仕事に興味のある人は多いでしょう。未経験者でも、WebデザイナーやWebディレクターなど、マーケティング周辺業務の経験があればWebマーケティング職として採用されるケースは多々ありますが、関連する資格を持っていると、転職の際にさらに有利になる可能性があります。以下では、Webマーケティング関係の資格について解説します。

● ネットマーケティング検定
● Webアナリスト検定
● Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

ネットマーケティング検定

ネットマーケティング検定は、Webマーケティングの基本を習得し、そのスキルを実証するための検定です。出題形式はリモートWebテストとなり、在宅で受験ができます。

Webアナリスト検定

Webアナリスト検定は、立案したWeb戦略を成功に導くための全般的なスキルを身につけ、実務レベルで行えることを実証する検定です。検定はオンラインではなく、検定実施会場で行われます。

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)

Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)は、Googleが実施しているもので、Googleアナリティクスをどれだけ扱えるかを示す検定です。試験料は無料で、かつ在宅で受験できます。ただし、合格しても資格の有効期間は12ヶ月となっており、それ以降は資格が失効します。

Webマーケティング講座・スクール一覧

以下では、おすすめのWebマーケティング講座やスクールなどをご紹介します。経験者でもリスキリングしたい人にはおすすめのものになっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

● Googleデジタルワークショップ(無料)
● Schoo(スクー)のマーケティング講座各種
● Schoo(スクー)のWebマーケター研修(法人向け)
● テックアカデミーのWebマーケティングコース
● デジハリ・オンラインスクールのWebマーケティング基礎講座【入門】
● インターネットアカデミーのWebマーケティング講座
● マケキャンby DMM.comのWebマーケティングスクール
● アガルートアカデミーのWeb担当者養成プログラム

Googleデジタルワークショップ(無料)

Googleデジタルワークショップでは、AIやコーディングといったデジタルスキルをオンライン形式で学べます。「デジタルマーケティングの基礎」「プログラミングの基礎」「機械学習の基礎」など、主に基礎講座が豊富です。

Schoo(スクー)のマーケティング講座各種

Schoo(スクー)のマーケティング講座では、マーケティングに関するスキルや知識が身につけられる、およそ497の授業があります(2023年11月時点)。マーケティングに関することが網羅されており、経験者でもリスキリングにはおすすめの講座となります。

Schoo(スクー)のWebマーケター研修(法人向け)

Schoo(スクー)のWebマーケター研修(法人向け)では、ビジネスの現場で即戦力として活躍できるマーケターの育成を行っています。階層別研修となっており、新入社員研修から管理職研修まで、幅広い年代に対応している内容になっています。

テックアカデミーのWebマーケティングコース

テックアカデミーのWebマーケティングコースでは、パーソナルメンターがつくオンライン学習システムが提供されています。挫折しないよう講習と並行して、週に2回のマンツーマンメンタリングも行われます。

デジハリ・オンラインスクールのWebマーケティング基礎講座【入門】

デジハリ・オンラインスクールのWebマーケティング基礎講座【入門】では、約1ヶ月かけてWebマーケティングの基礎を動画授業で学ぶことができます。

インターネットアカデミーのWebマーケティング講座

インターネットアカデミーのWebマーケティング講座は、Webマーケティングの基礎知識からSEOノウハウ、SNSマーケティングまでを一通り学べる内容になっています。「ライブ授業」「マンツーマン授業」「オンデマンド授業」の3つのスタイルをうまく組み合わせて進行していきます。

マケキャンby DMM.comのWebマーケティングスクール

マケキャンby DMM.comのWebマーケティングスクールは、講師全員を現役Webマーケターから起用しており、実践スキル豊富な講師陣によるクオリティの高い講習が受講できます。「転職コース」と「学習コース」があり、学習コースは講師とのマンツーマン指導でみっちりと教えてもらえます。

アガルートアカデミーのWeb担当者養成プログラム

アガルートアカデミーのWeb担当者養成プログラムは、現役のマーケターが未経験者でも就職可能なレベルにまで引き上げてくれる講座内容になっています。Web担当者として、ビジネスの現場で活躍できる人材を育成するためのプログラムです。

Webマーケティングの用語集

Webマーケティングの業界では非常に多くの専門用語が使われています。Webマーケティングの業務に就く人は、これらの用語を覚え、実務レベルで使いこなせるようにする必要があります。そのためにも、まずはWebマーケティングの用語集に一通り目を通すことをおすすめします。

マーケティング用語集はこちら

まとめ

本記事では、Webマーケティングの定義や実施方法、活用できるツールなどについて解説しました。EC市場の拡大により、Webマーケティングの重要性は今後ますます高まっていくと予想されます。Webマーケティングにおいて既存ユーザーの存在は何より重要で、そのためのリレーション施策は時間をかけてしっかり行う必要があります。

リスキリングとしてWebマーケティングについて改めて学びたい場合は、本記事でご紹介した講座やスクールなどを一度調べてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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