パンフレットとリーフレットの違いについて、正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。そこで、本記事ではパンフレットとリーフレットの特徴や、それぞれの用途について解説します。
また、これからパンフレットを作ろうと考えている人にも役立つように、パンフレット・リーフレット以外の紙媒体の特徴や、パンフレット・リーフレットを作るステップについても解説していきます。
商品やサービスの宣伝、施設紹介などで紙媒体を作成しようと考えている人は、ぜひ本記事を参考にして、目的に合ったものを作ってください。効果的な情報発信のツールとして、パンフレットやリーフレットを活用することで、より多くの人に自社の魅力を伝えることができるでしょう。
目次
パンフレットとリーフレットの違いとは?
パンフレットとリーフレットは、どちらも宣伝や案内などの目的で作られる印刷物ですが、両者には明確な違いがあります。多くの人がこの違いを正確に理解していないのが現状です。本記事では、パンフレットとリーフレットそれぞれの特徴や用途について詳しく解説していきます。
また、これからパンフレットやリーフレットの作成を検討している方に役立つ情報として、これらの印刷物以外の紙媒体の特徴や、パンフレット・リーフレットの制作プロセスについても説明します。
商品やサービスの宣伝、施設紹介、イベント告知など、様々な目的で紙媒体の作成を考えている方は、ぜひ本記事を参考にして、目的に最適な媒体を選択し、効果的な情報発信を行ってください。
パンフレットとは?
パンフレットとは、ビジネス、マーケティング、広告、教育、政治などの目的で使用される、折り畳まれた複数のページを持つ印刷物のことです。
「パンフレット」という単語は、12世紀頃のヨーロッパの詩人「パンフィルス」の名前が語源で、パンルフィスの詩が人気となって、薄い本のような形で印刷されて出回ったことが由来であると言われています。その後、宗教の布教活動に用いられたり商業利用されるようになったりと、様々な用途で使われるようになりました。
ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)では、パンフレットを「表紙を除いて 5 ページ以上 48 ページ以下の不定期の印刷物」と定義しています。
出典:ユネスコ公式ホームページー図書、新聞及び定期刊行物の生産及び流通に関する統計の国際標準化に関する改訂勧告
パンフレットの特徴
パンフレットの特徴は以下の通りです。
● 複数のページで構成されている
● 高品質な紙質で印刷されている
● リーフレットより詳細な情報が印刷されている
● 見開きレイアウトが使われることがある
● サイズはA4サイズ以上である
このような特徴から、多くの情報を伝えたい場合に適しています。パンフレットは、製品やサービスの詳細な説明、会社案内、学校案内などで活用されることが多く、読者に深い理解を促すのに効果的です。また、高品質な紙質を使用することで、掲載される情報の信頼性や重要性を視覚的に伝えることができます。
パンフレットの用途
パンフレットは、以下のような用途のために作成されます。
● 製品やサービスの宣伝
● 会社案内
● 大学や専門学校などの学校案内
● 病院やクリニックの案内
上記の他にも、様々な用途のために作成・利用されています。例えば、観光地やイベントの案内、非営利団体の活動紹介、新製品のローンチ資料、投資家向け情報提供など、幅広い分野で活用されています。パンフレットは、複数ページにわたって詳細な情報を提供できるため、読者に深い理解を促すことができます。
リーフレットとは?
リーフレットとは、一枚の紙に簡潔な情報が印刷された小冊子のことです。
「リーフレット」という単語の語源は、「leaf(葉)」という単語から派生しました。15世紀中頃、文書は手書きで、一枚一枚の紙を束ねて綴じることが一般的でした。そこから、一枚の紙に書かれた文書が印刷された小冊子として配布されるようになり、それが「leaflet」と呼ばれるようになりました。
リーフレットは、その簡潔さと手軽さから、様々な場面で活用されています。主に商品やサービスの紹介、イベントの告知、観光案内などに用いられ、短時間で効果的に情報を伝達する手段として重宝されています。
リーフレットの特徴
リーフレットの特徴は以下の通りです。
● コンパクトなサイズ
● 簡素な情報
● パンフレットよりも印刷コストが安い
● ポスティングに適している
● 目的に合わせた印象的なデザイン
このような特徴から、伝えたい情報を端的にまとめ、コストを抑えて大量に配布したい場合に適しています。リーフレットは一般的に1枚の紙を折りたたんで作られるため、手軽に持ち運びやすく、読者にとっても扱いやすい媒体です。また、限られたスペースを効果的に活用するため、重要な情報を簡潔に伝えることができます。デザインの自由度も高く、目を引くビジュアルや印象的なキャッチコピーを使用することで、読者の注目を集めやすいという利点もあります。
リーフレットの用途
リーフレットは、下記のような用途のために作成されます。
● 商品やサービスの紹介
● イベントの告知や案内
● 観光地の案内
● 政治活動のアピール
● チラシやパンフレットの補足情報の提供
● キャンペーンの宣伝
● 飲食店や美容室などのメニューの案内
● 新商品のプロモーション
リーフレットは、パンフレットに比べてコンパクトで手軽に作成・配布ができることから、広告や宣伝、イベント告知など、多様な用途に使用されます。特に、短期的なキャンペーンや限定的な情報を伝える際に効果的です。また、コストを抑えつつ大量に配布できるため、幅広い層へのアプローチに適しています。
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パンフレットとリーフレット・その他の違い
パンフレットやリーフレットは、見る人に商品やサービス、イベントなどの情報を詳しく知ってもらうために使われる紙媒体です。パンフレットやリーフレットと同じように、読者に情報を伝える紙媒体には、他にも以下のようなものがあります。
● カタログ
● チラシ
● ブックレット
● フライヤー
これらの紙媒体は、それぞれ異なる特徴や用途を持っています。パンフレットやリーフレットと比較すると、情報量、サイズ、配布方法などに違いがあります。以下では、パンフレットやリーフレットと、上記の紙媒体との違いについて、それぞれ順番に解説していきます。これらの違いを理解することで、目的に応じた適切な紙媒体を選択することができるでしょう。
カタログとの違い
パンフレット・リーフレットとカタログとは、以下の点で違いがあります。
● 内容の詳細度
● ページ数
● 配布方法
パンフレット・リーフレットは短い文章や写真、イラストで構成されていることが多く、商品やサービスの概要や特徴を伝えるだけにとどまりますが、カタログは商品やサービスの詳細な情報を掲載し、読者が製品を選ぶための情報源として使われます。
ページ数もパンフレット・リーフレットが数ページ程度であるのに対して、カタログは多くのページから構成されています。また、パンフレット・リーフレットは、店舗やイベント会場などで配布されることが多く、カタログは主にオンラインストアや直販の場での配布が一般的です。
カタログは、すでに受注確度の高いお客様へ情報提供するためのツールであると言えるでしょう。
チラシとの違い
パンフレット・リーフレットとチラシとは、以下の点で違いがあります。
● サイズ
● 内容の詳細度
● 目的
● 配布方法
チラシのサイズはパンフレット・リーフレットよりも小型で、A4サイズ以下の小さな紙片で作られることが多いです。内容も、パンフレット・リーフレットより内容の詳細度は低く、情報量が少ないため、パンフレット・リーフレットのように概要説明を目的とするのではなく、お知らせや告知が主な目的です。
チラシは、郵送や新聞折り込み、販売店舗での配布など、幅広い方法で配布されます。一方、パンフレット・リーフレットは、店舗やイベント会場、学校、公共機関、観光案内所、セミナーなどで配布されます。
ブックレットとの違い
パンフレット・リーフレットとブックレットとは、以下の点で違いがあります。
● サイズ
● 内容の量
● 目的
● ページ数
● 配布方法
ブックレットのサイズは、パンフレット・リーフレットよりも大きく、A4サイズ以上の大きな用紙を折り畳んで作られ、厚みもあります。内容の量も多く、パンフレット・リーフレットと比べてより詳細な情報や写真、イラスト、グラフ、図表などが多く掲載されています。
また、ページ数も多く書籍に近いイメージで、より詳細な情報を読者に伝える目的で配布されます。パンフレット・リーフレットのように、店舗やイベント会場、学校、公共機関、セミナーなどで配布されることはなく、企業の株主、顧客、取引先、投資家、報道関係者などに送付されることが多いです。
フライヤーとの違い
パンフレット・リーフレットとフライヤーとは、以下の点で違いがあります。
● サイズ
● 内容の量
● 目的
● ページ数
● 配布方法
フライヤーのサイズは、パンフレット・リーフレットのサイズと比べると小さく、A5サイズ以下の小さな用紙を使って作られることが多いです。そのため、内容の量も限られており、目的も割引クーポンやキャンペーンの告知、イベントの案内やコンサートのチケットとしてよく使われます。
ページという概念はなく一枚ものの紙媒体で、前述のチラシのように、郵便や新聞折り込み広告などを通じて大量に配布されることもあります。フライヤーは短期的な情報伝達に適しており、即時性や一過性のある内容を効果的に伝えるツールとして活用されています。
パンフレットとリーフレットを作るステップ
最後に、パンフレットやリーフレットを作ろうと思ったとき、どのようなステップで制作すればよいかを解説します。パンフレットやリーフレットを作る際には、以下の5つのステップを踏むことが重要です。
● ペルソナを明確にする
● コンテンツを明確にする
● デザインを考える
● 予算を明確にする
● 作成後に随時改善を図る
これらのステップを順番に踏むことで、効果的なパンフレットやリーフレットを作成することができます。各ステップには重要な意味があり、一つ一つ丁寧に進めていくことが大切です。特に、ペルソナの明確化は最も重要なステップであり、ここをしっかりと押さえることで、その後のステップがスムーズに進むでしょう。
それでは、これらのステップについて順番に詳しく解説していきます。
ペルソナを明確にする
ペルソナとは、パンフレットやリーフレットの読者層のことです。パンフレットやリーフレットを作るときは、まず初めにペルソナを明確にすることが大切です。
なぜなら、どのような人に向けた媒体なのかをハッキリさせることで、軸がブレることなく伝えたい相手に確実に伝わるコンテンツを作成できるからです。もし、ペルソナが明確になっていなければ、コンテンツもぼやけたものになり、効果的なパンフレットやリーフレットが作れません。
ペルソナを明確にすることは、パンフレットやリーフレットを作る過程で、最も重要なステップだと言えます。
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コンテンツを明確にする
ペルソナが明確になったら、次はペルソナに向けたコンテンツを明確にしていきます。コンテンツは、いわゆる「誰に何を伝えたいのか」の「何を」の部分であり、パンフレットやリーフレットの内容そのものです。
ただ単に伝えたいコンテンツを考えるだけでなく、どのような書き方や見せ方をすれば読者の印象に残るかを考えることも大切です。明確なコンテンツによって、読者が情報をより簡単に理解し、望ましいアクションを起こしやすくなります。
コンテンツを明確にする際は、以下の点に注意しましょう。
- 主要メッセージの設定: パンフレットやリーフレットを通じて伝えたい最も重要なメッセージを決定します。
- 情報の優先順位付け: 重要度に応じて情報を整理し、読者にとって最も関心のある内容を前面に出します。
- 簡潔さと分かりやすさ: 複雑な情報は簡潔に要約し、専門用語は可能な限り避けるか、説明を加えます。
- ストーリー性: 単なる事実の羅列ではなく、読者を引き込むようなストーリー性のある構成を心がけます。
- 視覚的要素の活用: 文字情報だけでなく、グラフ、チャート、イラストなどを効果的に使用し、情報の理解を促進します。
これらの点に注意しながらコンテンツを作成することで、より効果的なパンフレットやリーフレットを制作することができます。
デザインを考える
コンテンツが明確になったら、どのようなデザインにするかを考えていきます。デザインの善し悪しによって、読者への訴求力や読みやすさが変わってきます。
パンフレットやリーフレットにおけるデザインでは、特に「色」と「構図」が大切です。適切な色使いと構図によって、読者の目を引き、情報を効果的に伝えることができます。また、ブランドイメージや商品・サービスの特徴を視覚的に表現することも可能となります。
デザインを検討する際は、ペルソナや伝えたいメッセージを常に意識し、それらに合ったデザイン要素を選択することが重要です。さらに、読みやすさや視認性を確保しつつ、印象に残るデザインを目指すことで、より効果的なパンフレットやリーフレットを作成することができるでしょう。
色
色は、パンフレット・リーフレットの印象や雰囲気を大きく左右する要素の一つです。色を使い分けることで、商品・サービスの特徴や魅力を引き立たせたり、ペルソナへの効果的なアピールが期待できたりします。
例えば、赤色は情熱的なイメージを持ち、商品やサービスのアピールポイントを強調する効果があります。一方、青色は安心感や信頼性をアピールする色として使われることが多いです。
配色のバランスを考慮し、適切な色を選ぶことが大切です。色を多用しすぎたり、バランスが悪かったりすると、読者に不快な印象を与えることがありますので注意が必要です。
構図
パンフレットやリーフレットの構図は、デザインの全体的なバランスや読みやすさ、視覚的な印象を左右する重要な要素です。構図が整っているデザインは、読者にとって見やすく、情報を分かりやすく伝えることができます。
レイアウトや配色と合わせることで、商品やサービスの魅力を強調できるでしょう。例えば、見出しや写真、図表をバランスよく配置することで、読者の視線を誘導できます。また、重要な情報を目立つ位置に配置したり、余白を効果的に使用したりすることで、メッセージの伝達力を高めることができます。
構図を考える際には、配色やフォント、写真の大きさや配置、文章の長さなどを全体的に見渡し、読者にとって見やすく、魅力的なデザインになるように工夫することが大切です。さらに、ターゲットとなる読者層や伝えたいメッセージの内容に合わせて、適切な構図を選択することも重要です。
効果的な構図の例として、以下のようなものがあります。
- Z型レイアウト:人の目の動きに沿って、左上から右下へと情報を配置する
- グリッドレイアウト:情報を整然と格子状に配置し、秩序立った印象を与える
- 非対称レイアウト:意図的にバランスを崩すことで、読者の注目を集める
これらの構図を適切に活用することで、パンフレットやリーフレットの訴求力を高め、より効果的な情報伝達が可能になります。
予算を明確にする
コンテンツとデザインが決まったら、次は予算を明確にします。パンフレットやリーフレットの制作には、デザイン費、印刷費、配布費用などが必要です。これらの費用を事前に把握し、適切な予算配分を行うことが重要です。
予算を決める際には、以下の点を考慮しましょう。
- 印刷部数
- 用紙の質や厚さ
- カラー印刷かモノクロ印刷か
- 特殊加工(箔押しや型抜きなど)の有無
- デザイナーへの外注か社内制作か
また、配布方法によっても費用が変わってきます。例えば、郵送での配布を行う場合は郵送料を、イベントでの配布を行う場合はスタッフの人件費などを考慮する必要があります。
予算を明確にすることで、制作の規模や方向性を適切に決定でき、効果的なパンフレットやリーフレットを作成することができます。ただし、予算を抑えすぎると品質が低下する可能性があるため、目的やターゲットに合わせて適切な予算設定を心がけましょう。
作成後に随時改善を図る
いよいよパンフレット・リーフレットが完成して配布され始めたら、その後も随時改善を図っていきます。「作って配布して終わり」ではなく、配布後の効果測定も大切です。
読者の反応はどうなのか、配布後に商品やサービスの注文が増えたのかなどを確認し、その結果に基づいて今後のパンフレット・リーフレット作成に役立てましょう。
随時改善を図ることは、読者と良好な関係を作ったり、ビジネスにとってより良い成果を生み出したりすることにつながります。
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まとめ
本記事では、パンフレットとリーフレットの違いや特徴、用途について解説しました。
広告や宣伝、商品紹介や施設紹介などで利用される紙媒体には、パンフレットやリーフレット以外にも様々なものがあります。それぞれの特徴を把握し、ペルソナと目的に合った紙媒体を作成することが大切です。
パンフレットやリーフレットの作成を検討している人は、本記事を参考にしながら、読者の心に響く効果的なツールを作ってみてください。
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