KW選定等が問題ないのにコンバージョンしない最大の原因は「LPやクリエイティブ」にあります。確認すべき必須ポイントを解説します
第1回ではマインドセット、第2回ではアカウント構築と、広告管理画面内の土台づくりをお伝えしてきました。最終回となる今回は、管理画面の外にも目を向けます。
「キーワードも入札設定も問題ないはずなのに、コンバージョンにつながらない」
これまで私は数多くの広告運用者と接してきましたが、この悩みを抱える方は少なくありません。原因はLPとクリエイティブにある場合も多いです。
ユーザーは広告をクリックした瞬間に自分が求めている商品サービスかを判断し、違うと感じれば数秒で離脱してしまいます。つまり、キーワード選定やアカウント設計が問題なくても、入口となるクリエイティブや、受け皿となるLPがズレていればコンバージョンにはつながりづらいです。
この記事では、10年間300業種、1,000アカウント以上の広告を運用してきた私の経験から、離脱につながりやすいLPとクリエイティブの「あるある」を解説します。
ご覧いただければ、コンバージョンを大きく取りこぼすLPやクリエイティブでの配信を避けられるはずです。
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目次
LP編:コンバージョンを逃すあるある失敗例
LPはユーザーが広告をクリックした直後に目にするページです。ここでの第一印象が「自分の求めていたものと違う」と判断されてしまうと、離脱されコンバージョンにはつながりません。
ここからは、コンバージョンを逃しやすいLPのあるある失敗例を紹介します。
ファーストビューで何の商品・サービスかわからない

最も致命的なのが「何の商品・サービスかわからない」です。ページを開いた瞬間に何の商品・サービスの広告なのかがわからなければ、すぐ離脱されてしまいます。当てはまる場合、今すぐ修正してください。
ファーストビュー(ページを開いた瞬間にスクロールなしで目に入る範囲)は、ユーザーがそのページを読み進めるか離脱するかを決める最重要エリアです。
あるあるとしては、おしゃれなキャッチコピーやイメージ画像を優先するあまり、肝心の商材が伝わらないLPは少なくない印象です。
たとえば「あなたの未来を変える、最高のソリューション。」というキャッチコピーだけがファーストビューに表示されていたら、何のサービスかわかるでしょうか。わかりませんよね。
ファーストビューには「何のサービスか」を端的に伝えるテキストを必ず入れてください。サービスが給湯器交換なら「給湯器交換」。経理代行なら「経理代行」と大きく表示してください。
検索広告は顕在層(編注:自分の悩みを明確に認識している顧客層)からコンバージョンを獲得するのが主な役割ですので、抽象的なコピーは不要です。何の広告かをストレートに表現してください。
誰に向けたサービスかが伝わらない
商材が何かわかっても、自分に適したサービスだと感じてもらえなければ離脱につながります。
たとえば経理代行サービスのLPなら、「経理業務に課題を感じている方へ」よりも、「経理担当者の退職でお悩みの方へ」の方が、その状況にいる方は自分のことだと感じます。結果、該当のユーザーが一定数いれば、問い合わせが増えるでしょう。
ターゲットを広く取ろうとしてぼんやりした表現にすると、結局誰にも共感されにくいLPになってしまいます。「このサービスは自分に関係がある」と感じられる表現を意識しましょう。
ただしターゲットを絞りすぎると反対に取りこぼす要因になりますので、絞り込みすぎには注意してください。
CTA(お問い合わせボタン等)が遠い・少ない・目立たない
ユーザーが問い合わせてみようかなと思った時に、お問い合わせボタンや資料請求ボタンなど、ユーザーにアクションを促すCTAボタンがすぐ見つからなければ、気持ちが冷め、離脱につながります。
よくあるのが、ページの一番下にしかCTAがないパターンです。これだと途中で気になると思っても、長くスクロールしないとたどり着けませんので、離脱率が高まる要因になります。
CTAはファーストビュー・ページ中盤・ページ下部の最低3箇所には配置することをおすすめします。また、背景に埋もれる色のボタンや、文字が小さすぎるボタンも見落とされます。ページ内で最も目立つ要素がCTAである状態を目指してください。モバイル用のLPではフッターを追従させるのがおすすめです。
オファーが弱い・ない
オファーとは、ユーザーに約束する取引条件のことです。有名な例を挙げると、「30分以内にアツアツのピザが届かなければ無料」。ドミノ・ピザはこのオファーをきっかけに大きく拡大しました。
割引、特典、保証など形式はさまざまですが、共通しているのは「この条件なら試してみてもいいかも」とユーザーの背中を押す効果があるという点です。他には以下のようなものがあります。
・初月無料
・2点購入すればもう1点プレゼント
・満足できなければ全額返金
・30日間無料でお試し可能
オファーが弱い、あるいはそもそもオファーが存在しないLPは多いです。サービスの魅力をどれだけ丁寧に伝えても、最後の一押しとなるオファーがなければ、ユーザーは「良さそうだけどまた今度でいいか」と離脱する可能性が高くなります。
特に競合と機能や価格で大きな差がつけにくい商材ほど、オファーの強さがコンバージョン率を左右します。「自社が提供できる、ユーザーにとってリスクが下がる条件は何か」を考えてみてください。初回割引、無料トライアル、返金保証など、ユーザーがこれなら申し込んでみたいと感じられるオファーをLP上で打ち出しましょう。
実績・事例・口コミなどの社会的証明が少ない
ユーザーは「本当にこのサービスは大丈夫なのか?」という不安を抱えながらLPを見ています。この不安を解消してくれるのが、社会的証明と呼ばれる第三者の評価です。
導入企業数、導入事例、お客様の声、受賞歴、メディア掲載実績などがこれに該当します。特に自分と似た立場の人が満足している事例は、コンバージョンを強く後押しします。メインターゲットの口コミは積極的に掲載するようにしてください。
社会的証明がない、あるいはページの下の方に目立たず設置されているLPは少なくありません。ファーストビューや、CTAの直前など、印象が決まる部分やコンバージョン直前に配置しましょう。
社会的証明の収集には手間がかかるので後回しにされることも多い印象ですが、手を抜かず対応することを強くおすすめします。
顕在ニーズに応えるコンテンツが不足している
顕在ニーズとは、ユーザーが自分で自覚しているニーズのことです。このニーズに応えるコンテンツがLPになければ、離脱に直結します。
たとえば「経理代行」で検索した人は、経理代行サービスを探しています。ニーズは人それぞれですが、代行サービスがいくらかかるのか、対応範囲はどこまでか、契約期間はどのくらいか、といった情報はほぼ全員が知りたいはずです。これらがLP上に記載されていなければ、ユーザーはわかりづらいと感じ、離脱につながります。
費用、対応範囲、納期、導入までの流れなど、コンバージョンする上で必要な情報がLPに揃っているかチェックしてみてください。漏れがあれば追加してください。
なお、あえてこれらの情報を伏せて資料請求に誘導するテクニックも存在します。ただし、その分だけ営業工数が増加する点には注意が必要です。
また、知りたい情報を出し惜しみされたユーザーの心証は良くないと感じます。弊社オンジンのビジョンは「関わる人全員を家族と同じように大切にする」ですので、私個人としてはユーザーに不親切な設計は推奨していません。
関連リンク:ミッションとは?ビジョンとの違いやなぜ必要なのかを解説
自社を選ぶべき理由がわかりづらい
ユーザーはほぼ確実に競合他社のサービスも比較検討しています。その中で「なぜこのサービスを選ぶべきか」がLPから読み取れなければ、選ばれる確率は下がります。
ここで注意していただきたいのは、何でもいいから他社と違うことを打ち出すという訳ではないことです。ユーザーにとって価値がある差別化でなければ意味がありません。
たとえば「業界唯一の○○機能搭載」と言われても、その機能がユーザーの課題解決に関係なければ選ぶ理由にはなりません。大切なのは「ユーザーのニーズを満たす形での差別化」、つまりバリュープロポジション(顧客に提供する独自の価値)を提供することです。
ユーザーが求めていて、かつ競合が提供できていない価値をLPで明確に打ち出しましょう。
関連資料:【無料テンプレ配布】「売れない」を「売れる」に変える!バリュープロポジションキャンバス【マーケター・サービス開発者必携】
機能の説明だけでベネフィットの言及が抜けている
機能とベネフィットの違いは、LPの説得力を左右する重要なポイントです。機能の説明だけでは商材の魅力が伝わりづらく、コンバージョン率の低下につながります。
たとえば、AIを活用した経理効率化サービスがあったとします。
● 機能:AIが自動で請求書を読み取ります
● ベネフィット:手入力の手間がなくなり、毎月10時間の経理作業を削減できます
機能だけ書かれていても「へぇ、便利そうだな」で終わりがちですが、ベネフィットまで言及されていれば「毎月10時間も浮くなら問い合わせてみよう」とコンバージョンにつながりやすくなります。
機能はサービスが「何をするか」、ベネフィットはユーザーが「何を得られるか」です。ユーザーが最終的に欲しいのは機能そのものではなく、その先にある変化や成果です。
LP上で機能説明だけになっていないか確認してみてください。それぞれの機能がユーザーの生活や業務をどう良くするのかまで伝えましょう。
フリー素材だらけで信頼感が薄い
毎日LPを見ている私の職業病も影響しているかもしれませんが、フリー素材の写真が多用されたLPは、リテラシーが高めのユーザーには「なんとなくうさんくさい」という印象を与える可能性があります。
たとえば日本のBtoBサービスなのに、笑顔の外国人ビジネスパーソンのフリー素材が並んでいたら「なんか怪しいな」と違和感を覚える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、すべての素材をオリジナルで用意するのは難しい場合もあるでしょう。ですが、代表者やチームメンバーの写真、実際のサービス画面のスクリーンショット、お客様の顔写真付きの事例など、自社固有の素材を1つでも入れるだけで信頼感は大きく変わります。
この会社は実在していて、真剣に事業をやっていると思ってもらえるかどうか。フリー素材で埋め尽くされたLPでは、この信頼を得ることが難しく、離脱率を高めてしまうと感じます。
クリエイティブ編:コンバージョンを逃すあるある失敗例
次は、LPに流入する前の入口、つまりクリエイティブ側のあるある失敗例を解説します。
本連載は検索広告がテーマですので、まずは検索広告文のよくある失敗例を説明します。その後、せっかくの機会ですので、ディスプレイ・SNS広告のバナーについても触れていきます。
LPだけでなくクリエイティブもコンバージョンを獲得する上で重要な要素ですので、どちらも合わせて見直してみてください。
検索広告の広告文
①見出しで商材が伝わらない

検索広告において、見出しはユーザーが最初に目にする要素です。ここで何の広告なのかが伝わらなければ、クリックされないか、クリックされてもLPで「思っていたものと違う」と離脱される可能性が高まります。
設計ポイントは2つあります。
1つ目は、コンバージョンにつながる検索クエリを見出しに含めることです。たとえば「経理代行 中小企業」でコンバージョンにつながっているなら、広告見出しに「中小企業の経理代行」と入れることで、同じニーズを持つユーザーのクリックが増え、コンバージョン増加が期待できます。
2つ目は、前述したバリュープロポジション(自社を選ぶ理由)を見出しに盛り込むことです。たとえば稼働開始スピードに強みのある経理代行であれば、「経理代行/最短10日で稼働」のように、強みを見出しに含めることで、その強みに共感したユーザーの流入が増え、コンバージョン率の改善が見込めるでしょう。
②緊急度の高いユーザーが反応する見出しがない
検索広告でコンバージョンしやすいのは、課題の緊急度が高いユーザーです。「いつか検討しよう」ではなく「今すぐ解決したい」と思っている人です。
そのようなユーザーに響く見出しが含まれているかどうかは、コンバージョン率に大きく影響します。たとえば経理代行サービスであれば、「経理担当者の退職でお困りの方へ」「月次決算に間に合わない方へ」のように、緊急度の高い状況を訴求する見出しは、今すぐ解決したいユーザーのクリックにつながりやすくなります。
広告見出しは複数設定できます。すべてが一般的な訴求だけにならないよう、緊急度の高いユーザーに向けた見出しも含めておきましょう。
③ターゲット外のクリックを誘発する見出しである
広告文が曖昧だと、本来のターゲットではないユーザーまでクリックしてしまい、コンバージョン率の低下を招きます。
たとえば法人向けの経理代行サービスなのに、見出しに「法人」や「企業向け」といった絞り込みのワードがないと、個人の確定申告を依頼したい人までクリックしてしまう可能性があります。特に2〜3月の確定申告シーズンは個人の検索が急増するため、コンバージョンが顕著に悪化しやすくなると考えられます。
見出しは15個まで登録でき、表示箇所を固定するピン留め機能もあります。ターゲット外のユーザーからの流入が多いと判断できる場合は、ターゲットを絞り込むワードを含んだ見出しをピン留めで固定表示させるのも有効です。
少額予算の運用では、1クリックの重みが大きいです。クリックされることだけを目指すのではなく、コンバージョンにつながるユーザーだけがクリックする広告文を意識しましょう。
④見出しとLPの訴求がズレている
広告文で「無料トライアル実施中」と書いてあるのに、LPにたどり着いたら無料トライアルの記載がどこにもない。これは極端な例ですが、広告とLPの訴求にズレがあると離脱につながります。
ユーザーは広告文を見て期待した内容がLPにあることを前提にクリックしています。その期待を裏切れば即離脱するでしょう。広告文で訴求している内容が、LP上(特にファーストビュー)でもきちんと確認できるかは確認しておくべきです。
ディスプレイ・SNS広告のバナー
①ビジュアルで商材が伝わらない

最も基本的なポイントです。
ディスプレイ広告やSNS広告は、ユーザーがWebサイトを閲覧しているときやSNSのフィードをスクロールしているときに表示されます。検索広告と違い、ユーザーは自ら情報を探しているわけではないので、一瞬で何の広告かを伝える必要があります。
よくある失敗は、デザイン性を重視して商材が伝わらないバナーです。おしゃれな写真にブランドロゴだけ載せたようなバナーは、ブランディング目的であれば成立します。しかし広告配信がコンバージョン獲得目的、かつ知名度が低いサービスの場合、同じやり方では「何の広告だ?」で終わってしまいます。クリックされたとしても、思っていたサービスと違えば離脱につながるでしょう。
バナーには「何のサービスか」「誰向けか」が一目でわかる写真やテキストを原則入れてください。
②ニーズが顕在化される状況を訴求できていない
ディスプレイ・SNS広告は、まだ自分のニーズを明確に自覚していない潜在層にリーチする媒体です。バナーを見てもらい「あ、自分に必要なサービスかも」と気づかせる必要があります。
たとえば経理代行サービスなら、「経理代行なら○○」とだけ訴求しても、自分が困っていることすら自覚していないユーザーには響かず、クリックされにくいです。仮にクリックされても、LPをサラッと見てすぐ離脱ということもあるでしょう。
しかし「その経理、社長がやる仕事ですか?」というコピーならどうでしょうか。経理業務を自分で抱えている経営者は、流し見していても思わず手が止まるはずです。このように、ターゲットが日常的に直面している状況を描くことで「確かにそうだな」とニーズが顕在化され、LPを熟読してもらえる可能性が高まり、コンバージョン率の向上が期待できます。
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③クリエイティブとLPのトーンが揃っていない
バナーのデザインとLPのデザインのトーンが大きく異なると、ユーザーは思っていたのと違うページに来てしまったと感じて離脱する可能性があります。
たとえば、バナーはポップで明るい印象なのに、LPは堅いビジネス調であれば、ギャップが大きく、熟読されることが少なくなるでしょう。
バナーとLPは、色使い・フォント・写真のテイストなどのトーンを揃えましょう。バナーで興味を持った人が、LPに来ても違和感なく読み進められるよう設計することが大切です。
まとめ
全3回にわたってお伝えしてきた本連載の内容を振り返ります。
第1回ではマインドセット。少額予算なら内製を推奨し、100点を目指さず「80点主義」で運用すること。
第2回ではアカウント構築。キャンペーンも広告グループも「少なく、太く」設計し、メンテナンスフリーに近い状態を作ること。
第3回(本記事)ではLP×クリエイティブ。管理画面の外に目を向け、LPとクリエイティブのあるあるを潰してコンバージョンの取りこぼしを防ぐこと。
広告運用の成果は、管理画面の中だけでは完結しません。入口であるクリエイティブと、受け皿であるLPの両方が整って初めてコンバージョンにつながります。
今回紹介したあるあるに心当たりがあった方は、ぜひ一つずつ改善に取り組んでみてください。すべてを一度に直す必要はありません。まずはファーストビューの見直しやCTAの追加など、すぐに着手できるポイントから始めるのがおすすめです。
少額予算であっても、正しいマインドセット、シンプルなアカウント構造、そしてユーザー視点に立ったLPとクリエイティブが揃えば、独学のひとり担当者でも十分に成果は出せます。本連載が皆さんの広告運用の一助になれば幸いです。
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