FAQは、Webサイトにおいて非常に重要な要素の1つです。FAQとは「Frequently Asked Questions」の略称で、「よくある質問」を意味します。これは、ユーザーから頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめたものです。
Webサイトにおいて適切に構成されたFAQページは、ユーザーの疑問を迅速に解決し、サイトの使いやすさを向上させます。また、FAQの存在により、カスタマーサポートへの問い合わせ数を減らしつつ、同時に有意義な問い合わせを増やす効果も期待できます。
しかしながら、FAQの概念や、類似する「Q&A」との違いについて不明確な点がある方も少なくありません。そこで本記事では、FAQの概要を詳しく解説するとともに、Q&Aとの相違点を明確にします。さらに、効果的なFAQをWebサイトに実装する上で重要な点についても触れていきます。
目次
FAQとは?
FAQは、「Frequently Asked Questions」の略称で、「よくある質問」を意味します。Webサイトにおいて非常に重要な要素の1つであり、ユーザーからの問い合わせの増加や、単純な質問の減少に貢献します。
FAQセクションでは、顧客やユーザーから頻繁に寄せられる質問とその回答を一覧にして提供します。これにより、以下のようなメリットが得られます。
●ユーザーの疑問をすばやく解決
●カスタマーサポートの負担軽減
●Webサイトの使いやすさ向上
●顧客満足度の向上
FAQを適切に設置することで、ユーザーは必要な情報を迅速に見つけることができ、企業側も効率的な情報提供が可能になります。ただし、FAQの内容や構成には十分な注意を払う必要があります。ユーザーにとって本当に役立つ情報を、分かりやすく整理して提供することが重要です。
FAQとQ&Aの違い
FAQとQ&Aは、一見似ているように思えますが、その意味合いや使用方法に若干の違いがあります。FAQは「Frequently Asked Questions」の略で、頻繁に寄せられる質問とその回答を指します。一方、Q&Aは「Question & Answer」の略で、単に質問と回答の組み合わせを意味します。
FAQは、多くのユーザーが共通して抱く疑問や問い合わせに対して、効率的に回答するために用いられます。これに対し、Q&Aはより広範囲の質問と回答を含む場合があり、必ずしも頻度の高い質問に限定されません。
しかしながら、実際のWebサイトやサービスにおいては、FAQとQ&Aの明確な区別をせずに使用されることも多く、両者の境界線は曖昧になっている場合もあります。重要なのは、ユーザーにとって必要な情報を分かりやすく提供することであり、どちらの呼称を使うかは、各企業や組織の判断に委ねられています。
Q&Aとは
Q&Aとは、Question & Answerの略語のことであり、質問と回答という意味です。FAQの場合、意味合いとして「頻繁な質問と回答」となりますが、Q&Aはあくまで質問と回答という意味合いの違いになります。頻繁であるか、頻繁でないかの違いだと捉えておけば問題ありません。Q&Aは、特定のトピックや分野に関する疑問点を解決するために用いられることが多く、幅広い情報提供の手段として活用されています。
FAQとQ&Aの使い分け
FAQとQ&Aの違いについて解説してきましたが、実際のところ、多くのWebサイトではこれらを明確に区別して使用しているケースは少ないのが現状です。FAQをQ&Aとして表記しているサイトも存在すれば、その逆のケースも見られます。このため、厳密な使い分けにこだわる必要はありません。
重要なのは、Webサイトを運営する担当者や関係者が理解しやすい方を選択することです。チーム内で統一した認識を持ち、ユーザーにとって分かりやすい表現を採用することが大切です。
また、サイトの性質や対象となる顧客層によっても、FAQとQ&Aのどちらがより適切かは変わってくる可能性があります。例えば、専門性の高い分野では「FAQ」という表現のほうが適している場合もあれば、より親しみやすさを重視する場合は「Q&A」が適していることもあるでしょう。
結論として、FAQとQ&Aの使い分けに関しては、厳密な区別よりも、サイトの目的や対象ユーザーに合わせた適切な選択が重要です。どちらを採用するにせよ、ユーザーの疑問に的確に答え、情報を分かりやすく提供することが最も大切な点であることを忘れないようにしましょう。
FAQをWebサイトに設ける目的
ところで、なぜFAQをWebサイトに設けるのでしょうか。ここでは、FAQをWebサイトに設ける3つの目的を解説します。
・ カスタマーサポートの負担を削減する
・ 問い合わせ(成約率)の向上
・ 顧客満足度の向上
これらの目的は、ビジネスの効率化とユーザー体験の向上という両面から重要な意味を持ちます。FAQを適切に設置することで、ユーザーの疑問をスムーズに解決し、同時に企業側の業務効率を高めることができます。
また、FAQは単なる質問と回答の集まりではなく、ユーザーとのコミュニケーションツールとしても機能します。適切に設計されたFAQは、ユーザーの不安を解消し、製品やサービスへの理解を深める役割も果たします。
さらに、SEO対策の観点からも、FAQは重要な要素となります。ユーザーが頻繁に検索するキーワードを含むFAQを作成することで、検索エンジンでの表示順位向上にも寄与する可能性があります。
これらの目的を達成するためには、ユーザーのニーズを正確に把握し、定期的に内容を更新することが重要です。FAQは静的なコンテンツではなく、常に進化し続けるべきものだと言えるでしょう。
カスタマーサポートの負担を削減する
Webサイト上で分からない情報が多い場合、顧客満足度(CS)は必ず下がります。加えて、カスタマーサポートやカスタマーサクセスに連絡をして疑問点を解決したいユーザーもいます。それらのユーザーに対応していると、カスタマーサポートの負担が大きくなります。しかし、Webサイト上にFAQがあることで、ユーザーが抱える疑問を事前に解決できるようになるため、カスタマーサポート・カスタマーサクセスの負担を減らすことにつながります。
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仮に、月間100回程度カスタマーサポートに疑問点の回答が欲しい旨の問い合わせがあり、そのうちの50%をFAQで解決できるとします。そうすれば、月間のカスタマーサポートの負担は半減することにつながり、より本質的な業務に注力できるようになるでしょう。
問い合わせ(成約率)の向上
Webサイト上で抱える疑問点が多い場合、離脱するユーザーも一定数います。しかし、これはWebサイトからすれば大きな機会損失です。しかし、これらのユーザーに対して疑問点を事前に解決することで、Webサイトの問い合わせ数(成約率)が向上します。
FAQは、ユーザーが抱える不安や疑問を解消する強力なツールです。製品やサービスに関する詳細情報を提供することで、ユーザーの理解を深め、購買意欲を高めることができます。また、FAQを通じて企業の専門性や信頼性を示すことで、ユーザーの安心感を醸成し、問い合わせや購入への障壁を下げることができます。
問い合わせ数は売上に直結する重要な指標であるため、常に改善を図ることが重要です。現状FAQページを用意していない場合は、早急に作成することをお勧めします。効果的なFAQを設置することで、ユーザーの疑問解消と同時に、問い合わせ数や成約率の向上につなげることができるでしょう。
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顧客満足度の向上
ユーザーにとって、疑問点を解決するために毎回問い合わせをするのは手間がかかり、ストレスを感じる要因となります。FAQページを設置することで、ユーザーは自分のペースで必要な情報を得ることができ、無駄な問い合わせの回数が減少します。これにより、顧客満足度が向上し、Webサイトに対する信頼性も高まります。
顧客満足度の向上は、単にユーザーの体験を改善するだけでなく、ビジネスにも positive な影響を与えます。満足度の高いユーザーは、リピーターになる可能性が高く、また口コミなどを通じて新規顧客の獲得にもつながります。このように、FAQページの設置は、顧客満足度を向上させることで、Webサイトのブランド価値を高め、長期的な成功につながる重要な要素となります。
FAQを構造化マークアップすればSEO対策にもメリットあり
先ほど、FAQを作成する目的は、顧客満足度などを向上することだと解説しました。加えて、FAQページを作成し、構造化マークアップを実装することで、SEO対策にも大きなメリットがあります。構造化マークアップとは、検索エンジンのロボットが、よりWebサイトの内容を理解しやすくなるようにするための施策(技術)のことです。
FAQページを作成して構造化マークアップを実装すれば、検索エンジンがWebサイトに対して、よりユーザーの悩みを解決しようとしているWebサイトだと認識します。つまり、ユーザーから見ても信頼性や専門性の高いWebサイトであると認識するため、Webサイトの検索順位が上がる可能性が高くなります。
FAQページを作成する際は、あわせて構造化マークアップも実装するようにしましょう。これにより、検索結果でリッチスニペットとして表示される可能性も高まり、クリック率の向上にもつながります。
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FAQを設置する際に重要なこと
FAQを設置する際には、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。まず、FAQとして掲載する内容を慎重に検討することが大切です。これは単なる質問の羅列ではなく、ユーザーのニーズに合致し、かつ自社の事業目標にも沿った内容であるべきです。
次に、常にユーザー目線を意識して必要事項を検討することが重要です。ユーザーが本当に知りたい情報や、よく抱える疑問点を的確に把握し、それらに答える形でFAQを構成していく必要があります。
また、より正確なニーズ把握のために、必要に応じてアンケートを実施することも効果的です。既存顧客や潜在顧客を対象としたアンケートを通じて、彼らが抱える疑問や不安を直接聞き取ることで、より実用的なFAQを作成することができます。
最後に、実際に寄せられた問い合わせ内容のデータを継続的に集約し、分析することが重要です。これにより、FAQの内容を常に最新かつ最適な状態に保つことができます。頻繁に寄せられる質問や、時期によって変化する問い合わせの傾向などを把握し、FAQに反映させていくことで、その有用性を高めることができるでしょう。
これらの点に注意を払いながらFAQを設置することで、ユーザーにとって真に役立つ情報源となり、同時に自社のカスタマーサポート負担軽減や成約率向上にもつながる効果的なツールとなります。
FAQとして載せる内容を検討する
はじめに、FAQとして載せる内容を検討することが大切です。FAQを設置する目的として、顧客満足度を高めると同時に、自社の売上を増やすことも挙げられます。そのため、事前に売上につながるであろうFAQを設置する必要があります。たとえば、高単価の商品を販売しているWebサイトを運営しているとします。
この場合、FAQとして「分割払いにも対応していますか」という質問を載せたり、「支払い方法はどのようなものがありますか」という質問を載せたりします。これらを載せることにより、高額な支払いに心配があるユーザーも問い合わせしやすくなるメリットがあります。
また、商品やサービスの特徴や使用方法に関する質問も重要です。例えば、「この商品の特徴は何ですか?」「使用上の注意点はありますか?」といった質問を掲載することで、ユーザーの理解を深め、購入の障壁を取り除くことができます。
さらに、返品や交換に関するポリシーについても、FAQに含めることをおすすめします。「返品・交換は可能ですか?」「返品の期限はありますか?」などの質問を載せることで、ユーザーに安心感を与え、購入を促進することができるでしょう。
ユーザー目線で必要事項を検討する
FAQを設置する際は、ユーザーの視点に立って必要な情報を検討することが重要です。単に企業側の都合で質問を並べるのではなく、実際にWebサイトを訪れるユーザーが抱えそうな疑問や不安を想定し、それらに対応する質問と回答を用意することが求められます。
例えば、商品やサービスの利用方法、料金体系、返品・交換policy、配送に関する情報など、ユーザーが購入を検討する際に気になる点を網羅的にカバーすることが大切です。また、業界特有の専門用語や略語については、分かりやすい説明を加えることで、初めて訪れたユーザーでも理解しやすいFAQを作成できます。
ユーザー目線でFAQを作成することで、訪問者の信頼感を高め、スムーズな購買行動につながる可能性が高まります。定期的にFAQの内容を見直し、最新の情報や新たに寄せられた質問を反映させることも、ユーザーにとって有益なFAQを維持する上で重要なポイントです。
必要に応じてアンケートを作成する
自社の顧客リストに対してアンケートを作成できるのであれば、事前に抱えた疑問などを集計すると良いでしょう。自社の顧客が抱えた疑問は、これから顧客になるであろうユーザーも抱える可能性が高いです。
また、自社の顧客リストがない場合は、クラウドソーシングサービスなどを使って、Webサイトを見て疑問に感じる点に関するアンケートを取るのも良いでしょう。それらのアンケートの統計データをFAQに反映させることで、ユーザー目線でのFAQを作成できます。
関連記事:
・アンケートとは?マーケティングにおけるアンケートの意味合いも解説!
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問い合わせ内容のデータを集約する
最後に、自社に疑問に関する問い合わせが寄せられた場合は、それらのデータを集約しておくことが大切です。仮に、1件問い合わせが来たデータをFAQに反映したとしても、他のユーザーが抱える疑問でなければ意味がありません。ある程度、多く寄せられる質問から優先的にFAQを設置することが大切です。これにより、より多くのユーザーにとって有用なFAQを作成することができます。また、問い合わせ内容の傾向を分析することで、商品やサービスの改善点を見出すこともできるでしょう。
FAQはどこに設置する?
FAQの配置は、ユーザーの利便性と情報へのアクセスのしやすさを考慮して決定することが重要です。効果的なFAQの設置場所として、専用ページの作成、検索機能の実装、そしてチャットボットの導入が挙げられます。これらの方法を組み合わせることで、ユーザーが必要な情報を迅速かつ簡単に見つけられるようになります。専用ページを作成する場合は、サイトのフッターやトップページからリンクを張り、アクセスしやすくすることが大切です。また、検索機能を追加することで、ユーザーが特定の質問や問題に関する情報をすぐに見つけられるようになります。さらに、チャットボットを導入すれば、リアルタイムで質問に対応し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。これらの方法を適切に実装することで、ユーザーの満足度を高め、問い合わせ数の増加や成約率の向上につながる可能性があります。
専用ページの作成
まずは、FAQの専用ページを作成しましょう。よくある質問と回答をまとめたページを、1ページ作成するということです。専用ページの作成が完了したら、Webサイトのフッター、およびトップページなどにリンクを入れておきましょう。これにより、ユーザーがFAQページに簡単にアクセスできるようになります。また、専用ページを作成することで、ユーザーが必要な情報を一箇所で見つけやすくなり、サイトの使いやすさが向上します。
必要に応じて検索機能の作成
FAQページを閲覧せずに疑問点を解決したいユーザーのために、Webサイトの検索機能を実装することも大切です。検索窓をWebサイト内に設置し、特定のキーワードもしくはカテゴリーに対して反応するようにしておけば、ユーザーの利便性が上がります。
FAQページの場合だと、どうしてもユーザーそれぞれが抱えている疑問を探すのに時間がかかります。しかし、検索機能であれば、それぞれのユーザーが抱えている疑問を即座に解決することが可能となります。
チャットボットの導入も検討する
最後に、必要に応じてチャットボットの導入も検討しましょう。WebサイトやLP(ランディングページ)の右下などに、ユーザーがチャットを入力できる部分を作ります。事前に、ユーザーが入力したキーワードに対して自動返答する内容を用意しておけば、ユーザーはリアルタイムで問い合わせや疑問を解決できるようになります。
チャットボットを導入することで、24時間365日対応が可能となり、ユーザーの利便性が大幅に向上します。また、人的リソースを節約しつつ、迅速な回答を提供できるため、ビジネス効率の向上にもつながります。ただし、チャットボットの回答精度や対応範囲には限界があるため、複雑な問い合わせや専門的な内容については、人間のオペレーターによる対応を併用することが望ましいでしょう。
関連記事:チャットボット(chatbot)とは?基本的な機能から具体的な導入方法まで!
まとめ
本記事では、FAQに関して詳しく解説してきました。FAQは「Frequently Asked Questions」の略で、よくある質問とその回答を意味します。Webサイトにおいて、FAQを適切に設置することで以下のような効果が期待できます。
●顧客満足度の向上
●カスタマーサポートの負担軽減
●問い合わせ数や成約率の増加
●SEO対策としての効果(構造化マークアップを実装した場合)
●FAQを効果的に活用するためには、以下のポイントに注意することが重要です:
●ユーザー目線で必要な情報を検討する
●売上につながる質問も適切に盛り込む
●アンケートや問い合わせデータを活用して内容を充実させる
●専用ページの作成や検索機能の実装など、アクセスしやすい環境を整える
まずは自社のWebサイトやサービスに適したFAQの内容を検討し、顧客とのコミュニケーションをより円滑にすることから始めてみましょう。FAQの適切な設置と運用は、ビジネスの成長と顧客満足度の向上に大きく貢献する可能性があります。