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カスタマーサクセスとは!具体的な定義や手法を解説

2022.11.21
読了まで約 5

カスタマーサクセスは、昨今、日本のビジネスシーンでよく使われるようになってきた言葉です。これは、日本でサブスクリプション型のサービスが浸透してきたという時代背景が大きく関係しています。しかし、カスタマーサクセスという言葉を聞いたことはあるものの、具体的に何を行えば良いのか、分からない人も多いかもしれません。

そこで、本記事ではカスタマーサクセスの概要や必要な理由、やるべきことを具体的に解説します。また、カスタマーサクセスで意識するべきポイントや成功させるための方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

カスタマーサクセスとは?

はじめに、カスタマーサクセスの概要から解説します。カスタマーサクセスとは、顧客の成功をサポートすることです。Customer Successを直訳すると「顧客の成功(体験)」であり、企業が能動的に顧客と関わりながら顧客の成功を支援します。

従来でも、顧客に対してはコールセンターやアフターフォローサービスを設置するなどして、顧客の意見を拾う活動はされていました。しかし、これらは受動的であり、能動的に企業が動いていたわけではありません。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いは、この受動的であるか、能動的であるかという点が非常に大きいです。顧客の成功を言語化して、その成功を実現するためのサポートがカスタマーサクセスになります。カスタマーサクセスでは、顧客の声を能動的に拾うだけではなく、コンサルタントのような形でサポートを提供することもあります。

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カスタマーサクセスがなぜ必要なのか

では、なぜカスタマーサクセスが重要視され、必要とされているのでしょうか。それには、下記2つの理由が挙げられます。

・ CXと関係している
・ 市場が成熟してきている

それぞれ順番に見ていきましょう。

CXと関係している

カスタマーサクセスは、CXと関係しています。CXとは「顧客体験」のことであり、サービスを通じて、顧客がどのような体験をするかを表したものです。近年では、どのサービスも一定品質以上の体験を顧客に提供できており、差別化が非常に難しい状態となっています。そのため、顧客からしてみれば、どのサービスを選べば最も良い体験ができるかを選ぶことが難しいのが現状です。

これらを解決するために、カスタマーサクセスの必要性が求められています。競合他社が従来のサービスを提供している中、自社がカスタマーサクセスで顧客に能動的なサポートを行うことができれば、それが競合他社との圧倒的な差別化ポイントになります。また、CXを高めれば口コミで自然とサービスが広がっていくため、広告費を削減できることにもつながります。

市場が成熟してきている

上述した内容と共通する部分もありますが、市場が成熟してきていることもカスタマーサクセスが必要な理由の1つです。サービスの差別化が難しく、なおかつどの会社も魅力的な広告で集客できてしまうため、顧客が自分の満足度を高められるサービスを選ぶことが難しくなってきています。

また、サブスクリプション型のサービスが広まりつつあることもカスタマーサクセスが求められる理由になります。サブスクリプション型のサービスは、顧客がサービスを契約した時点がゴールではなく、あくまでもスタート地点にすぎません。サブスクリプション型以外のサービスは「売り切りモデル」として、商品を提供した時点がゴールとなるケースが一般的です。

しかし、サブスクリプション型は契約時がスタート地点であり、契約中は高い満足度をキープし続けなければなりません。そのため、これらの高い満足度を実現するための手段の1つとして、カスタマーサクセスが重要視されているのです。

関連記事:カスタマーサクセスとは? 〜顧客体験の向上によるLTV最大化

カスタマーサクセスでは具体的に何を行う?

ここからは、カスタマーサクセスで行うべき具体的な内容を3つ紹介します。

・ コミュニティ活動
・ 導入支援
・ モニタリング

それぞれ順番に見ていきましょう。

コミュニティ活動

カスタマーサクセスでは、コミュニティ活動を取り入れることがあります。顧客が自分の声を企業に直接伝えられるコミュニティや、顧客が能動的に、別の顧客に対して事例にあわせた問題の解決策を提供するコミュニティなどが存在します。

コミュニティを作成すれば、ユーザーがサービスを利用する頻度が高まるため顧客満足度も高まります。これにより、サービスの継続率も伸びるメリットがあります。

導入支援

使い方が難しいサービスや、顧客に知見のないサービスの場合、導入するだけで一苦労するケースは多々あります。こういったサービスを提供している場合は、導入支援を取り入れましょう。

また、導入支援とあわせてチャットサポートや電話・メール対応、月に1回程度の打ち合わせの機会を設ければ、顧客がサービスを利用するきっかけを増やすことができます。。

モニタリング

専用の管理画面を設置して、モニタリングを行いましょう。管理画面では、顧客ごとのログイン回数やツールの利用回数、問い合わせ回数などをモニタリングします。これにより、自社サービスを活用できていない顧客を洗い出すことができ、能動的に顧客サポートを行えるようになります。

また、顧客サポートの際に「なぜ自社サービスを使っていないのか」「どういった部分が使いづらいのか」という点をヒアリングすることで、自社サービスの改善点を洗い出すことも可能です。

関連記事:ナーチャリングとは?意味と手法、4つのメリットを解説

カスタマーサクセスを行う際に覚えるべき用語

カスタマーサクセスを行う際は、下記2つの用語を覚えることが重要です。

・ LTV(ライフタイムバリュー)
・ オンボーディング

それぞれ順番に解説します。

 LTV(ライフタイムバリュー)

LTV(ライフタイムバリュー)は「生涯顧客価値」と呼ばれ、1人の顧客が自社サービスを利用する際に、平均どの程度の費用を支払うのかを明確にした指標のことです。たとえば、1人のユーザーが月額30万円のサービスを7ヶ月間継続する場合、LTVは210万円となります。

全顧客の平均単価と継続期間を洗い出し、自社サービスのLTVを確かめましょう。仮に、自社のLTVが低い場合は、単価が高すぎる、もしくは継続するに値しないサービスを提供しているなどの仮説を立てられるため、その改善策を見出すことも重要です。

オンボーディング

オンボーディングとは、顧客が適切にサービスを利用できるようにするための手引のことです。BtoB系サービスで扱うソフトウェアやSaaS系のサービスなどは、初めて導入する人には扱いづらいケースも多いでしょう。そういったときにオンボーディングを行うことで、顧客が問題なくツールを利用できるようになります。

結果的に「使いづらかった」という理由で解約されてしまう可能性を軽減できます。これにより、上述したLTVを伸ばせることにもつなげられます。

関連記事:LTV「ライフタイムバリュー」とは?顧客価値を最大化する活用方法

カスタマーサクセスで意識するべきポイント

カスタマーサクセスでは、下記3つのポイントを意識することが大切です。

・ LTVもしくはチャーンレート(解約率)
・ 顧客ロイヤリティ
・ アップセル・クロスセル

それぞれ順番に解説します。

LTVもしくはチャーンレート(解約率)

はじめに、自社の現状のLTVとチャーンレート(解約率)を分析しましょう。仮に、現状のLTVが100万円の場合、1.5倍の150万円に至らない理由などを分析します。6ヶ月目での平均解約率が50%の場合、なぜ残りの50%は解約しないのか、また解約する顧客の解約理由はどういったものであるかなどを分析します。これらを分析することで、月に何回程度のサポートが必要なのか、導入支援で何をするべきかなどを洗い出すことが可能です。

顧客ロイヤリティ

顧客ロイヤリティとは、顧客が自社サービスに対して、どれだけの愛着を持っているかを表す言葉です。顧客アンケートを実施し、各項目で1点〜10点の評価をしてもらいます。1点〜3点は愛着なし、4点〜7点は平均、8点〜10点は愛着ありという測定をします。加えて、なぜこういった点数であるかを書いてもらい、自社サービスの改善点を洗い出します。顧客ロイヤリティが高まれば、極論を言えば自社サービスがどのような改善を行ったとしても受け入れてもらいやすくなります。

アップセル・クロスセル

アップセルとは、現状のプランから1つ上のプランを契約してもらうことであり、クロスセルは、現状とは別のサービスを追加で契約してもらうことです。アップセルやクロスセルを行うことができれば、LTVを伸ばせます。

関連記事:チャーンレート(Churn rate)とは?マーケターが押さえておきたいSaaSビジネスの顧客解約率

カスタマーサクセスを成功させるためには

カスタマーサクセスは、一朝一夕で成功するものではありません。成功させるためには、下記2つのポイントを意識しましょう。

・ 組織全体で取り組む
・ 顧客の成功を言語化する

それぞれ順番に解説します。

組織(会社)全体で取り組む

カスタマーサクセスは、必ず組織全体で取り組むことが重要です。部署内での取り組みはもちろんですが、別部署がどのような動きをしていて、その動きで顧客がどのような反応をしているかを共有する必要があります。組織全体で取り組むことで、顧客に均質化したサービスを届けられると同時に、カスタマーサクセスの改善スピードも速められます。

顧客の成功を言語化する

カスタマーサクセスを成功させるには、顧客の成功を言語化する必要があります。なぜなら、カスタマーサクセスは顧客の成功をサポートするものだからです。顧客が、どのような状態であれば満足するのかを明確にし、そのためのサポートを行える組織づくりをしましょう。

関連記事:ロイヤリティ向上をWebサイトで作り出す方法とは!具体的な方法も紹介

まとめ

本記事では、カスタマーサクセスについて解説をしてきました。カスタマーサクセスとは、顧客の成功を実現するためのサポートのことです。従来は、サポートセンターなどを用意して顧客対応を行うことが主流でしたが、あくまで受動的なもので、能動的に顧客の成功をサポートする機会は見られませんでした。カスタマーサクセスは能動的に顧客の成功をサポートし、顧客満足度を最大化することが目的として行われます。

そのためには、組織全体で取り組みながら顧客の成功を言語化することが重要です。まずは、カスタマーサクセスを行う組織づくりから始めてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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