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ナーチャリングとは?意味と手法、4つのメリットを解説

2023.5.24
読了まで約 13

ナーチャリングとは「養育」や「育成」を意味する英語であり、ビジネスの場面では「顧客育成」の意味でよく用いられる単語です。今回は、ナーチャリングに取り組むメリットや、ナーチャリングを実行する方法、具体的な手法などを紹介します。

目次

ナーチャリングとは?

ナーチャリング(Nurturing)とは、「養育」や「育成」を意味する英語です。ビジネスにおいては、「顧客育成」の意味で用いられることが一般的です。

ナーチャリングは、どのような顧客が対象なのかによって、パターンが分かれています。主なナーチャリングとしては、新規顧客や既存顧客を対象としたものや、優良顧客を対象としたものなどが挙げられます。

そこで、ナーチャリングのパターンと、ナーチャリングと混同されることがあるリードジェネレーションや、リードクオリフィケーションとの違いについて見ていきましょう。

新規・既存顧客のナーチャリング

新規顧客のナーチャリングとは、新しい顧客を、何度も購入するリピーターに育成することです。

マーケティングにおいては、新規顧客を獲得することも重要ですが、顧客を確保(キープ)しておくことも重要です。新規顧客を獲得するよりも、すでに一度購入した顧客をキープしてリピーターに育成するほうが労力は少ないと考えられています。

また、既存顧客のナーチャリングとは、既存顧客を優良顧客にするための育成です。既存顧客のなかには、購入頻度が低かったり、購入後に商品やサービスをあまり活用していなかったりなど、企業との結びつきを築かないまま時間が経過している人もいます。

獲得後の顧客と適度に関わりを続ければ、自社との結びつきを強化できます。そうすれば優良顧客に成長する可能性が高まるでしょう。

優良顧客のナーチャリング

優良顧客とは、自社の商品やサービスを繰り返し購入したり、契約期間を更新したり、売上に貢献してくれる顧客のことです。LTV(ライフタイムバリュー)が高いと優良顧客といえるでしょう。

関連記事:LTV(ライフタイムバリュー)とは?意味や計算方法、これからのビジネスに必須な基礎知識

優良顧客とは、すでに良好な関係を築けていると考えられますが、ナーチャリングを実施することで、さらに長期にわたった良好な関係を築いていけるようになります。

優良顧客にナーチャリングを実施すると、優良顧客がほかの関係者などに宣伝活動を行ってくれる可能性も出てきます。知人や友人に「長く使っているけど、これはいいよ」と勧めたり、優良顧客の知人や友人から「それいいね」と優良顧客に商品・サービスについて尋ねたりすることがあるかもしれません。

また、優良顧客へのナーチャリングを行うと、他社への乗り換えを防ぐこともできます。優良顧客のなかには商品やサービスに対してマンネリ感を覚え、「ほかの製品を使うほうがよいのでは」と感じている人もいるかもしれません。

ナーチャリングの一環としては、定期的に新製品を紹介したり、効果や新しい使い方などを案内したり、ワークショップや説明会などを実施したり、などが考えられます。ナーチャリングをすることで、優良顧客の気持ちを引き留められることもあります。

リードナーチャリングとリードジェネレーションの違い

リードとは見込み顧客のことです。見込み顧客を獲得することを「リードジェネレーション」といい、リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客を育成することを「リードナーチャリング」と呼びます。

リードナーチャリングの目標は、見込み顧客をより確度の高い見込み顧客に育てることです。しかし、確度の高い見込み顧客に育成すればリードナーチャリングは終わりではありません。顧客に育てること、さらに優良顧客にすること、など、次なる目標があり、継続的なナーチャリングを実施する必要があるのです。

マーケティング活動において、リードジェネレーションと継続的なリードナーチャリングは欠かせません。適切な見込み顧客を発掘し、育成することは、商品やサービスだけでなく、企業の成長や将来をも左右します。

関連記事
リードとは?マーケティング・営業での意味や見込み顧客の獲得方法を解説
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リードジェネレーションとは?リードナーチャリングとの違いや手法、注意点を徹底解説
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リードナーチャリングとリードクオリフィケーションの違い

リードクオリフィケーションとは、見込み顧客から購入可能性が高い(=確度が高い)見込み顧客を選別し、絞り込んでいくことです。見込み顧客に対して一律にナーチャリングを実施するよりも、見込み顧客ごとのポテンシャルに合わせたナーチャリングを実施するほうが、効率よくリピーターや優良顧客を育成できます。

見込み顧客に対する企業側のアプローチは、次の順で実施します。

1. リードジェネレーション
2. リードナーチャリング
3. リードクオリフィケーション

いずれの段階も、将来の顧客開拓にとって重要な要素です。なかでも、見込み顧客の購入までの距離感を的確に見極めるリードクオリフィケーションは、リードナーチャリングの成功のカギを握るため、丁寧かつ慎重に実施することが求められます。

リードクオリフィケーションでは、見込み顧客のアクションに注目して購入の可能性を判断します。

たとえば次のポイントに注目すると、より正確なリードクオリフィケーションを実現することが可能です。

● セミナーに参加したことがあるか
● モニターやキャンペーンに応募・参加したことがあるか
● サンプル請求や資料請求をしているか
● メールマガジンに登録しているか
● SNSにフォロワー登録しているか

関連記事:BtoB企業の成約率を上げるリードナーチャリングとリードクオリフィケーションとは?

ナーチャリングが求められる3つの理由

マーケティングにおいて、ナーチャリングは重要な要素です。その理由としては、次の点が挙げられます。

1. 顧客の価値観と選択肢の多様化
2. 中長期的なマーケティング施策の必要性
3. 顧客自らが情報収集する時代の変化

それぞれの理由について見ていきましょう。

1.顧客の価値観と選択肢の多様化

顧客の価値観や選択肢が多様化する現代社会では、個々の顧客に応じたアプローチが求められています。

ナーチャリングでは、顧客の購入履歴や購入頻度、企業側へのアクション、企業側からのアクションなどを反映した育成活動を実施するため、より個々の顧客に適したアプローチが可能になります。

また、顧客が「自分に合うアプローチだ」と認識することで顧客との信頼関係を構築しやすくなる点も、ナーチャリングが必要な理由のひとつです。

2.中長期的なマーケティング施策の必要性

顧客が商品・サービスの購入・導入の意思を決定するまでには、ある程度の期間がかかります。時間をかけて商品・サービスを吟味し、サンプルやトライアルキャンペーンなどを活用して慎重に購入に進む顧客も少なくありません。

そのため、テレビコマーシャルや新聞広告などの大規模な宣伝だけでは、顧客にインパクトは与えられても、購入の決め手とはならない可能性があります。

ナーチャリングは、時間をかけて顧客を育成する、中長期的なマーケティング施策です。顧客の意思決定までのプロセスに寄り添い、顧客を優良顧客へと育てる必要があるのです。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

3.顧客自らが情報収集する時代の変化

インターネットが普及し、通信速度も高速になったことで、顧客は従来よりも商品やサービスの情報を入手しやすくなりました。商品やサービスを選ぶときも、インターネットを駆使して情報を収集して比較検討し、自分にあうものを選ぶようになったのです。

その結果、従来よりも購入までのプロセスは長期化しました。そこで企業には、より顧客に役に立つ情報を提供することが求められるようになりました。ナーチャリングを実施することにより、顧客はより自発的に、商品やサービスを選べるようになるでしょう。

ナーチャリングの3つのメリット

ナーチャリングには、次の3つのメリットがあります。

1. 営業活動が効率化される
2. フォローアップのノウハウをシステム化できる
3. 埋もれていた顧客情報を有効活用できる

それぞれのメリットについて説明します。

1.営業活動が効率化される

ナーチャリングでは、顧客を特定の基準(購入回数、頻度、年齢など)で分類し、MAツールなどを活用した適切なアプローチ方法を一斉に実施します。これにより、顧客ごとに最適化された効率の良い営業活動が実現できます。

リードナーチャリングを実施するときも、マーケティング部門などが見込み顧客の購入までの距離感に応じて適切なアプローチを実施し、確度が十分に高くなってから営業担当者に引き継ぐのが一般的です。

営業担当者は見込み顧客として十分に育成されたリードだけに営業を行うことになるため、成功率の高い営業活動が実現できます。

2.フォローアップのノウハウをシステム化できる

顧客に対する長期的なフォローアップのノウハウを蓄積すると、業務のシステム化が可能になります。

システムとして業務を構築すれば、マーケティングや営業の経験が乏しい新人でも、データに裏付けされた効率的な顧客対応が可能になるのです。

システム化がうまくいけば、社内の人材育成の時間も短縮でき、より効率的な企業活動も実現できます。

3.埋もれていた顧客情報を有効活用できる

ナーチャリングでは、顧客や見込み顧客の情報をCRMツール(顧客情報の管理ツール)などで一元管理して活用します。

CRMツールを使うと、営業担当者の個人的な記憶や記録に頼らないため、多くの顧客情報をまとめて管理できます。一度商談が無効になった失注案件や休眠案件に対しても、適度なタイミングでアプローチをすれば、商談が成立する可能性もあります。

失注顧客や休眠顧客は、すでにある程度の情報を得ているという点に注目すれば、新規開拓よりも効率的な営業対象だといえます。

関連記事:CRMとは何か?知っておきたいSFAとの違いやCRMツール導入の注意点まで徹底解説

ナーチャリングを実行する際の4ステップ

ナーチャリングは、以下の4つのステップで実施していきます。

1. 見込み顧客を獲得する
2. 顧客を整理する
3. コンテンツを作成する
4. 施策を実行する

それぞれのステップを説明します。

1.見込み顧客を獲得する

まずは見込み顧客の獲得です。リードジェネレーションを実施し、質の高い見込み顧客を獲得します。

すでにある見込み顧客の情報も一元管理しておきましょう。たとえば受け取った名刺や資料請求をされた見込み顧客の情報なども、まとめて整理します。この際、リストの重複がないように電話番号やメールアドレス、氏名、住所などをチェックすることが大切です。

どれだけ適切なアプローチでも、同じアプローチが二重、三重に繰り返されると、機械的にアプローチしている印象を見込み顧客に与えてしまい、友好な関係を築きにくくなるからです。

2.顧客情報を整理する

見込み顧客だけでなく、すでに取引がある顧客情報も整理しておきます。部署ごと、あるいは担当者ごとに一元管理をし、リストに抜け漏れや重複がないか確認できるようにしておきましょう。

一元管理した後で、顧客との間で築いてきた関係や取得した情報をベースとして、顧客を分類していきます。

また、見込み顧客に関しては、購入までの距離感なども分析しておきます。

3.コンテンツを作成する

たとえば名刺を交換しただけ、ホームページを閲覧しただけ、といった関係性では、購入までの距離は近いとはいえません。

無料セミナーに招待する、オウンドメディアでより詳しい情報を記したコンテンツを提供する、などのナーチャリングのためのコンテンツが必要になるでしょう。

顧客との関係性や顧客の属性、購入までの距離感などで分類した顧客・見込み顧客のグループごとに、適切なコンテンツを作成していきます。

コンテンツを作成するときは、顧客・見込み顧客が求めている情報か、そのコンテンツを閲覧することにより購入・利用の意欲が刺激されるか、企業への信頼感が強まるか、などの効果を考えることが重要です。

関連記事:コンテンツマーケティングとは?基本的な概念から実践までを解説します

4.施策を実行する

作成したコンテンツを、顧客・見込み顧客のグループごとに提供します。記事コンテンツやメールマガジン、DMなどのコンテンツを、グループごとに適切なアプローチ法を選んで提供しましょう。

アプローチは1回のみではありません。コンテンツを継続的に作成し、顧客や見込み顧客との接点を増やしていきます。アプローチによって閲覧、開封、返信などの反応が得られたときは、適宜グループを変更することも必要です。

たとえば見込み顧客の購入までの距離が短くなったときは、確度の高い見込み顧客のグループに移し替え、営業担当者に引き継ぐなどします。

マーケティングの進め方については、詳細な手順を記載した手引書を無料でダウンロードいただけます。下記をぜひ参考にしてください。

ナーチャリングを成功させるための4つのポイント

ナーチャリングを成功させるためには、次のポイントに注目してください。

1. ナーチャリングの目標を設定する
2. 部門間での連携を図る
3. 顧客ごとにフォローアップする
4. 事例や口コミをコンテンツに盛り込む

それぞれのポイントを説明します。

1.ナーチャリングの目標を設定する

ナーチャリングには、主に顧客とのつながりの強化を目標としたものと、購買意欲の醸成を目標としたものの2種類があります。この目標によってアプローチ方法は異なるため、明確にしておくことが必要です。

顧客とのつながり強化を目標としたナーチャリングでは、顧客とのコミュニケーションに重きを置き、顧客からの信頼を獲得するためのアプローチを実施します。信頼の獲得は一朝一夕ではできないため、継続的なアプローチが必要です。

一方、顧客の購買意欲の醸成を目的としたナーチャリングでは、商品・サービスのメリット、独自性、競合他社の商品・サービスとの違いなどをアピールします。

なお、広く大きくアピールできたとしても、提供する情報の信頼性が低いと、育成の効果は期待できません。

信頼できる情報と情報発信者であることがわかるように、提供する情報には根拠を含め、顧客の声なども継続的に発信しましょう。

2.部門間での連携を図る

ナーチャリングはマーケティング部門だけでなく、営業部門や他部門との連携を図って組織的に進めていく必要があります。部門間で連携を図ることで、育成した見込み顧客や顧客に対して、適切なタイミングで適切なアプローチができるからです。

部門間で連携を図るためにも、ナーチャリングのコンテンツについては、関連する部門全体で理解しておき、見込み顧客・顧客の情報も、誰でも適切にアクセスできるようにしておくことが重要です。

関連記事:スマーケティングとは?マーケティングとセールスの連携ポイント

3.顧客ごとにフォローアップする

ナーチャリングは、顧客情報を一元管理し、見込み顧客・顧客を適切にグルーピングしてアプローチを実施する手法です。

まとめてアプローチを実施することで、マーケティングの効率が高まるだけでなく、次のアプローチにも進みやすくなります。

ただし、一斉にアプローチする方法では、顧客との距離感を縮められない可能性があります。顧客ごとに検討したフォローアップを適切に実施して、良好な関係性を構築していきましょう。

4.事例や口コミをコンテンツに盛り込む

商品やサービスを実際に購入・利用した顧客の声(いわゆる「お客様の声」)や体験談、導入事例などをコンテンツに盛り込むと、読者は購入や導入のイメージがわきやすくなります。

たとえば商品・サービスのメリットを説明するだけのコンテンツだけですと、見込み顧客や顧客は「自社の商品・サービスだから褒めるのは当たり前だろう」と思うでしょう。そこで、実際に商品・サービスを使った顧客の事例や口コミをコンテンツにプラスするのです。するとコンテンツには客観性が生まれるため、見込み顧客や顧客の信頼を獲得しやすくなるでしょう。

関連記事:お客様の声を活かす方法とは!サービス向上にやるべきこと!

見込み顧客や顧客の購買・利用・導入意欲を引き出し、行動を促すためには、ナーチャリングのスキルを高めることが重要です。領域ごとのナーチャリングスキルについては、以下の動画で学べますので、ぜひご覧ください。

ナーチャリングに有効な5つの施策

ナーチャリングで有効とされる施策には、次の5つのものがあります。

1. SNS発信
2. メールマガジン・ステップメール・ダイレクトメール
3. Web行動のトラッキング
4. ホワイトペーパー
5. セミナー・ウェビナー

それぞれの特徴やメリット、注意すべきポイントもあわせて紹介します。

1.SNS発信

InstagramやTwitterなどのSNSを使って情報を提供し、ナーチャリングをする方法もあります。

SNS投稿を閲覧する側は、投稿に対して「いいね」を押したり、コメントをつけたり、気軽にリアクションができるため、発信者側との心理的な距離が近くなります。

また、SNSの投稿は簡単にシェアでき、他人の「いいね」も可視化されやすいため、既存顧客だけでなく新規顧客の目に情報が届きやすいのもポイントです。

SNSでは短い文章や写真、動画などで顧客の心をつかむ投稿を心がけ、定期的に発信しましょう。

関連記事
SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
SNSとは?種類や使い方、仕組みについて分かりやすく解説

2.メールマガジン・ステップメール・ダイレクトメール

メールマガジン(メルマガ)を定期的に配信し、新しい商品やサービスの情報や、既存商品・サービスの使い方などについて、詳しい情報を見込み顧客や顧客に届けるのもナーチャリングといえます。自社で提供している商品・サービスの情報だけでなく、トレンド情報や関連するジャンルの情報なども提供すれば、さらに顧客の興味を惹きつけられるでしょう。

メールマガジンは定期的に送信することが一般的ですが、配信の頻度が高いと登録解除されるリスクをはらみます。顧客の動向をこまめにチェックして、適切な頻度で送るようにしましょう。

なお、あえて不定期に発信するのもひとつの方法として選択できます。新商品・新サービスが発売される前などの大規模なプロモーションとリンクして配信すれば、顧客の期待感を高められることもあります。

アクションを起こした顧客に向けて、シナリオで設定したメールを配信することを「ステップメール」と呼びます。ステップメールを選択することで、より見込み顧客や顧客にあわせた情報を発信できるようになり、つながりの強化を実現しやすくなるでしょう。

また、電子メールだけでなく、はがきや封書などの紙によるダイレクトメールも、ナーチャリングに有効な方法です。とくに一般の消費者をターゲットとしたBtoCマーケティングでは、ハガキやカタログ、チラシなどの紙媒体によるナーチャリング手法も依然としてニーズが高いと考えられています。

ターゲットにもよりますが、インターネットで情報収集をすることが少ないと思われる層にアピールするときは、ナーチャリングの手法として紙のダイレクトメールなども検討しておきましょう。

3.Web行動のトラッキング

Web行動のトラッキングとは、インターネット上の顧客の行動を追跡し、顧客のニーズを把握することです。

自社のホームページやオウンドメディア、ECサイトなどにアクセスしたユーザーの行動について、流入経路やランディングページ、流出したページ、コンバージョンしたページ、閲覧時間などを分析し、見込み顧客・顧客へのアプローチや商品開発に活かします。

たとえば商品・サービスを紹介するページにアクセスが多いものの、流出するユーザーも多い場合であれば、商品・サービスの紹介から販売につなげる導線がない、あるいはわかりにくい、といったことが想定されます。

そこでページ構成やデザインを変えることで、顧客との結びつきを強化し、見込み顧客を顧客に育成できるかもしれません。

定期的にWeb行動のトラッキングをおこない、ユーザーの行動を分析することが重要です。トラッキングの分析結果から適切な施策を導き出し、より効果のあるナーチャリングを実施できるようにしましょう。

関連記事:トラッキングってなに?インターネット利便性の向上に寄与している手法とは

4.ホワイトペーパー

ホワイトペーパーとは、見込み顧客や顧客に有益な情報を提供する資料のことで、通常は資料請求のメールを送ってもらうか、メールフォームなどを作成してダウンロードできるようにしておきます。

ホワイトペーパーでは顧客に有益な情報を提供するだけでなく、商材のプロモーションも兼ねることが一般的です。顧客はホワイトペーパーから専門性の高い有意義な情報を得つつ、商材についての知識を得ることで、購入の意思を自然に固める可能性があります。

5.セミナー・ウェビナー

ナーチャリングの施策として、セミナーやウェビナーの実施も有効です。商品・サービスに関連のあるトピックで開催し、顧客に有益かつ専門性の高い情報を提供しつつ、自社製品・サービスのプロモーションを行うことができます。

たとえば、投資用のマンションを販売する不動産会社であれば、「不動産投資の将来性」「投資用物件の選び方」などの顧客の興味を引きそうなトピックを選び、専門家を講師として招いてセミナーやウェビナーを開催できるでしょう。無料で開催をすれば、顧客も参加しやすくなり、ナーチャリングも進めやすくなります。

ただし、セミナーを開催するには、会場の確保が必要です。また、会場の近くにいる見込み顧客や顧客のみがターゲットとなるため、ニッチなトピックでは効率性が悪い施策となってしまいます。

より多くの見込み顧客や顧客をターゲットとするときは、オンラインによるウェビナーが検討できます。配信するコストはかかりますが、会場を確保したり、セミナー用のスタッフを配置したりするコストを削減できるため、トータルで見れば負担が少ない方法です。

関連記事:ウェビナー(Webinar)とは?意味やメリット、おすすめツールを紹介

ナーチャリングに必要な顧客分析の手法3つ

効果のあるナーチャリングを実施するためには、見込み顧客や顧客を的確にグルーピングすることが必要です。顧客のグルーピングに用いられる主な分析手法としては、次のものが挙げられます。

1. RFM分析
2. デシル分析
3. CTB分析

それぞれの分析方法の特徴や強みを紹介します。

1.RFM分析

RFM分析とは、次の3つの項目に注目して顧客をグループ分けする手法です。

● Recency(直近の購入日)
● Frequency(購入頻度)
● Monetary(購入額)

RFM分析では購入した履歴がグルーピングの根拠となるため、既存顧客に有効な手法といえます。直近の購入日と購入頻度、購入額を総合的に判断し、売上に対しての貢献度の高さでグループに分けます。

たとえば、貢献度の高いグループに対しては特典を提供するなどのアプローチをすることで、顧客満足度を高められるかもしれません。また、貢献度の高いグループに提供する特典についての情報を公開することにより、貢献度が中程度~低めのグループに属する顧客に刺激を与え、購買意欲を引き出せることもあります。

RFM分析では、グルーピングだけが目標ではありません。購入という要素に注目することで、適切なアプローチを考案するための分析でもあります。顧客の購買意欲を刺激するポイントを割り出し、精度の高いアプローチを見つけていきましょう。

関連記事:デシル分析とRFM分析の違いとは?活用方法と事例をご紹介

2.デシル分析

デシル分析も、RFM分析と同じく売上貢献度に注目して、顧客をグルーピングする手法です。デシル分析では顧客をランクづけし、10のグループに割り振っていきます。

グループ分けをしてから、売上に大きく貢献しているグループが上位いくつまでなのかを分析します。たとえば上位3つのグループだけが売上を押し上げているのであれば、3つのグループだけに注目したアプローチを実施します。そうすることで、より効率的な営業活動が実施できるでしょう。

デシル分析も、すでに購入していることが条件となるため、既存顧客をターゲットとした分析手法です。まだ購入にいたっていない見込み顧客に対しては、次のCTB分析を利用してグルーピングを実施しましょう。

3.CTB分析

CTB分析とは、次の3つの指標をもとに見込み顧客や顧客をグルーピングする手法です。

● Category(カテゴリ)
● Taste(テイスト)
● Brand(ブランド)

見込み顧客や顧客が、自社の商品・サービスのどこに魅力を感じているのか調べます。たとえば、カジュアルウェアの通信販売を手がけている企業を見本に考えてみましょう。見込み顧客・顧客ごとに、「カジュアルウェア」や「通信販売」というカテゴリに魅力を感じているのか、「カジュアル」なテイスト、ブランド名に魅力を感じているのかを分析します。

分析後、カテゴリに魅力を感じているグループ、テイストに魅力を感じているグループ、ブランドに魅力を感じているグループに分けます。このケースであれば、カテゴリが2つ(カジュアルウェア、通信販売)考えられるため、それぞれ別のグループに分けるほうが自然です。

興味の対象がわかると、マーケティングのアプローチ方法も決めやすくなります。カジュアルなテイストに惹かれている顧客のいるグループであれば、普段着の着こなしやカジュアルなレストラン・カフェの情報などを提供することもできるでしょう。また、カジュアルウェアとマッチする靴やかばんなどの小物を提案できるかもしれません。

ナーチャリングの効率性を高める2つのツール

ナーチャリングは、マーケティングや営業の効率性を高める行為です。しかし、見込み顧客や顧客の特性、興味、売上貢献度など、さまざまな要素にあわせたナーチャリングを提供すると、グループが増えて、ナーチャリングにかかる時間や手間も増えてしまいます。

そこで、見込み顧客や顧客に的確なアプローチをするためにも、ナーチャリングを効率よく実施できるツールを導入しましょう。ナーチャリングに活用できるツールには、次のものがあります。

1. CRMツール
2. MAツール

それぞれのツールでできることやメリットなどを紹介します。

1.CRMツール

CRM(Customer Relationship Management)ツールとは、顧客管理システムとも呼ばれるツールです。顧客情報を管理するためのツールで、顧客の過去のアクションや購入商品、購入までの距離感などを記録する際に用います。

CRMツールを使って顧客情報を管理すると、客観的な情報のみを登録するため、特定の担当者の思い込みによるアプローチを回避できます。たとえば、購入までの距離感が遠いのに、顧客の雰囲気や職業などから確度の高い顧客だと思い込むなど、誤った判断が防げます。

また、部署を超えて見込み顧客や顧客の情報を共有しやすくなる点もメリットです。適切に顧客情報を共有できると、マーケティングから営業、販売まで、シームレスなアプローチを提供できるようになります。

関連記事:CRMとは何か?知っておきたいSFAとの違いやCRMツール導入の注意点まで徹底解説

2.MAツール

MA(Marketing Automation)ツールとは、マーケティングを自動化・効率化するツールです。顧客の属性や売上貢献度などをスコアリングして見える化し、顧客ごとに適したメールマガジンを自動配信できます。

MAツールとCRMツールを連携すると、顧客管理からマーケティングまでをワンストップで行えるようになります。MAツールによってはWebサイトのアクセス分析機能もあり、多様なナーチャリングが可能です。

使いやすいMAツールをお探しの方は、ぜひ『Switch Plus』の導入をご検討ください。トライアルアカウントを発行することで、無料で機能をお試しいただけます。

関連サービス:かんたん!はじめやすい!つづけやすい!CMS・MAの一体型『Switch Plus』
関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?MAツールの導入ステップや選び方を解説

ナーチャリングを実践しマーケティング成功につなげよう

マーケティング活動においてナーチャリングを実施すると、顧客は優良顧客に、優良顧客は宣伝力のある顧客に成長し、マーケティングをより効率的に進めていくことが可能です。確度の高い営業や販売を実現するためにも、ぜひ計画的なナーチャリングを実践していきましょう。

よくあるご質問

ナーチャリングの重要性は?

見込み顧客を顧客に、顧客を優良顧客に育成するためにも、ナーチャリングが必要です。さらに優良顧客にナーチャリングを実施することで、顧客自身が宣伝活動をしてくれたり、企業との結びつきが強化されたりすることがあります。従来と比べ、顧客が時間をかけて商品・サービスを選ぶ現代においては、ナーチャリングによる継続的なアプローチが欠かせません。

ナーチャリングの目的は?

ナーチャリングは、顧客とのつながりを強化することと、購買意欲を醸成することの2つの目的があります。目的によって適切なアプローチが異なるため、目的を決めてからナーチャリングのコンテンツを作成することが必要です。いずれの目的でナーチャリングを実施する場合も、時間をかけて顧客と接していくことが求められます。

ナーチャリングのコツは?

ナーチャリングを成功させるコツとしては、目標を明確にすることと、部門間の連携を図ること、顧客にあわせたフォローアップを提供することなどが挙げられます。また、メールマガジンやオウンドメディアなどでナーチャリング目的のコンテンツを提供するときは、事例や口コミ、お客様の声など、客観的な情報を加えると、ナーチャリングの成果が上がりやすくなります。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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