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【2025年最新】これからのコミュニティマーケティング戦略|LTVを最大化する手法と国内事例

2025.8.8
読了まで約 24

LTVを最大化するコミュニティマーケティングの具体的な手法

コミュニティを活性化させ、最終的にLTV(顧客生涯価値)の最大化に繋げるためには、戦略に基づいた具体的な施策が不可欠です。ここでは、オンラインとオフラインを組み合わせた5つの効果的な手法を詳しく解説します。これらの施策は、顧客エンゲージメントを高め、ブランドへの愛着を深めるための重要なアクションプランとなります。

オンラインイベントやセミナーの開催

オンラインイベントは、地理的な制約なく多くのメンバーが参加できる強力なエンゲージメント向上施策です。製品やサービスへの理解を深めてもらうだけでなく、ブランドとの双方向コミュニケーションを実現する絶好の機会となります。

例えば、以下のような企画が考えられます。

  • 製品活用ウェビナー:基本的な使い方から、あまり知られていない応用テクニックまでをレクチャーします。参加者のスキルアップを支援することで、製品への満足度と定着率を高めます。
  • 開発者・担当者とのAMA(Ask Me Anything)セッション:「なんでも質問会」と題し、普段は聞けない開発の裏話や今後の展望について、担当者が直接ユーザーの質問に答えます。企業の透明性を示し、ユーザーとの信頼関係を深める効果があります。
  • ユーザー登壇イベント:実際に製品・サービスをうまく活用しているユーザーに登壇してもらい、成功事例を共有してもらいます。他のメンバーにとって具体的な目標となり、コミュニティ全体の活性化と活用レベルの底上げに繋がります。

イベント後には、録画アーカイブを限定公開したり、資料を配布したりすることで、参加できなかったメンバーへの価値提供も忘れないようにしましょう。

参加者限定の特別なコンテンツ提供

「このコミュニティに参加しているからこそ得られるメリット」を明確に打ち出すことは、メンバーの帰属意識と満足度を高める上で極めて重要です。限定コンテンツは、コミュニティの価値そのものを高め、継続利用の強力な動機付けとなります。

提供するコンテンツには、以下のようなものが挙げられます。

コンテンツの種類 内容と目的
限定レポート・記事 業界の最新トレンドや市場調査レポート、専門家によるコラムなど、一般には公開していない質の高い情報を提供します。メンバーの知識向上に貢献し、コミュニティの専門性を高めます。
新機能の先行体験 正式リリース前の新機能やベータ版へアクセスできる権利を提供します。メンバーは「特別扱いされている」という優越感を得られると同時に、企業は貴重なフィードバックを得ることができます。
開発ロードマップの共有 今後の製品開発計画やサービス改善の方向性をメンバーに共有します。ユーザーを「共創パートナー」として扱うことで、ブランドへの当事者意識を高め、長期的な関係を築きます。
限定クーポン・特典 コミュニティメンバーだけが利用できる割引クーポンや、アップグレード特典を提供します。直接的な経済的メリットを提供することで、満足度向上とアップセル・クロスセルを促進します。

これらのコンテンツは、コミュニティへの参加が単なる情報収集の場ではなく、ビジネスや個人の成長に繋がる「投資」であると認識させる上で効果的です。

UGCを促進するキャンペーンの実施

UGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)は、企業発信の情報よりも信頼性が高く、第三者による客観的な評価として非常に強力なマーケティング資産となります。コミュニティ内でUGCの創出を促すことで、エンゲージメント向上と外部への情報拡散(新規顧客獲得)を同時に狙うことができます。

UGCを促進するキャンペーンの代表例は以下の通りです。

  • SNSハッシュタグキャンペーン:特定のハッシュタグ(例:#〇〇のある暮らし)をつけて、製品を使った写真や感想をX(旧Twitter)やInstagramに投稿してもらう企画です。優れた投稿を公式サイトやコミュニティ内で紹介したり、抽選でプレゼントを進呈したりすることで、参加意欲を高めます。
  • 活用事例コンテスト:製品やサービスを使った独自の活用法や成功事例を募集します。グランプリ受賞者には豪華な賞品を用意するだけでなく、公式アンバサダーとして活動してもらうなど、名誉あるインセンティブを提供することも有効です。
  • レビュー投稿企画:自社サイトや外部のレビューサイトへの口コミ投稿を促し、謝礼としてポイントや限定グッズなどを提供します。これにより、購入を検討している潜在顧客の意思決定を後押しする効果が期待できます。

重要なのは、集まったUGCを二次利用する許可を事前に得ておくことです。ユーザーのリアルな声を広告やLP(ランディングページ)に活用することで、コンバージョン率の改善にも繋がります。

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メンバー同士の交流を活性化させる仕掛け

コミュニティが長期的に存続し、価値を提供し続けるためには、企業とメンバー(1対N)の関係だけでなく、メンバー同士(N対N)の横の繋がりを育むことが不可欠です。メンバー同士で助け合ったり、情報交換したりする文化が生まれれば、運営側の負担が軽減されるだけでなく、コミュニティへのエンゲージメントが飛躍的に高まります。

交流を活性化させるためには、メンバーが主役となって自発的にコミュニケーションを取れる環境づくりが鍵となります。

具体的な仕掛けの例

  • テーマ別チャンネルの設置:SlackやDiscordなどのツールを活用し、「自己紹介」「雑談」「製品Aに関するQ&A」「業界ニュース共有」など、目的別のチャンネルやスレッドを用意します。これにより、メンバーは興味のあるトピックについて話しやすくなります。
  • 定期的なお題の提供:運営側から「最近ハマっている〇〇」「仕事で役立った〇〇の使い方」といったディスカッションのきっかけとなるお題を投げかけ、会話を促します。
  • メンバー紹介企画:活躍しているメンバーやユニークな活動をしているメンバーにインタビューし、コミュニティ内で紹介します。他のメンバーがその人を知るきっかけとなり、新たな交流が生まれる可能性があります。
  • 分科会(部活動)制度:特定のテーマ(例:Webデザイン、動画編集、特定の業界など)に興味があるメンバー同士でグループを結成し、主体的な活動を促します。運営は場所の提供や活動の告知など、黒子としてサポートに徹します。

運営者は管理者として振る舞うのではなく、会話を促進する「ファシリテーター」としての役割を意識することが成功のポイントです。

オフラインでのミートアップ

オンラインでの交流が深まった先にオフラインでのリアルな接点を持つことは、コミュニティの熱量を最大化し、強固なファンを育成する上で非常に効果的です。直接顔を合わせることで生まれる一体感や信頼関係は、オンラインだけでは得難い特別な価値を持ちます。

オフラインイベントは、ブランドと顧客の感情的な繋がりを強化し、忘れられない体験を提供する絶好の機会です。

  • ファンミーティング・感謝祭:日頃の感謝を伝えることを目的としたイベントです。軽食やドリンクを用意し、開発者や社員とメンバーが気軽に交流できる場を設けます。新製品のサプライズ発表などを行えば、より一層盛り上がります。
  • リアル勉強会・ワークショップ:オンラインセミナーで扱ったテーマを、オフラインでより深く学ぶ場を提供します。グループワークなどを取り入れることで、参加者同士の繋がりも深まります。
  • オフィスツアー・工場見学:普段は見ることができない企業の「裏側」を見せることで、親近感と特別感を醸成します。製品がどのように作られているかを知る体験は、ブランドへの愛着を深めることに繋がります。

オフラインイベントを企画する際は、参加者の安全を最優先に考えることはもちろん、遠方で参加できないメンバーのためにイベントの様子をレポート記事にまとめたり、一部をライブ配信したりするなど、疎外感を与えない配慮も重要です。

【国内事例】コミュニティマーケティングの成功企業3選

コミュニティマーケティングは、業種やビジネスモデルを問わず多くの企業で導入され、大きな成果を上げています。ここでは、BtoC、BtoB、SaaSの各領域でコミュニティマーケティングを成功させている国内企業の代表的な事例を3つご紹介します。各社がどのようにコミュニティを構築し、顧客との関係性を深め、LTV向上に繋げているのか、その戦略と具体的な手法を詳しく見ていきましょう。

BtoCの成功事例 株式会社良品計画(無印良品)

BtoCにおけるコミュニティマーケティングの代表格が、株式会社良品計画が展開する「無印良品」です。無印良品は、単に商品を販売するだけでなく、顧客を「生活の探求者」と位置づけ、共に「感じ良い暮らし」を創り上げていくパートナーとして巻き込むことで、強固なファンコミュニティを形成しています。

無印良品のコミュニティ概要
項目 内容
コミュニティの目的 顧客との共創による商品開発、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出、ブランドへのエンゲージメント向上
主なプラットフォーム 公式アプリ「MUJI passport」、Webサイト「IDEA PARK」、店舗
主な活動内容 商品アイデアの募集、レビュー投稿、店舗イベント・ワークショップの開催、地域コミュニティとの連携(つながる市など)

無印良品のコミュニティ戦略の核心は、顧客の声を起点とした商品開発と体験価値の提供にあります。その象徴的な取り組みが、Webサイト上の「IDEA PARK(アイデアパーク)」です。ここでは、顧客が「こんな商品が欲しい」「既存商品をこう改善してほしい」といったリクエストを自由に投稿できます。実際に、大ヒット商品となった「体にフィットするソファ」や「足なり直角靴下」などは、顧客の声から生まれました。

このプロセスは、顧客に「自分の声がブランドを動かしている」という実感を与え、単なる消費者からブランドの共創者へと意識を変革させます。結果として、非常に高い顧客ロイヤリティが醸成され、継続的な購入、すなわちLTVの最大化に直結しています。また、アプリやSNSでのレビュー投稿も活発で、信頼性の高いUGCが自然発生的に拡散される好循環を生み出しています。

BtoBの成功事例 サイボウズ株式会社

BtoB領域、特にSaaSビジネスにおいてコミュニティマーケティングの重要性を示したのが、グループウェアで知られるサイボウズ株式会社です。同社は、製品の機能や価格だけで差別化するのではなく、顧客同士が繋がり、成功体験を共有する場を提供することで、顧客の成功を支援し、結果として自社の成長を実現しています。

サイボウズのコミュニティ概要
項目 内容
コミュニティの目的 製品活用ノウハウの共有、顧客満足度の向上、解約率(チャーンレート)の低減、ユーザー主導の課題解決促進
主なプラットフォーム ユーザーイベント「kintone hive」、オンラインコミュニティ「キンコミ」、開発者向けサイト「cybozu developer network」
主な活動内容 ユーザー登壇型の活用事例共有イベント、オンラインでのQ&Aやディスカッション、開発者向け技術情報の発信

サイボウズのコミュニティ戦略で特筆すべきは、ユーザーが主役となるイベント「kintone hive(キントーンハイブ)」です。このイベントでは、サイボウズの社員ではなく、実際にkintoneを活用しているユーザー自身が登壇し、自社の課題をどのように解決したかという具体的な事例を発表します。同じ悩みを持つユーザーにとって、ベンダーからの説明よりも遥かに説得力があり、具体的な活用イメージを掴む絶好の機会となります。

このようなユーザー主体のナレッジ共有は、個々の顧客の製品活用レベルを引き上げるだけでなく、「他のユーザーも頑張っているから自社も頑張ろう」という一体感やモチベーションを醸成します。これが製品へのエンゲージメントを高め、サービスからの離脱を防ぐ強力な防波堤として機能し、SaaSビジネスの最重要指標であるチャーンレートの低減に大きく貢献しています。顧客が顧客を教え、支え合うエコシステムを構築したことが、サイボウズの成功の鍵と言えるでしょう。

SaaSの成功事例 株式会社ヤプリ

アプリ開発プラットフォーム「Yappli」を提供する株式会社ヤプリも、カスタマーサクセスと連携したコミュニティマーケティングで高い評価を得ています。同社のコミュニティは、顧客がアプリを「作る」だけでなく、いかに「活用し、成果を出すか」という点にフォーカスしているのが特徴です。

ヤプリのコミュニティ概要
項目 内容
コミュニティの目的 アプリ活用レベルの向上、成功事例の共有によるサービス全体の価値向上、顧客同士のネットワーキング支援、顧客ロイヤリティの醸成
主なプラットフォーム 大規模カンファレンス「Yappli Summit」、ユーザー限定ポータルサイト「Yappli Port」
主な活動内容 最新のアプリマーケティング情報の提供、ユーザー企業の成功事例セッション、テーマ別分科会、オンラインでの情報交換

ヤプリのコミュニティ戦略の核となるのが、年に一度開催される大規模カンファレンス「Yappli Summit」です。このイベントには数千人規模の顧客が集まり、アプリマーケティングの最新トレンドや、様々な業界の成功事例を学びます。単なる製品の勉強会ではなく、業界全体の知見を共有する「知の祭典」としてブランディングすることで、顧客の学習意欲を刺激し、コミュニティへの参加価値を高めています。

コミュニティマーケティングを成功に導く3つのポイント

コミュニティマーケティングの戦略を立て、具体的な手法を実践しても、すべての企業が成功を収められるわけではありません。成功と失敗を分けるのは、多くの場合、目先の戦術ではなく、その根底にある「思想」や「組織の姿勢」です。ここでは、コミュニティという長期的な資産を築き、LTV(顧客生涯価値)の最大化へと繋げるために不可欠な3つの成功ポイントを詳しく解説します。

1. 短期的な成果を求めすぎない

コミュニティマーケティングは、種を蒔き、水をやり、時間をかけて大きな木に育てる活動に似ています。すぐに果実(売上)を収穫しようと焦ってはいけません。コミュニティの本質は、企業と顧客、あるいは顧客同士の「信頼関係の構築」にあり、これには相応の時間が必要です。

短期的なROI(投資対効果)や、入会者数といった表面的なKPIだけを追い求めると、本質を見失う原因となります。例えば、参加者数を増やすために過度な入会キャンペーンを行うと、コミュニティの質が低下し、本来ターゲットとすべき優良顧客が離れてしまう可能性があります。重要なのは、コミュニティが健全に育っているかを示す「プロセス指標」を重視することです。

立ち上げ初期は、まずコミュニティの活性化に注力しましょう。アクティブユーザー率、投稿数、コメント数、イベント参加率といったエンゲージメント指標をKPIに設定し、メンバーが安心して発言し、交流できる「心理的安全性」の高い場を育むことに集中してください。信頼関係という土壌がしっかりと固まれば、UGCの創出やLTVの向上といったビジネス成果は、後から自然とついてきます。経営層や関連部署には、こうしたコミュニティの特性を事前に説明し、長期的な視点での投資であるというコンセンサスを形成しておくことが成功の鍵となります。

関連記事:チームのパフォーマンスを高める上で重要な心理的安全性(Psychological Safety)を解説

2. 売り込みをせず価値提供に徹する

コミュニティに参加するメンバーは、広告やセールストークを聞きに来ているわけではありません。彼らが求めているのは、有益な情報、同じ興味を持つ仲間との繋がり、あるいは自己実現の機会です。企業側からの一方的な「売り込み」は、コミュニティの信頼を根底から破壊する最も危険な行為です。

コミュニティ運営の基本姿勢は「Give & Give」。企業がまずメンバーに対して惜しみなく価値を提供し続けることで、初めてメンバーからの信頼と貢献(Take)が生まれます。提供すべき価値は、製品情報だけにとどまりません。

  • 情報的価値:専門知識、業界の最新トレンド、限定ノウハウ、失敗談など、他では得られない有益な情報。
  • 情緒的価値:共感や承認、一体感、帰属意識など、メンバーが「ここの一員でよかった」と感じられる心理的な充足感。
  • 交流価値:メンバー同士が繋がり、新たな人間関係やビジネスチャンスを築けるネットワーキングの機会。
  • 自己実現価値:メンバーが自身の知識や経験を発表したり、他のメンバーから賞賛されたりする自己表現・自己実現の場。

これらの価値提供に徹することで、メンバーは企業やブランドに対して強い愛着(ロイヤルティ)を抱くようになります。その結果、自発的に製品を推奨するUGC(ユーザー生成コンテンツ)が生まれたり、友人や知人にサービスを紹介してくれたりといった、企業にとって望ましい行動へと繋がっていくのです。

価値提供と売り込みの比較

観点 良い例(価値提供) 悪い例(売り込み)
投稿内容 ユーザーの課題解決に役立つノウハウや活用事例を紹介する。 新商品の告知やキャンペーンの案内ばかりを投稿する。
イベント メンバー同士が学び合い、交流できるワークショップや勉強会を開催する。 製品のデモンストレーションや商談会を主目的としたセミナーを開催する。
コミュニケーション メンバーの投稿に積極的に「いいね」やコメントをし、対話を促す。 企業からの告知に寄せられた質問にだけ、事務的に返信する。

3. コミュニティマネージャーの役割を明確にする

活気あふれるコミュニティは、自然発生的に生まれるわけではありません。その裏には、コミュニティの活性化に責任を持つ「コミュニティマネージャー」の存在が不可欠です。コミュニティマネージャーは、単なる「管理人」や「担当者」ではありません。企業とメンバー、そしてメンバー同士を繋ぎ、コミュニティ全体の熱量を高めていく「ハブ」であり「演出家」です。

この役割を軽視し、他の業務と兼任させたり、役割を曖昧にしたまま運営したりすると、コミュニティはすぐに停滞してしまいます。コミュニティを成功させるためには、専門職としてのコミュニティマネージャーを設置し、その役割と責任範囲を明確に定義することが極めて重要です。

コミュニティマネージャーには、高いコミュニケーション能力や共感力はもちろん、イベントの企画力、議論を円滑に進めるファシリテーションスキル、データを基に改善策を立案する分析能力など、多岐にわたるスキルが求められます。彼らがコミュニティの「顔」としてメンバーと真摯に向き合い、一貫した姿勢で場を育んでいくことで、コミュニティ独自の文化が醸成され、持続的な成長が可能になります。

コミュニティマネージャーの主な役割と業務

役割のカテゴリ 具体的な業務内容
企画・戦略 コミュニティの目的・KPI設定、コンテンツ企画、イベント立案、年間計画の策定
運営・ファシリテーション 日々のコンテンツ投稿、スレッドの監視、メンバー間の交流促進、議論の活性化、イベントの司会進行
文化醸成 コミュニティルールの策定・周知、ブランドの価値観の体現、新規参加者のオンボーディング支援、貢献メンバーの称賛
分析・レポーティング KPIのモニタリングと効果測定、メンバーへのアンケート実施、フィードバックの収集と分析、経営層へのレポーティング

コミュニティ運営におすすめのプラットフォームとツール

コミュニティマーケティングを成功させるためには、戦略や企画だけでなく、それを実行するための土台となるプラットフォームや、運営を効率化・高度化するツールの選定が極めて重要です。目的やコミュニティの規模、参加者のITリテラシー、そして予算に応じて最適なものを選ぶ必要があります。ここでは、「コミュニティプラットフォーム」「コミュニケーション円滑化ツール」「効果測定・分析ツール」の3つのカテゴリに分け、具体的な選択肢を解説します。

コミュニティプラットフォームの比較

コミュニティの「ホーム」となる場所です。参加者が集い、交流し、コンテンツに触れる中心的な役割を担います。無料のSNSから高機能な有料サービスまで多岐にわたるため、自社の目的(顧客サポート、ファン育成、共創など)と将来的な拡張性を見据えて慎重に選びましょう。

サービス名 主な特徴 ターゲット 強み・ポイント
commmune(コミューン) 顧客ポータルをノーコードで構築・運用できるプラットフォーム。顧客成功(カスタマーサクセス)に必要な機能を網羅。 BtoB、BtoC問わず幅広い業種。特にエンタープライズ企業での導入実績が豊富。 高いカスタマイズ性と外部ツール連携が強み。SalesforceなどのCRM/SFAと連携し、顧客データに基づいたパーソナライズされた体験を提供可能。
coorum(コーラム) 顧客の疑問を自己解決に導き、LTV向上を実現するコミュニティツール。Q&A機能やFAQ構築に強い。 BtoB SaaS企業、サブスクリプションモデルのサービス提供企業。 顧客の疑問や課題をデータとして可視化し、プロダクト改善やFAQコンテンツの充実に繋げられる。カスタマーサポートの工数削減と顧客満足度向上を両立させたい企業に最適。
OSIRO(オシロ) ファンや会員の熱量を可視化し、活性度の高いメンバーが報われる仕組みを持つプラットフォーム。 アーティスト、クリエイター、スクール、ブランドなどのファンコミュニティ。 独自の「活動データ」や「OSIROスコア」により、貢献度の高いファンを自動で可視化。コアなファンを育成し、熱量を中心としたコミュニティを形成したい場合に強力な選択肢となります。
Discord(ディスコード) テキスト、ボイス、ビデオチャットが可能なコミュニケーションツール。無料でサーバーを立てられる。 スタートアップ、Web3、ゲーム、クリエイターコミュニティなど。 無料で始められる手軽さと、高いカスタマイズ性・リアルタイム性が魅力。Botを導入することで機能を拡張でき、クローズドで活発なコミュニケーションの場を迅速に構築できます。
Slack(スラック) ビジネスチャットツールとして有名だが、外部ユーザーを招待できる「Slack コネクト」機能で顧客コミュニティとしても活用可能。 BtoB企業、特にITリテラシーの高い顧客層を持つ企業。 多くのビジネスパーソンが使い慣れており、導入ハードルが低い。既存の業務フローに組み込みやすく、迅速な顧客対応や情報共有が可能です。
Facebookグループ 世界最大のSNSであるFacebook上で、無料でグループを作成・運営できる機能。 BtoC全般、地域コミュニティ、趣味のサークルなど。 圧倒的なユーザー数を背景に、手軽に始められる点が最大のメリット。イベント機能やアンケート機能も備わっていますが、機能の制約やデザインの自由度の低さがデメリットです。

コミュニケーションを円滑にするツール

コミュニティプラットフォームを補完し、メンバー間の交流やエンゲージメントをさらに深めるためのツールです。特にイベント開催やフィードバック収集において、専門ツールの活用は運営の質を大きく向上させます。

イベント・ウェビナー管理ツール

オンライン・オフライン問わず、イベントはコミュニティ活性化の起爆剤となります。告知から集客、参加者管理、当日の運営までをスムーズに行うツールは必須と言えるでしょう。

  • Peatix(ピーティックス): オンライン・オフラインイベントの告知、チケット販売、参加者管理、決済までを一元管理できる定番ツール。コミュニティ機能もあり、イベント参加者との継続的な関係構築に役立ちます。
  • Zoom(ズーム): オンラインイベントやウェビナー開催のデファクトスタンダード。ブレイクアウトルーム機能を使えば、参加者同士の小規模なグループディスカッションを促し、双方向のコミュニケーションを活性化できます。
  • connpass(コンパス): 主にIT・技術系の勉強会で利用されるプラットフォーム。ITエンジニア層をターゲットにしたコミュニティイベントであれば、高い集客効果が期待できます。

関連記事:ウェビナー集客をするには?告知タイミングやサイト作成、メール配信のコツ

アンケート・フィードバック収集ツール

コミュニティメンバーの声を直接聞くことは、企画の改善や満足度向上に不可欠です。手軽に使えるツールで定期的に意見を収集する仕組みを作りましょう。

  • Google フォーム: 無料で簡単にアンケートや申し込みフォームを作成できる万能ツール。スプレッドシートと連携して回答を自動で集計できるため、小〜中規模のコミュニティ運営に非常に便利です。
  • Typeform(タイプフォーム): デザイン性が高く、会話形式で回答を進められるUIが特徴。「一問一答」形式でユーザーの回答負担を軽減し、高い回答率が期待できます。ユーザー体験を重視するブランドイメージのコミュニティにおすすめです。

関連記事:Googleフォームの作り方とは? 作成方法の解説に加え役立つ使い方も紹介

効果測定と分析に役立つツール

コミュニティマーケティングは「やりっぱなし」では意味がありません。設定したKPIを正しく測定し、データに基づいて改善を繰り返すことがLTV最大化への道です。コミュニティの健全性やビジネスへの貢献度を可視化するツールを導入しましょう。

アクセス解析・行動分析ツール

コミュニティサイト上のユーザー行動を把握し、コンテンツ改善のヒントを得ます。

  • Google Analytics 4 (GA4): どのページがよく見られているか、ユーザーはどこから来訪したか、どのようなキーワードで流入したかなどを分析できます。エンゲージメント(滞在時間、スクロール率など)を重視するGA4の指標は、コミュニティの活性度を測る上で非常に有効です。

関連記事:Google Analytics(グーグルアナリティクス)とは?設定や使い方を解説

顧客データ連携・分析ツール

コミュニティでの活動が、実際のビジネス指標(購入、契約更新、LTVなど)にどう結びついているかを分析するために不可欠です。

  • Salesforce: CRM(顧客関係管理)の代表格。顧客情報とコミュニティでの活動状況(投稿、イベント参加など)を一元管理することで、「コミュニティへの参加がLTV向上にどれだけ貢献しているか」といった費用対効果(ROI)の精密な分析が可能になります。
  • HubSpot: CRM、MA、カスタマーサービス機能が統合されたプラットフォーム。顧客の行動履歴全体を把握し、コミュニティ参加が顧客ステージの進行に与える影響を分析できます。

関連記事:CRMとは何か?知っておきたいSFAとの違いやCRMツール導入の注意点まで徹底解説

NPS®・満足度測定ツール

NPS®(ネット・プロモーター・スコア)は「このサービスを友人にどれくらい勧めたいか」を測る、顧客ロイヤリティの重要な指標です。

  • Qualtrics(クアルトリクス): 高機能なアンケート・フィードバック管理ツール。NPS®調査を簡単に実施し、その結果を属性ごとに分析することで、どの層のロイヤリティが高いか、またその要因は何かを深く掘り下げることができます。

まとめ

本記事では、コミュニティマーケティングの重要性から具体的な始め方、成功のポイントまでを解説しました。広告効果の低下や顧客獲得コストの高騰が進む現代において、顧客と継続的な関係を築きLTVを最大化するコミュニティマーケティングは、企業にとって不可欠な戦略です。成功の鍵は、短期的な成果を追わず、売り込みをせずに価値提供に徹することです。無印良品やサイボウズの事例を参考に、自社に合ったコミュニティを構築し、顧客との強い絆を育んでいきましょう。

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監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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