なぜ良い商品・サービスのはずが、顧客はリピートしてくれないのでしょうか。その根本原因は、価格や機能だけでは顧客の心を掴むことが難しくなった現代の市場環境にあります。この記事では、そうした顧客離反を防ぎ、事業を安定成長させる鍵となる「ファンベース」という考え方を解説。ファンベースの概念から、リピート率を高める具体的な構築ステップ、国内企業の成功事例までを網羅し、あなたのビジネスがファンに愛され、選ばれ続けるための道筋を示します。
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目次
顧客が離れていく3つの根本原因
多くの企業が新規顧客の獲得に多大なコストと労力を費やす一方で、既存の顧客がなぜ自社サービスから離れてしまうのか、その根本原因に目を向けることは後回しにされがちです。顧客が離反する背景には、企業側が気づきにくい、しかし深刻な問題が潜んでいます。この章では、顧客が離れていく代表的な3つの根本原因を掘り下げ、現代のビジネス環境における課題を明らかにしていきます。
原因1 価格や機能だけでは差別化できない
現代の市場、特にSaaSやITツールの分野では、技術の進化と情報の普及により、製品やサービスの機能が急速に同質化しています。いわゆる「コモディティ化」と呼ばれるこの現象は、価格や機能といった合理的な価値だけで競合他社との差別化を図ることを極めて困難にしています。顧客はインターネットで簡単に情報を比較検討できるため、少しでも安い、あるいは少しでも機能が豊富な代替品が見つかれば、容易に乗り換えてしまうのです。スペック競争は、やがて激しい価格競争へとつながり、企業の収益性を圧迫するだけの消耗戦になりかねません。
| 従来の差別化要因 | 現代の市場環境と課題 |
|---|---|
| 価格の安さ | 代替サービスの増加による価格競争の激化と、それに伴う利益率の低下。 |
| 機能の豊富さ・性能 | 技術の同質化(コモディティ化)により、機能面での優位性を保ち続けることが困難。 |
| 品質の高さ | 市場全体の品質が向上し、品質だけで大きなアドバンテージを築くことが難しくなっている。 |
関連記事:商品やサービスの「コモディティ化」ってどんな意味? 問題視される理由や原因・対策を解説
原因2 顧客との関係性が希薄になっている
デジタル化の進展は顧客接点の多様化をもたらしましたが、その一方でコミュニケーションが一方通行になり、顧客一人ひとりとの関係性が希薄になるという課題も生んでいます。メールマガジンの一斉配信や、ターゲティング広告の表示だけでは、顧客は「その他大勢」として扱われていると感じてしまいがちです。特にBtoBビジネスにおいては、導入後のフォローが事務的なやりとりに終始したり、担当者との人間的なつながりが築けなかったりすると、顧客は企業に対して親近感を抱くことができません。顧客を個として尊重し、継続的な対話を通じて信頼関係を深める努力を怠れば、些細な不満や競合からの魅力的な提案をきっかけに、顧客は静かに去っていくでしょう。
原因3 ブランドへの共感が生まれていない
製品やサービスが提供する機能的価値に満足していても、顧客がそのブランドのファンになるとは限りません。顧客が離反する最後の、そして最も根深い原因は、ブランドへの「共感」が生まれていない点にあります。企業がどのような想いでその事業を行い、社会に対してどのような価値を提供しようとしているのか。そうしたブランドの姿勢や価値観、いわゆる「パーパス」が顧客に伝わっていなければ、情緒的なつながりは生まれません。「このブランドを応援したい」「この企業と共にありたい」と感じさせる共感がなければ、顧客と企業の関係は単なる取引に過ぎず、より良い条件のサービスが現れれば、ためらうことなく乗り換えられてしまいます。顧客がブランドの「ファン」ではなく、単なる「ユーザー」に留まっている状態は、非常に不安定な関係性なのです。
関連記事:パーパスとは何か?企業経営における意味とパーパス・ブランディングの取り組み方
顧客離反を防ぐ「ファンベース」という考え方
この章では、顧客が離れていく状況を打破するための新しいアプローチ「ファンベース」という考え方について解説します。ファンベースの基本的な意味から、なぜ現代のビジネス、特にBtoBの領域で重要視されているのか、そして事業にもたらす持続的な成長までを掘り下げていきましょう。

ファンベースとは何か 顧客ロイヤルティとの違い
ファンベースとは、マーケターの佐藤尚之氏によって提唱された考え方で、企業やブランドが大切にする価値を支持してくれる「ファン」を基盤とし、中長期的に事業価値を高めていくアプローチです。 単に商品を繰り返し購入するリピーターではなく、企業の理念や姿勢に共感し、愛着を持ってくれるファンを大切にすることがすべての起点となります。
ここで、しばしば混同されがちな「顧客ロイヤルティ」との違いを明確にしておきましょう。ファンベースと顧客ロイヤルティは密接に関連しますが、その意味合いは異なります。
| 項目 | ファンベース | 顧客ロイヤルティ(顧客ロイヤリティ) |
|---|---|---|
| 定義 | ファンを基盤に中長期的な成長を目指す「考え方」「アプローチ」 | 企業やブランドに対する「信頼」「愛着」といった心理的な状態 |
| 焦点 | ファンとの関係構築と共創活動 | 顧客の心理的な満足度や推奨意向(NPS®など) |
| 目的 | LTV向上、UGC創出、事業基盤の安定化 | リピート購入率の向上、解約率の低下 |
つまり、顧客ロイヤルティはファンが抱く「感情や心理状態」を指すのに対し、ファンベースはそのロイヤルティの高い顧客、すなわちファンを中心に据えて具体的なアクションを組み立て、事業を成長させるための「思想であり戦略」と言えます。
関連記事:現代のマーケティングで重要ポイントとなる「ロイヤリティ」とは? 具体的な戦略・成功事例とともに解説
なぜ今ファンベースが重要視されるのか
現代の市場において、ファンベースの考え方が急速に重要性を増している背景には、主に3つの時代的変化があります。
第一に、多くの業界で市場が成熟し、製品の機能や価格だけで他社と差別化を図ることが極めて困難になっている点です。 特にBtoBのSaaS業界などでは、機能の同質化が進みやすく、顧客は「どのサービスを選んでも大差ない」と感じがちです。
第二に、インターネットとSNSの普及による情報過多です。企業からの一方的な広告は顧客に届きにくくなる一方で、信頼できる知人や実際に利用しているユーザーからの口コミ(UGC)の影響力が絶大になっています。 企業がコントロールできない場所でブランドの評判が形成される時代だからこそ、熱量を持って好意的な発信をしてくれるファンの存在が不可欠なのです。
そして第三に、サブスクリプションモデルに代表されるストック型ビジネスの浸透です。新規顧客の獲得コスト(CAC)をかけても、すぐに解約されてしまっては収益につながりません。既存顧客との関係を維持・深化させ、LTV(顧客生涯価値)を最大化することの重要性が、かつてなく高まっています。 これらすべての課題に対する有効な答えが、ファンベースという考え方なのです。
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ファンベースがもたらす安定した事業成長
ファンベースを経営やマーケティングの中心に据えることは、企業に短期的な売上以上の、安定的かつ持続的な成長をもたらします。具体的には、以下のようなメリットが期待できます。
- 売上の安定とLTVの向上
ファンは景気の変動や競合の登場に左右されにくく、継続的に自社の製品・サービスを利用してくれます。 これにより、事業の売上基盤が安定し、一人ひとりの顧客から得られる生涯価値(LTV)が向上します。 - 新規顧客獲得コストの削減
熱量の高いファンは、自らの言葉でSNSやコミュニティ、あるいは友人・同僚に製品の魅力を伝えてくれます。 この「ファンによる推奨」は、どんな広告よりも信頼性が高く、結果として広告宣伝費を抑えながら新たな顧客を呼び込む好循環を生み出します。 - 製品・サービスの質の向上
ファンは単なる消費者ではなく、ブランドを共に創る「共創パートナー」ともなり得ます。 彼らから寄せられる本質的で質の高いフィードバックは、サービス改善や次のイノベーションの貴重なヒントとなり、製品価値をさらに高めることにつながります。
リピート率を向上させるファンベース構築の3ステップ
顧客が自社のファンとなり、継続的にサービスを利用してくれる状態は、一朝一夕には生まれません。しかし、正しい手順を踏むことで、着実に顧客との絆を深めることが可能です。この章では、顧客の離反を防ぎ、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための「ファンベース」構築の具体的な3ステップについて、企業のマーケターが明日から実践できる形で詳しく解説していきます。

ステップ1 共感を強くする ブランド価値の明確化
ファンベース構築の最初のステップは、顧客に「このブランドは自分たちのためのものだ」と感じてもらうための「共感」を創出することです。価格や機能といったスペック競争から脱却し、自社ならではの価値を明確に打ち出すことが全ての土台となります。
自社の強みと提供価値を再定義する
まずは、自社が顧客に提供している価値を深く掘り下げてみましょう。単に「何(What)を売っているか」だけでなく、「なぜ(Why)それを行っているのか」という事業の根幹にある目的や信念を言語化することが重要です。サイモン・シネック氏が提唱する「ゴールデンサークル理論」は、この思考を整理する上で非常に有効なフレームワークとなります。顧客は「何を」買うかではなく、「なぜ」に共感し、そのブランドを選ぶのです。 自社の存在意義を再定義し、それを社内外に一貫して発信することで、ブランドの揺るぎない軸が生まれます。
ブランドストーリーを発信する
定義したブランド価値を、顧客の感情に訴えかける「物語」として発信することも不可欠です。創業者の想い、製品開発の裏側にある試行錯誤、顧客と共に困難を乗り越えたエピソードなど、人間味あふれるストーリーは事実の羅列よりも強く記憶に残ります。 特にBtoBサービスにおいては、導入企業がどのように課題を解決し、成功へと至ったのかをサクセスストーリーとして描くことで、未来の顧客は自社の成功イメージを重ね合わせ、強い共感を抱くようになります。
ステップ2 愛着を育む 顧客との継続的な接点作り
共感の土台ができたら、次はその気持ちを「愛着」へと育てるステップに進みます。そのためには、顧客との間に継続的かつ良質なコミュニケーションの機会を設け、関係性を深めていく必要があります。
SNSやオウンドメディアでの発信
SNSやオウンドメディアは、顧客と日常的に繋がるための強力なツールです。ただし、一方的な製品宣伝ばかりでは顧客の心は離れてしまいます。発信の主役はあくまで顧客であり、彼らの役に立つ情報や、共感を呼ぶコンテンツを提供し続ける姿勢が重要です。各メディアの特性を理解し、戦略的に使い分けることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
| メディア種別 | 役割 | 発信内容の例(BtoB向け) |
|---|---|---|
| オウンドメディア(ブログ) | 思想や専門知識の発信 | 業界の最新動向解説、ツールの高度な活用術、導入事例の詳細レポート |
| X(旧Twitter) | リアルタイムな交流と情報拡散 | Tipsの発信、ユーザーからの質問への回答、中の人の顔が見える日常的な投稿 |
| note | ブランドストーリーや想いの発信 | 開発秘話、企業のカルチャー、代表のメッセージ、社会課題への取り組み |
ファンコミュニティを立ち上げ交流を促す
顧客同士が繋がり、情報交換や交流ができる「場」を提供することも、愛着を深める上で非常に効果的です。 ファンコミュニティは、顧客に帰属意識をもたらし、ブランドへのエンゲージメントを熱狂的なレベルにまで高めるポテンシャルを秘めています。BtoBビジネスであれば、JAWS-UGなどAWS(Amazon Web Services)のユーザーグループのように、顧客が主役となって学び合える環境を整えることが成功の鍵です。
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限定イベントで特別な体験を提供する
「このブランドのファンでいてよかった」と心から感じてもらうためには、ファン限定の「特別な体験」が欠かせません。例えば、新機能の先行体験会や開発者とのクローズドな座談会、あるいは普段は見ることのできないオフィスへの招待ツアーなどが考えられます。こうした非日常的な体験は、顧客にとって忘れられない思い出となり、ブランドへの愛着を決定的なものにします。
関連記事:ロイヤリティプログラムとは? その種類とメリット、成功のポイントを解説
ステップ3 信頼を高める 誠実な企業姿勢を示す
ファンベースを盤石なものにする最後のステップは、顧客からの「信頼」を勝ち取ることです。これは一過性の施策で得られるものではなく、日々の誠実な企業活動の積み重ねによってのみ醸成されます。
顧客の声をサービス改善に活かす仕組み
顧客を単なる「利用者」としてではなく、事業を共に創る「パートナー」として捉える姿勢が信頼の礎となります。アンケートやNPS(ネット・プロモーター・スコア)調査、ユーザーインタビューなどを通じて積極的に顧客の声(VOC)を収集しましょう。 そして、最も重要なのは、寄せられたフィードバックをどのようにサービス改善に活かしたのかを、透明性を持って報告することです。この真摯なサイクルが、「自分たちの声が届く」という安心感と信頼感に繋がります。
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ファンと共にブランドを育てる共創活動
信頼関係が十分に構築されたら、ファンを巻き込んでブランドを共に育てる「共創」のステージへと進みます。 例えば、製品の次期バージョンのアイデアをファンから募集したり、ブランドの魅力を広めてもらうアンバサダープログラムを立ち上げたりといった活動が挙げられます。ファンは「お客様」から「当事者」へと意識が変わり、自社のサービスを我がことのように応援してくれる最も強力な味方となってくれるでしょう。
ファンベースマーケティングの国内成功事例
この章では、ファンベースマーケティングを実践し、顧客との強い絆を築くことで事業を成長させている国内企業の成功事例を具体的に掘り下げていきます。BtoCビジネスの事例ですが、その根底にある考え方や施策は、BtoBマーケターの皆様にとっても、顧客との関係性を深化させLTVを向上させるための重要なヒントとなるでしょう。

ヤッホーブルーイングに学ぶ熱狂の作り方
クラフトビールメーカーのヤッホーブルーイングは、顧客を単なる「消費者」ではなく「ファン」と捉え、対等なパートナーとして接することで、熱狂的なファンコミュニティを形成している代表的な企業です。 同社の成功は、一過性のブームに終わらせない、継続的な関係構築の賜物と言えます。
具体的な施策として特に有名なのが、ファンと社員が一体となって楽しむ大規模なリアルイベント「よなよなエールの超宴」です。 これは単なる製品試飲会ではなく、ブランドの世界観を共有し、ファン同士や社員との交流を深める「共創の場」として設計されています。このような特別な体験が、ファンのブランドへの愛着を一層強固なものにしています。
| 施策 | 目的・効果 |
|---|---|
| ファンイベント(超宴)の開催 | ブランドの世界観共有、ファン同士・社員との交流促進、特別な体験の提供による愛着の深化 |
| SNSでの人格的な情報発信 | 日常的な接点の創出、親近感の醸成、双方向コミュニケーションによる信頼関係の構築 |
| ファンとの共創活動 | 製品開発やプロモーションへの意見反映による「自分ごと化」の促進、ロイヤルティの向上 |
BtoBビジネスにおいても、ユーザーカンファレンスや限定セミナーを単なる情報提供の場とせず、参加者同士が交流し、成功事例や悩みを共有できる「コミュニティ」として設計することで、ヤッホーブルーイングのような熱狂を生み出すことが可能です。
カインズが実践するコミュニティ活用術
ホームセンター大手のカインズは、オンラインコミュニティ「CAINZ DIY Square」を軸にファンベースを構築し、大きな成功を収めています。 このコミュニティは、DIYという共通の趣味を持つ人々が集い、作品の投稿やノウハウの交換、質問などを通じて活発に交流するプラットフォームです。
カインズの巧みな点は、企業が一方的に情報を発信するのではなく、顧客同士のコミュニケーションを活性化させる場を提供していることにあります。 ユーザーが生成するコンテンツ(UGC)が新たな顧客を呼び込み、コミュニティへの参加が店舗への来店や購買に繋がるという好循環を生み出しています。実際に、コミュニティ参加メンバーは非参加者に比べて年間購入金額が高いというデータも報告されています。
| 施策 | 目的・効果 |
|---|---|
| オンラインコミュニティの運営 | 顧客同士の交流促進、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出、顧客ニーズの収集 |
| 店舗でのワークショップ開催 | DIY体験の提供によるブランドへの愛着醸成、顧客のスキルアップ支援、リアルな交流の場の提供 |
| 顧客の声に基づく商品開発 | 顧客ニーズを反映した商品開発による満足度の向上、共創活動による信頼関係の構築 |
このアプローチは、SaaSやITツールを扱うBtoB企業にとって非常に示唆に富んでいます。自社ツールの活用方法を共有し合うユーザーコミュニティを立ち上げ、成功事例をシェアしたり、ユーザーからのフィードバックを製品改善に活かしたりすることで、顧客の成功を支援し、解約率の低下とLTVの向上に繋げることができるでしょう。
ファンベース導入に関するよくある質問
この章では、ファンベースの導入を検討されているマーケターの皆様から寄せられる代表的な質問とその回答をご紹介します。BtoBビジネスにおける有効性や、成果が出るまでの期間、予算に応じた始め方など、具体的な疑問を解消し、導入への一歩を後押しします。
BtoBビジネスでもファンベースは有効か
結論から言うと、BtoBビジネスにおいてこそ、ファンベースの考え方は極めて重要です。BtoCに比べて顧客数が限られ、一社あたりの取引額が大きくなるBtoBでは、顧客一人ひとりとの関係性が事業の安定に直結するためです。 特にSaaSのような継続利用が前提のモデルでは、顧客の成功体験を積み重ね、信頼関係を築くことが解約率の低下とLTV(顧客生涯価値)の向上に不可欠です。
また、BtoBでは導入決定に複数の部署や役職者が関わることが少なくありません。現場担当者が製品・サービスの熱心なファンになることで、その熱意が組織全体に伝播し、ボトムアップでの全社導入や上位プランへのアップセルを後押しする強力な推進力となり得ます。
成果が出るまでにどれくらいの時間がかかるか
ファンベースの構築は、短期的な広告キャンペーンとは異なり、顧客との信頼関係をじっくりと育む活動です。そのため、成果を実感するまでには、一般的に半年から1年以上の長期的な視点が必要とされています。
ただし、成果は売上向上というかたちだけで現れるわけではありません。初期段階では、SNSでのエンゲージメント率の上昇、コミュニティでの発言数の増加、顧客からのフィードバック件数の増加といった定性的な変化として現れます。これらの先行指標が、将来的な解約率の低下、顧客単価の上昇、そしてファンによる紹介(リファラル)を通じた新規顧客獲得へと繋がっていきます。 焦らず、段階的な目標を設定し、施策を継続することが成功の鍵となります。
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少ない予算でファンベースを始める方法は
ファンベースの構築は、必ずしも大規模な予算を必要とするわけではありません。重要なのは予算の大小ではなく、顧客一人ひとりと真摯に向き合い、対話を始める姿勢です。まずは、今あるリソースを最大限に活用し、小さな一歩から踏み出すことができます。
以下に、少ない予算で始められる具体的な施策例をまとめました。
| 施策の方向性 | 具体的なアクション例 | ポイント |
|---|---|---|
| 既存ツールを活用する | SNS(X、Facebookなど)で、製品開発の裏側や社員の想いを発信する。 | 広告感をなくし、人間味のある「中の人」として顧客と対話する。 |
| 顧客の声を起点にする | 既存顧客にインタビューを行い、導入事例としてコンテンツ化し、自社メディアで発信する。 | 成功事例だけでなく、導入時の苦労やそれをどう乗り越えたかを共有することで共感を呼ぶ。 |
| オンラインで接点を作る | 無料のツールを使い、ユーザー限定のオンラインミートアップや勉強会を定期的に開催する。 | 企業からの一方的な情報提供ではなく、ユーザー同士が交流し、学び合える場作りを意識する。 |
まとめ
この記事では、多くの企業が直面する顧客離反の問題を掘り下げ、その根本的な解決策として「ファンベース」という考え方を解説しました。ファンベースとは、単なる顧客ロイヤルティを超え、ブランドへの共感と愛着を育むことで熱心なファンを増やしていくアプローチです。ご紹介した3つのステップを参考に、顧客との深い信頼関係を築き、競争に左右されない安定した事業成長を実現していきましょう。

