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マネジメントとは?定義や役割、マーケティングにおけるKPIマネジメントについて解説します

2021.5.20
読了まで約 5

企業や組織の持続的な発展に必要不可欠な要素である「マネジメント」。
人材育成や掲げた目標を達成するために、マネジメントに必要な能力やスキルを身に付けることが多くの組織で求められています。

今回は、マネジメントの基本的な意味や役割、マーケティング目線でのマネジメントであるKPIマネジメントについて解説していきます。

マネジメントとは

マネジメントとは「管理」「経営」という意味があり、ビジネスにおけるマネジメントは組織の管理や運営のことを意味します。

マネジメントの定義は様々ありますが、最も広く知られ一般的に認識されている定義は、現代経営学の父と呼ばれるアメリカの経営学者P.F.ドラッカーの著書「マネジメント」(1973年刊行)から生まれたとされています。

P.F.ドラッカーといえば、2009年刊行の『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの”マネジメント”を読んだら』で話題になり、読んだことがあるという方も多いのではないでしょうか。

関連記事:新一万円札の顔・渋沢栄一とマーケティングの祖父ドラッカーの言葉【歴史の偉人に学ぶマーケティング 連載第2回】

ドラッカーによるマネジメントの定義

ドラッカーは著書の中で、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」と定義しています。

具体的にいうと、組織が設定した目標を達成するために、ヒト・モノ・カネ・情報などの組織の資源を効果的に活用することがマネジメントであるということです。

また、ドラッカーはマネージャーのことを「組織の成果に責任を持つ者」と定義しています。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

マネジメントが必要とされる理由

近年、働き方の多様化により同じ組織の中で異なる年代・キャリア・価値観の人材が、同じ目標に向かって働いています。

メンバーそれぞれが、自分の経験や価値観で仕事を進めても組織としてのまとまりがなく、成果を生み出すことができません。

マネジメントを行い、メンバーひとりひとりのキャリアや個性に適した業務を与えるなどの仕組みを作ることで、目標達成や組織発展の成果を最大化できます。

また、成果を最大化させるための人材を育成するためにも組織におけるマネジメントは欠かせません。

マネジメントとリーダーシップの違い

マネジメントと同じような意味を持ち、混同されがちな「リーダーシップ」。
マネジメントとリーダーシップは厳密には意味合いが違うので、この機会にぜひ覚えておきましょう。

マネジメント:設定した目標を達成するために組織を運営していくこと。
リーダーシップ:目標達成のための具体的な方向性を示すこと。

マネジメントの仕事内容

マネジメントの意味や役割が理解できたら、次はマネジメントとは具体的に何をするのかという仕事内容について解説していきます。

目標設定

マネジメントするうえで最も重要といえるのが目標設定です。
組織やチームがどのような目標に向かっていくのかを具体的に決め、メンバーに共有し理解、浸透させていきます。

自分たちが今からどこに向かうのか、そのためには何をすればいいのかを理解している組織とそうでない組織では成果に大きな差が生じます。

さらに、組織・チームとしてだけではなく、メンバーひとりひとりにも「目標」「ゴール」を設定しておくことで、メンバーに対する評価も適切に行うことができます。

業務管理

目標を設定したら、業務分担や人員配置、スケジュール管理をして業務管理をしていきます。

ひとりひとりの能力や性格を考慮しながら役割分担を行うと、個人が持つ強みや能力を最大限に発揮することができます。

そのためにも日頃からメンバーには色々な業務を挑戦させて、得手不得手を把握しておくことが必要です。

業務管理が適切に行えていないと、担当者がいない業務があったり、不要な業務に時間を割いたりと設定した期日までに目標を達成できなくなります。

モチベーションの維持

組織やチームが1つの目標に一丸となって進んでいくためには、ひとりひとりのモチベーションの維持が必要です。

マネジメントをする側(マネージャー)とマネジメントされる側(社員・メンバー)の双方がコミュニケーションを取りながら、抱えている不安を取り除いたり、現状で成果を出していることに対して評価をしたりして、モチベーションの維持を図っていきます。

チーム全体のモチベーションが向上すると生産性が高まります。

人材育成

組織を構成する人材を育成することも、マネジメントの重要な仕事の1つです。

人材育成は短期集中では完了しないので、中長期的な計画を立てて適正に合った仕事を与えながら、新たな知識を覚えたり、技術を習得したりできるようにサポートしていきます。

人材育成が成功すると組織全体の底上げになり、組織の価値が向上するでしょう。

評価

人材育成を上手に行うには、定期的な評価(フィードバック)をすることがポイントです。

評価の内容によって、業務に対するモチベーションは変化します。
適正な評価をすることで、メンバーひとりひとりが自身の課題を認識し、組織の中での立ち位置を理解することができます。

関連記事:新卒・新入社員の意欲向上につながる「ポジティブフィードバック」とは?効果的に活用するポイント

マネジメントの種類

マネジメントは組織における役割によって、マネジメントの取り方が分類されます。

トップマネジメント

トップマネジメントとは、組織の経営者層により行われるマネジメントのことで、会長や社長などの取締役会のメンバーや執行役員が該当します。

主に、自社の経営方針や事業戦略を検討し、組織の方向性を決めていくことが求められるマネジメントです。

経営に関する総合的な意思決定と、成果に対する最終的な責任を負う役割も持っています。

ミドルマネジメント

部長や課長、支店長などいわゆる「中間管理職」と呼ばれる層に求められる能力がミドルマネジメントです。

組織の方向性を決めるトップマネジメントのサポートをしながら、次に解説するローアーマネジメント層を直接指揮して、現場の意見を吸い上げる役割を持っています。

経営層と実際に業務を遂行するメンバーをつなぐパイプ役であり、重要なポジションとみなされます。

ローアーマネジメント

ローアーマネジメントは係長や主任、チームリーダーなどが実際に業務を行うメンバーを指揮・統制し、上層部が描くビジョンの実現を目指していきます。

メンバーの意見を聞き、ミドル層やトップ層へ伝えることもローアーマネジメントの重要な役割の1つです。

マーケティングにおけるマネジメント

多くの企業が取り入れているマネジメントの1つにKPIを利用したマネジメントである「
KPIマネジメント」があります。

マーケティングや営業に関わる方であればKPIは耳慣れしたビジネス用語ではないでしょうか。

KPIとは

KPIとはKey Performance Indicatorの略であり、日本語にすると「重要業績評価指標」という意味です。

簡単にいうと、目標の達成度合いの計測と評価をするための重要な指標です。

例えば、webマーケティングにおいてよく使われるKPIには下記のような項目があります。

· ページビュー数
· セッション数
· コンバージョン率
· 顧客単価
· リピート率

webサイトの目的によってKPIは異なりますが、各KPIを数値化・可視化して達成率を管理することをKPIマネジメントといいます。

関連記事:KPIとは?ビジネス成長に必須のKPIやKFSを正しく理解し「勝ち筋」を極める方法

KPIマネジメントを実践する前に覚えておきたい用語

KPIマネジメントを行ううえで関連する用語の意味を理解しておくとKPIマネジメントの理解が早く深まるので、頭に入れておきましょう。

KGI

KPIと似ているので混同しやすい用語のKGIはKey Goal Indicatorの略で、「重要目標達成指標」のことを示します。

売上高や利益率、成長率などのように組織が最終的に目指すゴールの数値のことで、KPIマネジメントを進める際にはまずKGIの設定をしてから、KPIを設定するという順になります。

関連記事:KPI・KGIの違い~目標達成に欠かせない2大項目の活用を考える

KSF

KSF(Key Success Factorの略)は「重要成功要因」という意味で、設定したKGIの実現に最も重要なプロセスのことです。

何をすれば、何があればKGIを達成できるのかということを具体的に考える必要があるので、KSFの設定では市場や顧客、自社のリソースなど外的・内的の両面から細かく分析することが求められます。

KPIマネジメントの手順

KPIとは何かが理解できたら、KPIマネジメントの手順を見ていきます。

KGIを設定する

先程も述べたように、KGIは組織が目指す最終的なゴールなので曖昧な目標ではなく、具体的にいつまでにこれだけでの成果を出すという明確な目標を設定します。

この時、達成可能な目標を設定するということがポイントで、全メンバーが理解したうえで目標に向かって業務に取り組めるようにします。
無理難題な目標を設定してしまうと、マネジメント失敗の恐れもありますので注意してください。

KGIと現実のギャップを確認する

現状の水準での予測数値と設定したKGIには多くの場合ギャップがあるため、どの程度のギャップがあるのかを把握します。

ギャップがないということは、新しい施策などせず従来通りの業務を行っていれば、目標が達成できるということになります。

ギャップを埋める施策を考える

どの程度ギャップがあるのかを把握したら、「そのギャップは埋められるのか」「どのようにギャップを埋めるのか」を考えます。

KSFを設定する

KGIを達成するための数あるプロセスの中から最も重要なものを絞り込みます。

KPIを設定する

絞り込んだKSFをもとに、最終目標を達成するための指標となるKPIを設定します。

この時のポイントは、KPIを多く設定しないことです。
複数のKPIを設定していると、どの指標を重視すれば良いのか分からなくなり、組織の方向性のまとまりが欠けてしまいます。

まとめ

マネジメントの役割や種類について解説しました。

働き方改革や、メンバーひとりひとりの価値観の多様化、ビジネス市場の複雑化の中で、企業・組織が大きく発展していくためには、マネジメント力を高めていくことが必要です。

マネジメントのポイントは、明確な目標設定・スケジュール管理・適切な評価です。

目標の達成、部下の育成などマネジメントは組織の中の様々な場面で求められる能力なので、正しいマネジメントの実践方法を身に付け、組織の成長に貢献していきましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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