Webマーケティングを行う際、トレンドを追いかけて時流に合わせた施策を打ったり、ユーザーの興味関心を集めている出来事を捉えたりするのは非常に重要です。しかし、それらを担当者が手動で行うのは非常に困難であり、無駄な時間と言っても過言ではありません。
そのような場合に役立つのが、リアルタイム検索です。本記事では、リアルタイム検索の概要やメリット、便利機能を紹介します。また、実際にリアルタイム検索を行う方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
リアルタイム検索とは
まずは、リアルタイム検索の概要から説明します。リアルタイム検索とは、検索したいトピック、キーワードに関連する内容をリアルタイムで検索することです。リアルタイム検索では、関連する内容がリアルタイムでどの程度検索されていたり、どのようなニーズがあったりするかを調べることができます。
リアルタイム検索は、ユーザーが求めている情報の参考になるため、Webマーケティングの施策の失敗確率を下げることも可能になります。ユーザーの反応を調べたい場合や、トレンドに合わせたマーケティングを行いたい場合は、リアルタイム検索を都度活用してみてはいかがでしょうか。
関連記事
・キーワードプランナーとは。活用方法を徹底解説します
・検索意図を分析してSEO効果のあるキーワードをコンテンツに活用しよう
リアルタイム検索のメリット
ここまで、リアルタイム検索の概要を解説してきました。ここからは、リアルタイム検索の以下3つのメリットを紹介します。
● 今、注目度が高い情報を集められる
● キーワードリサーチに使える
● 緊急時の情報収集ができる
それぞれ順番に見ていきましょう。
今、注目度が高い情報を集められる
リアルタイム検索を活用することで、現状の注目度が高い情報を集めることが可能です。政治・経済・世界情勢など、トレンド性が高い時事情報を集める際には特に有効な手段となります。
地震や洪水など災害大国でもある日本では、災害が起こったときにリアルタイム検索を活用することで、身の安全を守るための情報を効率良く収集できる手段としても活用できるでしょう。
実際に、Twitterにもリアルタイム検索機能が搭載されており、東日本大震災時には政府も情報発信のツールとして利用していました。
キーワードリサーチに使える
コンテンツマーケティングとして企業のブログ記事やオウンドメディアの運営を行う際は、検索ボリュームは小さかったとしても、長く検索され続けるキーワードを狙うことは非常に大切です。
同時に、一時的であったとしても、ユーザーの興味関心が大きく集まっている情報を取り扱うことも必要になります。なぜなら、これらのトレンドキーワードは被リンクを集めやすく、結果的に企業サイトやオウンドメディアを支える大きな土台となってくれるためです。
関連記事:SEOにおいて重要視される被リンクの効果と増やす方法について
また、トレンドキーワードは競合性が弱いこともあり、比較的簡単に上位表示を実現できます。リアルタイム検索機能を活用することで、トレンド性の高いキーワードをリサーチする手間を省けるでしょう。
緊急時の情報収集ができる
リアルタイム検索は、瞬時に情報を取得できるため、緊急の際の情報源として役立ちます。東日本大震災の際、被災地の様子や親しい人々の安否を知るために多くの人がTwitterを活用しました。さらに、震災後、消防庁や政府も情報提供の手段として使用しました。
熊本地震の時には、Twitterの多数の投稿から被災者のための情報を迅速に検索する新しいシステムが導入されました。
緊急事態では、多くの情報が同時に流れる中、誤った情報や事実と異なる情報も混在していることがあります。情報の出所やその正確性をしっかりと確認することが大切です。また、政府や消防庁、警察などの公式な情報源も参照することをおすすめします。
マーケティングに活用できる
リアルタイム検索を利用しその時その時の旬な情報を入手することで、その情報をマーケティングにも活用ができます。
例えば、自社で扱っている商品やサービスと同様のものなどが話題になっていれば、その時その時でマーケティングを強化し値下げなどの施策をすることで売れやすくできます。
また自社の商品やサービスに関連するキーワードなどがリアルタイム検索で上位表示されていれば、リスティング広告などで売り込みを強化するなどの施策を講じることができます。
このように常にリアルタイム検索でトレンドや旬な情報を追っていることによって、自社と親和性の高いキーワードが話題になったときに、すかさずマーケティング施策を強化するなど、レスポンスの早い行動を取ることができます。
関連記事
・トレンドワードとは!Google、Twitterの仕組みも解説!
・Googleトレンドとは?基本的な知識と活用方法から応用まで解説
リアルタイム検索を行うには
ここまで、Yahoo!リアルタイム検索やGoogleトレンドの概要を解説してきました。ここからは、これら2つも含めて、リアルタイム検索を行う3つの方法を紹介します。
● Yahoo!リアルタイム検索を活用する
● Googleトレンドを活用する
● X(旧Twitter)などのSNSを活用する
それぞれ順番に見ていきましょう。
Yahoo!リアルタイム検索を活用する
まずは、本記事でも解説しているYahoo! リアルタイム検索を活用する方法です。ブラウザ上にて、ログイン無しで活用することができ、検索窓にキーワードを入力するだけで調べられます。また、トレンド性の高いキーワードを確認できる「話題なう」、テレビ番組に関連するトピックを確認できる「テレビなう」などの様々な便利機能も用意されているため、まずはそれぞれの機能を1つずつ試しに利用してみてはいかがでしょうか。
Googleトレンドを活用する
Web担当者であれば、Googleトレンドはキーワードリサーチに活用するのがおすすめです。リアルタイムや直近での検索数が上昇しているキーワードで対策をすれば、被リンクを獲得できる可能性が高まります。被リンクを獲得できれば、今後の検索順位が安定して高まることにも期待ができ、売上を伸ばしたり、集客力を上げたりという目的も達成しやすくなるでしょう。
X(旧Twitter)などのSNSを活用する
最後に、Twitter、Facebook等のSNSにも、リアルタイム検索機能が搭載されています。例えばTwitterでは、関連するキーワードが含まれた人気のツイートを調べたり、より注目度の高いツイートを一覧で表示できたりする機能が搭載されています。また、Twitterでは人気のハッシュタグも調べられるので、よりユーザーの興味関心を調べやすいと言えるでしょう。
Facebookでの検索には、結果が表示される順番に特徴があります。最初に表示されるのは、検索キーワードに関連するFacebookページです。その後、友人の投稿が続き、最後には公開設定されている全ユーザーの投稿が続きます。限定公開の投稿は含まれない点を忘れないようにしましょう。
関連記事
・ハッシュタグの意味とは!つけ方や活用シーンを徹底解説
・現代のWeb広告市場を支えるYahoo!広告の存在とは
Yahoo!リアルタイム検索の機能
リアルタイム検索を提供している主要なツールの1つに、Yahoo!リアルタイム検索が存在します。Yahoo!リアルタイム検索には、以下の便利機能があります。
● 感情分析機能が使える
● 話題なう
● 様々な条件を設定して特定の情報のみ絞り込める
それぞれ順番に見ていきましょう。
感情分析機能が使える
Yahoo!リアルタイム検索では、感情分析機能が使えます。ネガティブな発信、ポジティブな発信の割合を時間ごとに確認できます。ネガティブかポジティブかを判別するためのアルゴリズムには、Google検索エンジンでも導入されているBERTアルゴリズムが用いられています。
また、検索する単語(キーワード)のみならず、内容も一緒に確認可能です。仮に、自社に関連するキーワードのネガティブな発信の割合が多い場合は、発信の内容を改善するよう工夫しましょう。
話題なう
話題なうとは、リアルタイムで言及されている回数が多いキーワードを調べられる機能のことです。最新情報やトレンドを調査したい場合に有用です。
様々な条件を設定して特定の情報のみ絞り込める
リアルタイム検索では様々な条件を設定して、特定のツイートを抽出することが可能です。
例えば、自身あるいは自社のTwitterアカウントから発信しているツイートのみを抽出したい場合は、検索窓に「ID:」もしくは「id:」と入力した上で、調べたいアカウントのIDを入力することで、抽出することができます。
また特定の#(ハッシュタグ)を抽出することも可能です。上述したように、災害時には「#地震」と検索することで、関連した最新情報を集めることができるでしょう。その他にも、公式のヘルプページで様々な検索方法が公開されているので、活用する際には参考にするのがおすすめです。
関連記事
・Google検索エンジンに導入されたBERTアルゴリズムとは?
・アルゴリズムの意味とは?検索アルゴリズムの基礎から順位決定の要素まで詳しく解説
・検索アルゴリズムの変遷~歴史から読み解くSEOの未来について
Googleトレンドの機能
先ほど、Yahoo!リアルタイム検索について紹介しました。リアルタイム検索とは少々異なるものの、トレンドを調査できるツールとしてGoogleトレンドも存在します。ここからは、Googleトレンドの機能を以下の3つに分けて紹介します。
● 調査する(調べる)
● 急上昇キーワード
● 検索で振り返る
それぞれ順番に見ていきましょう。
調査する(調べる)
調査する(調べる)は、最大で5つのキーワードを検索窓に打ち込み、それぞれのキーワードの検索数の推移を調べられる機能です。どのキーワードで対策をして良いのか分からない場合は、Googleトレンドの調査する(調べる)機能で検索数を洗い出し、自社でも上位表示可能なキーワードで対策するのがおすすめです。
また、対象国、期間、カテゴリー、検索方法でも絞り込みができる他、関連トピックや関連キーワードも洗い出せます。そういったキーワードリサーチの部分では、Yahoo!リアルタイム検索よりも優れている機能だと言えるでしょう。
急上昇ワード
急上昇ワードは、リアルタイムで検索数が上昇しているキーワードのことです。国別に確認することができ、関連キーワードやインタレスト、関連ニュースも表示されます。また、急上昇ワードでは、24時間以内に検索数が上昇しているキーワードも調査可能です。
検索で振り返る
検索で振り返るでは、直近1年間と、その前年を比較して、検索数が多かったキーワードを検索できます。こちらも国別に調べることができ、検索数の多かったキーワードに関連するトピック、関連キーワードも表示されます。また、特に動向を追いたいキーワードがある場合は、変動が起きたときにメールで通知してくれる機能も搭載されており、非常に便利です。
関連記事:Googleトレンドとは?基本的な知識と活用方法から応用まで解説
SNSでの調べ方
リアルタイム検索はSNSでも調べることができます。主に活用するのは以下のSNSです。
● X(Twitter)
● Facebook
X(Twitter)
X(Twitter)では「虫眼鏡のアイコン=話題を検索」をクリックすることで、さまざまな旬なキーワードを表示できます。さらに「For you」「Trending」「News」「Sports」「Entertainment」の5つのカテゴリーに分かれており、属性ごとに話題になっているキーワードが入手できます。
またX(Twitter)のポストはYahooのリアルタイム検索でも表示されるようになっていますので、Yahooのリアルタイム検索を確認することでトレンドキーワードや人気ポストなどを把握することができます。そしてさらに、細かく以下のことも分かります。
● 期間別でポスト数の把握ができる
● ユーザーの感情も分かる
期間別でポスト数の把握ができる
6時間、24時間、7日、30日の期間別でポスト数の推移が確認できるため、こういった情報もマーケティング戦略に活用できます。
ユーザーの感情も分かる
投稿されたポストが現時点においてポジティブなものとなっているのか、ネガティブなものとなっているのか、といったことも上記期間別で把握できるようになっています。
「感情の割合」といったユーザーの感情を円グラフで表したものが表示されており、これを確認することでユーザーの感情の変化を時間の流れとともに把握ができます。
Facebookもポストや投稿された動画の「いいね!」などを確認することで旬な話題を把握できます。また検索窓からキーワードを入力することでも旬な話題を入手できます。
しかしながらFacebookはX(Twitter)と異なり、時系列トップ表示が入力したキーワードに関するFacebookのページで、2番目以降は友だち登録している人の投稿、最後に全ユーザーに公開されている投稿となっています。
そういったシステム上のしくみから、トレンドの把握は限定的なものになります。それでもX(Twitter)の補助的な位置づけで確認するには十分有用ですので、合わせて確認するようにします。
関連記事
・X(旧Twitter)のヘッダーとは?画像サイズや作成方法を紹介
・マーケティングで有効なSNSは結局どれがいいの?Facebook、Twitter、Instagram?
・Facebookの基礎知識と新名称の「Meta」について解説します
・Facebook Messenger(フェイスブックメッセンジャー)とは?機能やできることを解説
リアルタイム検索をマーケティングに活用する
実際にリアルタイム検索をどのようにマーケティングに活用するのか、その方法を解説します。
● ユーザーの興味関心ごとからコンテンツを作成する
● Web広告を最適化する
● 季節に応じたイベントを把握する
● Googleトレンドの使い方
● Yahooリアルタイム検索の使い方
ユーザーの興味関心ごとからコンテンツを作成する
例えば、リアルタイム検索に表示されているキーワードから記事コンテンツを作成することで、その時の話題に沿った旬な記事コンテンツをユーザーへお届けできます。
リアルタイム検索で表示されているキーワードは新しいワードも存在するため、検索エンジンでライバルがまだ比較的少ないブルーオーシャンのキーワードである場合も多々あります。ドメインパワーが強い場合は記事コンテンツが数時間程度で検索エンジンへインデックスされ、そのまますんなりと上位表示されることもあります。
またGoogleトレンドで中長期的なトレンドキーワードが発見できた場合はそのキーワードで記事コンテンツを作成することで、ライバルが多くてもじっくりと上位表示を目指すことができます。リアルタイム検索を利用すればこういった短期的、中長期的に有効な記事コンテンツを作成できます。
Web広告を出稿する
リスティング広告をはじめとしたWeb広告は、出稿してから配信されるまでのスピードが早いためリアルタイム検索と非常に相性が良いと言えます。
例えば、リアルタイム検索やGoogleトレンドなどで自社と親和性や関連性の高いキーワードを発見し、なおかつそのキーワードの注目度が高くこれから人気が出そうな傾向にある場合などは非常にチャンスとなります。
そういった場合はアクセス数がこれから高まることを予測して、いち早くそのキーワードで記事コンテンツを作成、出稿することで多くのアクセス数を稼げる可能性が高まります。リアルタイム検索やGoogleトレンドをこういったWeb広告に活用するのも有効なマーケティング施策のひとつです。
季節に応じたイベントを把握する
リアルタイム検索やGoogleトレンドでキーワードを追跡、蓄積していくことで季節ごとのイベントなども把握できるようになります。例えば代表的なのが1月はお正月、2月は節分、3月はひなまつり、といった具合にその月で注目されるイベントがあります。
ですがこういった代表的なイベントは誰でも知っているため、このままのキーワードを利用するとレッドオーシャンに記事コンテンツを投入することになります。
そこで、さらにリアルタイム検索やGoogleトレンドを活用して細かいイベントを見つけ出していきます。すると1月では「仕事始め」「七草がゆ」「電子メールの日」、2月では「恵方巻」「副業の日」「NISAの日」、3月では「ミニ保険の日」「カメラ発明記念日」「電卓の日」など、実にさまざまなキーワードが出てきます。
こういったライバルの少ないブルーオーシャンキーワード(マイナーキーワード)を自社の商品やサービスと結びつけて記事コンテンツを作成することで、ユーザーとの導線を作る方法もあります。
Googleトレンドの使い方
Googleトレンドの使い方を解説します。Googleトレンドはアカウントが必要ないためそのままGoogleトレンド(https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP)のページに移動しツールを利用します。ページの検索窓に調べたいキーワードを入力し「調べる」をクリックするとそのキーワードの人気度の動向が折れ線グラフで時系列に表示されます。
絞り込み検索を行いたいときは画面上部より国や期間、カテゴリーなどを選択します。グラフ右端の最新の期間において、折れ線グラフが右上がりのときは検索したキーワードの人気がこれから高まる傾向にあります。逆に右下がりのときは検索したキーワードの人気が下火になりつつある傾向にあります。
Yahooリアルタイム検索の使い方
Yahooリアルタイム検索の使い方について解説します。Yahooリアルタイム検索はアカウントが必要ないためそのままYahooリアルタイム検索(https://search.yahoo.co.jp/realtime)のページに移動しツールを利用します。トレンド一覧が表示されていますが、目的のキーワードがない場合は検索窓に打ち込んで検索します。
するとX(Twitter)のポストと同時にポスト数の推移と感情の割合が表示されます。ポスト数の推移においてグラフ右端のポスト数が右上がりのときは、検索したキーワードのポストがこれから増える傾向にあります。逆に右下がりのときは、検索したキーワードのポストが下火になりつつある傾向にあります。
まとめ
本記事では、リアルタイム検索について解説をしました。リアルタイム検索は、ユーザーの興味関心や、トレンドを知りたい場合に非常に有用です。Yahoo!リアルタイム検索、Googleトレンド、SNSなど、リアルタイム検索ができるツールは様々存在しますので、まずは自社が使いやすいものから試してみてはいかがでしょうか。