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エンタープライズ企業ターゲットのマーケティング手法とは?

2022.1.7
読了まで約 4

大企業から新規契約を受注することができれば、企業の売上規模や従業員規模から大きな売上を上げられる可能性が高くなります。また、1つの部署で契約を獲得できれば、他の部署へとすそ野を広げてアプローチもしやすくもなるでしょう。

大企業へのアプローチはエンタープライズマーケティングやエンタープライズセールスと呼ばれ、中堅・中小企業とは異なる体制や手法でのアプローチが有効です。今回は、エンタープライズ企業をターゲットとした最適なマーケティング手法について紹介します。

エンタープライズ企業とは

エンタープライズとは、法人または法人向けのIT製品(ソフトウェアやサービス)を指します。製品の対象となる市場や顧客の規模をカテゴリする際に用いられ、特に中堅・中小企業を指すSMB(Small and Medium Businessの略)と区別するために、大企業や官庁や地方公共団体などの比較的規模の大きな組織を指しています。

エンタープライズ企業はビジネスの観点から見るとメリットが多く上げられます。SMBと比較すると、売上規模や従業員規模が大きい分、契約金額が大きくなります。また、一度契約を獲得すれば解約することも少なく、SaaSビジネスにおいてはチャーンレートが低くなります。

そして、ある部署と契約して導入効果が発揮できれば、他の部署へも導入しやすくなり横展開することが期待できます。アップセル・クロスセルが大きく期待できるのもエンタープライズ企業ならではです。

それゆえに多くの企業がエンタープライズ企業ターゲットのマーケティング、セールス活動に注力しています。しかし、エンタープライズ企業へのマーケティング、セールスは、SMBターゲットとは異なる特徴を理解し戦略や施策を検討する必要があります。

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マーケティング観点で見たエンタープライズ企業の特徴

マーケティング観点において、エンタープライズ企業の特徴は大きく3つ挙げられます。

①ターゲット企業数が少ない

エンタープライズ企業として明確な定義はありませんが、中堅企業よりも大きな規模を対象とすると、その企業数は11,000社ほど該当し、日本全体ではおよそ0.3%になります。

さらに、サービスの対象となる企業は限られ、SMBと比較するとターゲットとなる企業数は少なくなります。数少ないターゲット企業に対して精度高くマーケティングやセールス活動を行い、契約までつなげていくことが非常に重要です。

②意思決定に多くの人が関わる

エンタープライズ企業はその規模が大きいために、契約の意思決定に多くの人が携わります。窓口となる担当者や最終決定を行う決済者、サービスを実際に使う利用者とそれぞれレイヤーの異なり、また、複数の部署をまたいで検討されることもあります。

立場や部署が異なれば、解決したい課題や求めている機能は異なります。そのため、マーケティングやセールス活動においては、あらゆるレイヤーや部署がもつニーズに応えられるように訴求ポイントを整理し活かしていくことが必要となります。

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③契約までのリードタイムが長い

上述の通りエンタープライズ企業では契約までに多くの人が意思決定に関わるため、契約までのリードタイムも長期になります。契約自体もSMBと比較すると慎重になりやすく、検討するために十分な時間をかけることも要因のひとつです。

また、年間の予算が年度はじめには確定している場合もあり、契約の前年度に予算取りを行うケースも多々あります。次年度の予算取りを行うタイミング(4月はじめであれば前年の秋頃)までにターゲット企業と接点をもち、関係構築をしておく必要があります。

エンタープライズ企業向けマーケティング手法

エンタープライズ企業向けにマーケティングやセールス活動を始める場合、軸となるのがABMです。ABMとは「Account Based Marketing(アカウント・ベースド・マーケティング)」の略で、企業や団体をベースとしたマーケティング手法です。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?基本的な概念から具体的な施策手法まで解説! | MarkeTRUNK

SMB向けのマーケティングやセールス活動では、不特定多数の見込み顧客に広くアプローチし、自社に興味関心を示したリードをインサイドセールスが育て、育てたリードをフィールドセールスが契約までつなげているやり方が向いています。

リード獲得をマーケティング、リード育成をインサイドセールス、契約をフィールドセールスとそれぞれ分業して、効率的に新規顧客を獲得する「The Model」というマーケティング手法が当てはまります。

ABMではThe Modelの分業体制ではなく、どの部署も総出でターゲット企業からの契約獲得に取り組むのが大きなポイントです。エンタープライズ企業向けのマーケティングを行う上で取り組むのが、ターゲット企業の選定とBDRの立ち上げです。

①ターゲット企業の選定

まずターゲットとなる企業を選定します。このとき自社の顧客リストを洗いだし、その集めた情報を整理し、分析して優先順位を付けます。また、顧客リストにない企業に関しては、外部の企業データベースを活用して、新たにターゲットとなる企業を探すと良いでしょう。

外部の企業データベースを活用したターゲティング | MarkeTRUNK

②BDRの立ち上げ

ターゲット企業の選定とあわせて行うのがBDRの立ち上げです。BDRはBusiness Development Representativeの略で、「新規開拓型」のインサイドセールスを指します。ターゲット企業に対して、手紙や電話の直接的なアプローチなどのアウトバウンド施策で商談を獲得する役割を主に持っています。

それだけではなくターゲット企業のキーマンを把握しながら、各企業の組織図を作成したり、各企業のニーズや検討方法にあわせた最適なアプローチを検討します。企業リストに対しただコールドコールを行うのではなく、契約まで戦略的に取り組む重要なポジションです。

エンタープライズ企業アプローチに有効なチャネル

エンタープライズ企業へのアプローチが可能な体制になったら、マーケティング施策を展開していきます。エンタープライズ企業のアプローチに有効なチャネルを紹介します。

①CXOレター&テレアポ

CXOレターは企業のCEOやCOOなどCXOの役職者に宛てて手紙を送付する施策です。ターゲット企業のキーマンに直接リーチすることが可能であり、手紙を送った後にフォローの電話をセットにすることでアポイント獲得率が上がります。

エンタープライズ企業では特に有効と言われています。CXOには専属の秘書がついており、届いた手紙を秘書がキーマンの手元に届け、またCXOの指示があれば、アポイントの日程調整を代わりに行うため、アポイントが確実に取れやすいことが挙げられます。

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②展示会

エンタープライズ企業のCXOの役職者や、各部署の責任者にアプローチしやすいのが展示会です。BtoBの展示会はテーマ別で行われるため、該当のテーマに関連する役職者や責任者が集まりやすくあります。

また、接点を持つだけではなく、その場でサービスのデモや説明を行えるため、短期間で契約までたどり着くことも期待できます。

はじめての展示会出展のための企画立案 | MarkeTRUNK

まとめ

・エンタープライズ企業は大企業や官庁や地方公共団体などの比較的規模の大きな組織を指し、ビジネス観点でメリットが多い。一方で、エンタープライズ企業に対するマーケティング・セールスは、SMBターゲットとは異なる特徴を理解し戦略や施策を検討する必要がある
・マーケティング観点において、エンタープライズ企業の特徴はターゲット企業数が少なく、意思決定に多くの人が関わるために契約までのリード期間が長いこと
・エンタープライズ企業向けにマーケティングやセールス活動を始める場合、軸となるのがABM。ABMを取り組むにあたり必要なことは、ターゲット企業の選定とBDRの立ち上げ
・エンタープライズ企業のアプローチに有効なチャネルは、CXOレター&テレアポと展示会

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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