見込み顧客が課題を認識し、製品・サービスの利用を検討し始めた際に、担当者の頭のなかに自社や製品・サービスの名前が候補として挙がることは非常に重要です。また、責任者や決裁者が知っていたら、その稟議はスムーズに進むことも期待できます。
広報のなかで、自社が提供する製品・サービスの焦点にあてた情報発信のことをプロダクト広報と言います。マーケティングにおいては、製品・サービスの認知拡大、信頼感の醸成において有効な施策です。プロダクト広報は、ブランディングやリードジェネレーションなど、様々なマーケティング目標の達成に貢献します。
今回はプロダクト広報について、具体的な取り組み内容を紹介します。効果的なプロダクト広報戦略を立てることで、自社製品・サービスの市場での存在感を高め、競合他社との差別化を図ることができます。さらに、プロダクト広報を通じて、顧客との長期的な関係構築にも繋がり、持続可能な事業成長を支援します。
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目次
プロダクト広報とは
広報は企業主体の情報発信となる広告宣伝や販促活動とは異なります。広報は会社や製品・サービスの認知拡大やステークホルダーとの関係構築を目的に行われます。マーケティング戦略の一環として、アプローチ先は顧客ではなく、主にメディアとなり、メディア読者視点での情報発信となります。第3者であるメディアからの発信により、ターゲットの認知と態度変容を目指していきます。
広報には大きく3種類あります。会社全体をPRする会社広報、採用を目的とした採用広報、顧客拡大を目的としたプロダクト広報の3つです。会社広報は、株主や求職者、顧客を含め会社に関連するすべてのステークホルダーに向けて会社をPRします。採用広報は、求職者(中途・新卒)に向けて、働く社員の様子や、福利厚生や人事制度などの情報を発信します。
プロダクト広報は、会社が提供する製品・サービスに関する情報を見込み顧客に向けて発信します。具体的には、導入企業数や導入企業の紹介、新機能リリースやサービス連携、アワードの受賞などが挙げられます。
近年はSNSの普及により、ユーザー顧客みずから情報を発信できるようになり、メディア以外からのユーザー顧客の発信もより影響力のあるものになっています。企業の中には、コミュニティを作り、ユーザー顧客同士の交流や発信を活性化し、より発信力の強い広報活動をしている企業もあります。このような取り組みは、プロダクト広報の効果を増幅させ、製品・サービスの認知度向上に貢献します。
プロダクト広報は、会社が提供する製品・サービスに関する情報を見込み顧客に向けて発信します。具体的には、導入企業数や導入企業の紹介、新機能リリースやサービス連携、アワードの受賞などが挙げられます。
近年はSNSの普及により、ユーザー顧客みずから情報を発信できるようになり、メディア以外からのユーザー顧客の発信もより影響力のあるものになっています。企業の中には、コミュニティを作り、ユーザー顧客同士の交流や発信を活性化し、より発信力の強い広報活動をしている企業もあります。
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マーケティングにおけるプロダクト広報
マーケティングにおいて見込み顧客の認知を獲得していることは非常に重要な要素となります。しかし、認知を得ているかの効果を図ることは難しく、その取り組み自体も費用対効果の判断が難しいため、広告宣伝や販促活動と切り離すケースも少なくありません。
マーケティングにおいてプロダクト広報は、見込み顧客の認知拡大、および、信頼感の醸成による行動変容(問い合わせへのアクション)が期待できます。また、マーケティングファネルにおいて、潜在層から顕在層まで広くアプローチできます。
費用対効果を示していくのが難しい取り組みですが、戦略的に取り組み成功している企業もあります。プロダクト広報を戦略的に取り組んでいくことがその後のマーケティング活動の成功要因になりうることは間違いないでしょう。
さらに、プロダクト広報は長期的な視点でのブランディングにも貢献します。継続的な情報発信により、製品やサービスの認知度が高まるだけでなく、企業のイメージ向上にもつながります。このようなブランド価値の向上は、直接的な販売促進だけでなく、顧客との信頼関係構築にも重要な役割を果たします。したがって、マーケティング戦略全体の中で、プロダクト広報を適切に位置づけ、他のマーケティング施策と連携させることが、効果的なマーケティング活動につながるのです。
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プロダクト広報の取り組み
プロダクト広報の取り組みは、効果的なマーケティング戦略の一環として非常に重要です。主に2つの大きな段階に分けられます。
まず第一に、目的の明確化、KPI・ターゲット設定を行います。これは広報活動の方向性を定め、成果を測定するための基盤となります。プロダクト広報の主な目的は、見込み顧客の認知拡大と信頼感の醸成です。この段階では、具体的なKPIを設定し、ターゲットとなる顧客層やメディアを特定します。
次に、個別タスクの実践とPDCAサイクルの実行です。設定された目的やKPIに基づいて具体的なタスクを策定し、それらを実行に移します。同時に、実施した施策の効果を継続的に測定・分析し、次のアクションに反映させていきます。このプロセスを通じて、プロダクト広報の効果を最大化し、マーケティング全体の成果向上につなげることができます。
これらの取り組みを通じて、企業は自社の製品やサービスの認知度を高め、市場での競争力を強化することができます。プロダクト広報は、長期的な視点で取り組むべき重要なマーケティング活動の一つと言えるでしょう。
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①目的の明確化、KPI・ターゲット設定
まず、プロダクト広報の目的の明確化と、目標KPI、そしてターゲットを設定します。目的は見込み顧客の認知拡大と信頼感の醸成です。
KPIは取り組みはじめの段階は、メディア担当者との接触数や獲得した連絡先の数、プレスリリース発信数などのアクション数で設定すると良いでしょう。まずは、メディア担当者との関係構築とプレスリリースの情報の確保を行います。
また、メディア担当者との関係性や定期的なプレスリリースの配信が可能になったら、メディアへの掲載本数や、掲載された内容での定性的な評価に変えて、質を担保していきます。
ターゲットは製品・サービスのペルソナや、取引実績の顧客から整理し、ターゲットが読んでいるメディアをリストアップし、メディア研究も行います。
具体的には、メディアの記事を読んだり、媒体資料を取り寄せユーザー属性を確認します。雑誌であれば、バックナンバーの表紙を過去1~2年確認し、どの特集が取り上げられているかをチェックします。その後のプレスリリースの配信に活用していきます。
マーケティングの観点からも、プロダクト広報の目的とKPIを明確にすることで、効果的な情報発信が可能となります。例えば、新製品のローンチに合わせてプレスリリースを配信する場合、製品の特徴や市場での位置づけを明確にし、どのような顧客層にアプローチするかを事前に検討することが重要です。これにより、メディアに取り上げられやすい内容を準備し、効果的な広報活動を展開することができます。
①で設定された目的・KPI・ターゲットをもとに、具体的なタスクへ落とし込みます。その後、各タスクの実践と進捗管理、そして効果測定を行います。得られた効果から分析し、次へのアクションに反映させながら、PDCAサイクルを回していきます。これは、効果的なマーケティングと広報活動の基本となります。
関連記事:プレスリリースとは?概要や実施する目的、メリットについて解説
ペルソナテンプレート集
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・メディア担当者と関係構築
①でリストアップされたメディアの担当者と接点を持ち、関係構築を図ります。
メディアにメールを送付するなどして、メディアの編集長や記者と接点を持ちます。そして、メディアの担当者からどのような情報を求めているかヒアリングをしたり、定期的に業界の情報をメールするなどして関係構築を図ります。
・プレスリリースの情報を探す
開発やセールスなど製品・サービスと関係する部署と積極的にコミュニケーションを取り、プレスリリースの情報を探します。開発であれば、新機能や外部サービスとの連携、セールスであれば、導入社数や導入企業の事例紹介がプレスリリースの情報となります。
また、マーケティング部門でも調査の公表やイベント開催があれば、プレスリリースの情報となります。
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・プレスリリースの作成
プロダクト広報に限らず広報として、メディア担当者が分かりやすく、取り上げたくなるように作成することが重要です。
WEBメディアへの掲載やSNSでの発信を想定し、素材画像を用意しておきます。
・メディアへ働きかけ
プレスリリースを作成したら、メディアへ連絡します。この場合、プレスリリースの重要度によって連絡方法を分けます。企業として重要な情報であれば、メディアの担当者へ直接メール・電話をするなどして、取り上げてもらえるように働きかけます。企業としてそこまで重要性が高くない情報であれば、メディアのプレスリリース窓口へ投稿します。
プロダクト広報ハック
プロダクト広報を効果的に行うためのハックとして、以下の方法があります。これらのテクニックを活用することで、マーケティングと広報の相乗効果を高めることができます。
①プレスリリースをパターン化
プレスリリースの発信内容が多くなってきたら、その内容をパターン化し、ベースとなるテキストをストックしておきます。
いざ発信する際には、短時間で用意できるため工数が削減でき、効率的にプレスリリースを発信できるようになります。
SaaSサービスであれば、導入企業数や導入企業の事例紹介、新機能のリリースやサービス連携、アワードなど、パターン化できます。
このようなプレスリリースのパターン化は、マーケティングと広報の連携を強化する上でも重要です。例えば、新機能のリリースに関するプレスリリースのテンプレートを用意しておくことで、開発部門から情報を受け取った際に迅速に対応できます。また、導入事例のプレスリリースのパターンを作成しておけば、営業部門との連携もスムーズになり、顧客の成功事例を効果的に発信できるようになります。
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②掲載内容をコンテンツ活用
メディアに取り上げられたら、その内容をコンテンツとして積極的に活用します。自社ホームページやサービスサイトに掲載し、SNSで発信します。また、ハウスリストにもメルマガで配信していきます。
さらに、営業資料やパンフレットにもメディア実績として紹介できますし、社内の広報活動にも活用できます。このように、プロダクト広報で得られた掲載内容を多角的に活用することで、マーケティング効果を最大化できます。例えば、メディアに掲載された記事を自社のブログで詳しく解説したり、その内容をもとにしたウェビナーを開催したりすることで、より多くの見込み顧客にリーチすることが可能になります。こうした取り組みにより、プロダクト広報の効果を最大限に引き出し、製品・サービスの認知拡大と信頼感の醸成につなげることができるでしょう。
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まとめ
- プロダクト広報は、会社が提供する製品・サービスについて、見込み顧客に向けて情報発信をする重要な広報活動である
- マーケティングにおいて、プロダクト広報を戦略的に取り組むことがその後のマーケティング活動の成功に導く可能性が高い
- プロダクト広報の効果的な取り組みとして、①目的の明確化、KPI・ターゲット設定 ②個別タスクの実践・PDCAがある
- プレスリリースの発信内容が多くなってきたら、その内容をパターン化し、ベースとなるテキストをストックしておくことで、工数削減が可能となる
- 広報活動とマーケティングを連携させることで、より効果的な製品・サービスの認知拡大と信頼感の醸成が期待できる

