視聴率といった言葉はほとんど誰もが知っているでしょう。しかし、厳密にどのような測定をしているのか疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。また、近年ではインターネット放送が一般化していますが、視聴率など指標の内容はテレビ番組とは同じではありません。
この記事ではテレビ番組やインターネット放送においての視聴率に関して解説します。
目次
視聴率とは
視聴率は1世帯ごとの数値を指すことが一般的でしたが、最近ではインターネットを使った動画配信が普及してきたこともあって、テレビ以外の媒体での番組露出も増えてきました。そうなると、テレビ局はより視聴者に近い立場に立って情報を提供する必要が出てきます。さらに、録画に対応したタイムシフト視聴率の導入、個人視聴率が活用されたりなどこれまで以上に詳細な指標が使われています。
視聴率にはさまざまな目的があります。たとえば、テレビ番組のスポンサーに企業がなるとき、広告の効果を計る尺度として活用できるほか、番組の内容によって視聴者層が変わるかどうかを調べることも可能です。
また、視聴率の高い番組はそれだけ話題性が高いということになりますから、その番組を観た人たちの意見を集めることで、番組の問題点を指摘する、逆に良い点を挙げるなどして、今後放映する番組の質を向上させることにも役立ちます。このように、視聴率はマーケティングや企業活動においても重要な役割を果たしており、テレビ各局では日々視聴者獲得のための努力を続けているのです。
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視聴率の役割とは
視聴率の役割には主に次の3種類が挙げられます。
・ 世の中の動向を確認
・ ニーズの高い番組の確認
・ 広告宣伝効果の確認
それでは、それぞれの特徴を詳しく説明していきます。
世の中の動向を確認
視聴率を図ることにより、今人々がどのようなことに関心を持っているのかといった世の中の動向を確認する役割があります。つまり、視聴率が社会調査的な役割をするのです。テレビや新聞・雑誌などのマスメディアは世論を形成するための有力なツールとなります。
ニーズの高い番組の確認
番組の内容を決める制作者側が、視聴者のニーズを確認するために活用されます。また、番組のことだけでなくどのシーンがもっとも興味を示しているかなど細かく分析をしています。
広告宣伝効果の確認
民間放送ではコマーシャルを入れたり、有名人がブランド名の入った衣装などを身に着けたりすることによって広告効果があります。視聴率の数字と比例して、多くの人に広告を見てもらっている点においても番組や放送局にとっても重要な要素です。
テレビ局は視聴率を重視しており、視聴率が低い番組には予算を削ったり打ち切りにしたりします。つまり視聴率はテレビ局にとってとても重要な指標でありシビアになるのが一般的です。
視聴率の種類
視聴率調査には次の2種類が挙げられます。
・ 世帯視聴率
・ 個人視聴率
世帯視聴率
世帯視聴率はテレビを所有している世帯に対して、番組を視聴している割合を出すことです。一般的に視聴率というとこの世帯視聴率が対象です。対象となる世帯は決まっており、対象となっている世帯が見た番組によって視聴率が決まります。
個人視聴率
個人視聴率は世帯において4歳以上の家族が対象であり、それぞれの家族がどれくらいの間テレビを視聴したかを表します。年齢や性別など細かく対象を設定するため、主にマーケティングにおいて活用されています。現在さまざまな媒体において番組を閲覧できることから、今後はさらに視聴者一人ひとりのニーズを満たすことが求められます。
そのため個人視聴率の重要度が上がっていくことでしょう。さらに、少子化の影響もあり、家族そろって同じ番組を見る可能性が減ることも個人視聴率が求められる要因です。
視聴率の測定の仕方とは
視聴率の測定の仕方ですが、従来の方法があります。しかし、近年ではそれ以外にさまざまな測定方法を導入してより詳細な視聴率を出しています。
従来の方法とは
1962年から、ビデオリサーチとよばれる調査会社が長らく調査をしてきました。もともと、関東や関西といった人口の多い地域は多めの世帯数、人口の少ない地域は少数の世帯が調査対象です。2021年10月現在において10,700世帯となっています。
しかし、家族揃って1つの番組を見ている割合は以前と比べて少なくなっており、これまでと同じ測定方法が必ず正確だとは限りません。そのため、現在ではさまざまな測定方法が導入されています。主な方法はこのあとに説明していきます。
日記式アンケート
日記式アンケートとは、調査票を使って5分刻みに個人個人に対してアンケートをおこないます。このあと説明する2つの種類とは異なり、人は手作業で測定を行うのが特徴です。視聴率はシステムや機械を使うことが一般的であるのに対して、珍しい計測方法といえます。ただ数値を出すだけでなく、視聴者の具体的な感想を集められるのです。
オンラインメータシステム
対象となる家庭が所有しているテレビに、測定する機械を取り付けるだけで、計測をしている時間にどのような番組を見ているかを調べられます。この方法で世帯視聴率を調べることが一般的です。
ピープルメーターシステム方式
オンラインメータと比較して、ピープルメーターは個人においての視聴率を出します。リモコンボタンをあらかじめそれぞれの住宅に設置しており、家族一人ひとり異なるボタンがあることから、誰が何時にどの番組を見たのかを調べることが可能です。
動画視聴においての視聴率とは
近年ではインターネットを活用した動画方法が主流となっており、さまざまなサービスにおいて動画配信サービスを提供しています。インターネットにおいては、視聴率や再生数といった数値を指標としています。
動画視聴はテレビと比べて、数値がリアルタイムで明確に出るのが特徴です。そのため、今後番組を制作するうえで、参考にすることが可能です。そのため、テレビの視聴率と比べてPDCAを早く回すことができるのが特徴的です。
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視聴率
動画視聴においての視聴率とは 動画が表示された回数に対してその動画が再生された回数の割合を計算したものです。視聴率が低い場合は、動画を表示するページにアクセスしていながら、さまざまな理由で動画を再生していない状態です。
動画を見たいと思うようなタイトルでなかったり、再生をするための操作方法がわかりにくかったりといった要因が考えられます。
再生率
次にテレビではない再生率ですが、動画の長さに対しての再生された割合です。つまり、長い動画に対して再生率が高い場合は、そのぶんだけ視聴者に対して動画の内容を十分に伝えられていることになります。再生回数が多くても視聴者に伝わっていない可能性があり、再生率が重要な指標です。
動画媒体において視聴率以外に必要な指標とは
動画媒体において重要なのは、再生率や視聴率だけではありません。テレビと比べて、広告につながるデータなどをより明確な数字で出すことが可能です。
次のような指標が重要であるといわれます。
・ クリック数
・ コンバージョン数
それでは、それぞれの指標において詳しく説明していきます。動画視聴においては、番組を見られている数だけでなく、いかに広告を見られているか、また広告を出している最大の目的である商品販売や会員獲得につながっているかなどを示す指標です。
クリック数
動画媒体には広告が表示されますが、この広告の部分をクリックした回数のデータとして記録されます。動画と広告の内容が連動していると、動画を見たあと、より詳しい情報を確認するために広告をクリックするケースがあります。つまり、動画の内容によってクリック数が変わるのです。
テレビの視聴率は番組を見た人数で判断しますが、動画媒体においてはその動画を見て広告をどれだけの人が見ているかといった、より詳細な数値が出されます。表示回数に対するクリック数の割合をクリック率といいますが、クリック率が高ければ高いほど視聴者のニーズに広告や動画の内容があっていると判断することが可能です。
また閲覧者の多い人気サイトでは動画に「タグ」と呼ばれる検索キーワードを設定しておき、視聴回数を増やしたり、広告効果を高めることができます。
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コンバージョン数
コンバージョンとは、広告を見るだけでなく広告の商品を購入したり資料請求をしたりするなど、広告主が求めている行動を視聴者がとることをいいます。動画広告において、もっとも重要なのがコンバージョン数の増加、また割合を表すコンバージョン率を上げることです。
クリック数が多くてもコンバージョン率につながらない場合、商品と広告の内容が一致していないか、広告サイトが視聴者にとって使いづらい可能性もあります。つまり、ユーザビリティが低い可能性があるということです。
まとめ
本記事において、視聴率について詳しく解説をしてきました。視聴率は従来のような世代ごとのリアルタイムな数値ではなく、より詳細にデータがとれるようにさまざまな計測方法が挙げられます。
視聴率はただどの番組をよく見られているのかを測るだけでなく、視聴者が求めていることを把握できることから世の中の動向を理解できます。さらに、それぞれの番組ごとに広告媒体としての価値を確認することなどさまざまな目的が挙げられます。
近年では、動画においての放送がされるようになりました。テレビの視聴率と違い、番組を見た回数だけでなく広告にどれほど効果があるのかなどさまざまなデータがでます。これらのデータを分析して、より視聴者のニーズにあった番組内容や広告内容であることが重要です。