【コラム】BtoBマーケティングの特徴を解説、BtoCマーケティングとの違いとは

ビジネス用語として基本中の基本といわれるのが「BtoB」「BtoC」という用語です。名前を知っていても、実際にマーケティングという視点では何が違うのか、案外ズバリと答えられる人は少ないかもしれません。
今回はBtoBマーケティング・BtoCマーケティングの違い、その特徴をまとめて解説します。

 

「BtoB」・「BtoC」って何?

まずは用語のおさらいからです。
「BtoB」「BtoC」の「B」とは「Business(ビジネス)」、つまり法人を意味します。顧客であれば法人顧客(企業)を表します。対して「C」とは「Customer(カスタマー)」、個人を意味します。顧客であれば、個人の顧客(消費者)を表すことになります。

「BtoB」とは、企業から企業へモノやサービスが提供される企業間取引のモデルのことです。対して「BtoC」とは、企業から消費者へモノやサービスが提供される企業対消費者取引のモデルのことを指します。企業からすれば、取引先の相手が法人客なのか、個人客なのかで大きくビジネスモデルが異なるため、「BtoB」と「BtoC」という言葉で、簡単に表すようになったのです。

「BtoB」・「BtoC」は意思決定のプロセスが違う!

それではマーケティングという視点から、「BtoB」と「BtoC」では何が異なるのでしょうか。結論からいうと、両者は購入までの意思決定のプロセスが大きく異なります。

●窓口の担当者と意思決定者が異なる

第一に、企業との「第一次接触者」と購入を決定する「意思決定者」が同じか、異なるかの違いがあります。

マーケティングの戦略を練る場合、まずは、どのような顧客をターゲットにするのか、その「ペルソナ」の設定から考えていくことが多いでしょう。
BtoCマーケティングでは、ペルソナの設定が非常に単純です。というのも顧客は想定する消費者一人一人だからです。意思決定までの流れとしては、個人が商品やサービスを何らかの手段で認識し、「この商品が欲しい」「このサービスを受けてみたい」と思えば、購入や契約に至ることになります。

BtoCマーケティングでは、企業と最初に接触する「第一次接触者」と、実際に購入を決める「意思決定者が」が同じという特徴があります。

たとえば化粧品の販売について具体的なマーケティング戦略を練る際、ペルソナを「30代~40代の女性」、「割と自由にお金を使うことができる金銭的余裕がある女性」などとあらかじめ設定し、効果的なキャンペーンなどを展開することができます。

設定したペルソナはどのようなチャネルで接触することが多いのか、何が決め手で購入の意思決定がなされるのか、これまで集めたデータなどから分析して戦略を練ることが可能です。

またBtoCマーケティングでは、企業との第一次接触者と購入の意思決定者が同じであるため、企業とのファーストコンタクトが非常に大切となります。

一方で、BtoBマーケティングでは、企業との「第一次接触者」と購入の「意思決定者」が異なります。
そのためペルソナ自体の設定も難しいといえます。ペルソナを「企業」と捉えて、どのような企業に売り込んでいくかと考えることは可能です。

実際に「企業」というものが意思を持つわけではありません。
企業が購入を決定するには、企業の中で働いている複数の個人が関与していくことになります。

具体的な流れとしては、商品やサービスを購入する窓口となる担当者がいて、彼らが情報の「第一次接触者」となります。
窓口担当者が、あらかじめこの時点で購入する商品やサービスを一つに決める場合もあれば、候補となるものをいくつか選んでおくという場合もあります。

いずれにせよ最終的には、購入の意思決定を行う個人や機関があって、その段階でようやく購入するかどうかの決定がなされます。
この流れで考えると、窓口担当である個人をペルソナとするのは、幅がありすぎて容易ではありません。

第一次接触者の窓口担当者が、商品やサービスの情報を入手してたとえ気に入ったとしても、即時、購入につながることは少ないでしょう。

組織の上位者である意思決定者が許可をしなければならないからです。BtoBマーケティングの場合は、窓口となる担当者と意思決定者が異なる場合が多く、その過程はBtoCマーケティングと比べて複雑といえます。
BtoBマーケティングの場合、商品やサービスのファーストコンタクトを、インパクト重視で考えてもあまり意味がありません。

最終意思決定者が不可とすればそれまでだからです。どちらかといえば、商品やサービスの良さはもちろんですが、加えて「組織上位者である他人」を納得させる「+α」のものがなければ厳しいでしょう。逆をいえば、それが揃えば、窓口担当者に選んでもらえる可能性が高くなるといえます。

 

 

「BtoB」・「BtoC」は意思決定までの時間が違う!

それだけではありません。BtoCマーケティングの場合は、消費者自身が気に入って欲しいと思えば、購入につながります。

商品やサービスの第一次接触者と意思決定者が同じだからです。仮に、スマートフォンに届く広告を見て興味を持ち、使いたいと思ってすぐに購買の意思決定をしてクリックすれば、非常に短い時間での購入が実現できることになります。

一方でBtoBマーケティングの場合は、同じように窓口担当者のスマートフォンに広告が届き興味を持ったとしても、そこでまずは吟味します。というのも購入となれば、複数の手続きを踏まなければいけないからです。

まずもって、購入の許可を得るために社内での手続きを踏む必要があります。直属の上司に印鑑をもらえばよい、それだけならまだそこまで時間はかからないでしょう。

しかし3つの部署の上長に印鑑をもらう必要がある、月1回の取締役会の承認を得なければならないなどの制約があれば、意思が決定するまでにかなりの期間を要することになります。

購入した後の処理も大変です。BtoCマーケティングであれば、自身でお金を払えば終了です。

しかしBtoBマーケティングの場合は、見積書、請求書、領収書などの書類が必要になることも多く、企業によっては、購入するだけで複数の書類を作成しなければならないこともあるからです。

自身で立て替えするのか、経理部に振り込みをお願いするのか、口座引き落としのために銀行との手続きも進めなければいけないのか、付随する手間がかかります。

そのためBtoBマーケティングを考えるには、商品やサービスの良さだけでは購買につながりません。

他社も同じ商品やサービス、同じ価格であれば、どこで差をつけるのか、それは購入するまでの手間をいかに減らせるのかという視点が必要になるのです。

BtoBマーケティングの方が、結果的に受注単価が高い?

ここまで見てきましたが、BtoCマーケティングよりもBtoBマーケティングの方が、売り上げの結果を出すのは大変だというイメージを持つかもしれません。

BtoBマーケティングの場合は取引先が法人顧客となるため、商品やサービスにもよりますが、一般的には取引の単価が高いといわれています。

相手が購入するまでには、時間と労力がかかる分、いざ取引に持ち込めば、受注単価が高い場合が多いのです。一方、BtoCマーケティングでは、意思決定までの期間は短い分、顧客は一個人となるため、企業に比べて受注単価が安い可能性があります。

売上金額だけを見れば、一回の取引で百万、千万単位の売り上げが計上できるBtoBマーケティングの方が、すぐに目標を達成するという見方もできます。例えば、毎月100万円の売り上げを目標にする場合、BtoCマーケティングであれば、単価が1万円で契約100件が必要です。

これがBtoBマーケティングであれば、単価100万円ならば契約1件で済むのです。
このようにBtoBマーケティングの方が、受注単価が高くなるという特徴があげられます。

 

BtoBマーケティングは継続的な取引に持ち込める

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違いはほかにもあります。

これは、購入の意思決定までの時間が大きく関わることなのかもしれません。実は、BtoBマーケティングの方が意思決定までのプロセスが複雑であるため、窓口担当者があまり取引先を変えたがらないという傾向があります。

そのためBtoBマーケティングの場合、一度取引を始めれば継続的な取引になることが多いといわれています。

確かに、BtoBマーケティングでの、契約成立までの一連の流れを見れば、新しい取引を始める上で、相当な労力が必要になります。

これから新しく契約を行う相手の企業を、意思決定者である組織の上位者に承認させることから始めなければなりません。そのためには、新しく取引を始める企業についての資料が必要となります。新しい商品やサービスを購入するメリットとして、どのように数値の変化が見込めるのかなどの説得材料もマストです。さらには決済までの流れも含めて考えなければなりません。

窓口担当者は、これらのことを考えて、最終的に取引先を変えるメリットがあるのかを総合的に判断します。なければ、現在の取引を打ち切って新しい取引を始めることはそうそうないでしょう。つまり新しい取引を始めるのは大変ですが、始まってしまえば今度は取引が終了することは、BtoCマーケティングと比べて比較的少ないといえます。

以上のように、「BtoB」「BtoC」では、大きな違いや特徴があります。これらの違いを踏まえてマーケティングの戦略を練れば、効果を出すことも可能です。また購入の意思決定までの流れを顧客目線から考えると、どのタイミングでどのような資料を用意すればよいのかも自ずと把握できるでしょう。

最近では、取引の形態も複雑化されています。新たなプラットフォームが次々と立ち上がり、「BtoB」「BtoC」の分け方も、今や「BtoBtoC」「CtoC」など多彩です。さらには「BtoF」(企業と愛好者(ファン)との取引)など、新しい言葉も出てきています。今後も、聞いたこともないビジネスモデルの形態が出るかもしれません。

しかし考え方は同じです。顧客目線に立って、購入までの意思決定を考えると、どのようなビジネスモデルに対しても、対応できるのではないのでしょうか。

 

まとめ

◆ 「BtoB」とは企業間取引モデルで、「BtoC」とは企業対消費者取引モデルを意味する
◆ マーケティングの視点から見ると、「BtoB」と「BtoC」は、意思決定までのプロセスが大きく異なる
◆ 「BtoB」と「BtoC」とでは意思決定までのスピードが異なり、「BtoB」の方がより時間を要する
◆ BtoBマーケティングの方が、結果的に受注単価が高い場合が多い
◆ BtoBマーケティングは継続的な取引に持ち込みやすい

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